押し入れの奥に、ケースに入ったまま何年も動いていない楽器はないか。北陸でそれを手放そうと思って検索すると、ほぼ必ず同じ名前にぶつかる。
MPC楽器センター。富山・石川・福井に5つの店を持つ、地元の総合楽器店だ。

俺はアキラ。元バンドマンで、元楽器店スタッフだ。買取査定を数百件担当して、そのあと自分が売る側に回って盛大にやらかした。
で、あなたは今スマホで「MPC楽器センター 買取」と打っている。家から一番近い店を調べて、楽器を車に積む算段をしているところじゃないか。
その手順で、ひとつだけ落とし穴がある。近い店が、あなたの楽器を見る店とは限らない。
- 俺はMPC楽器センターに査定を出したことがない
- だから「実際に売ってみました」という体験談は一行も書かない
- 代わりに、公式サイトで数えられるものは全部数えた
- これは特定の店を叩く記事ではない。むしろ結論は逆になった
- そしてこの記事には広告リンクがある。あとで理由がわかる
書けないものを書く記事は、それだけで信用に値しない。だから体験談は書かない。代わりに、手を動かせば取れるものは全部取った。
- 買取ページを3枚とも開いて、店舗一覧の店を数えた
- 5店それぞれの店舗ページを開き、売場の構成と電話番号を書き出した
- 口コミを5媒体で数えた(Googleクチコミは使っていない)
- 古物商許可番号を石川県警の一覧と突き合わせた
先に言っておくが、MPC楽器センターは1917年創業の、地に足のついた楽器店だ。怪しい業者を暴く話ではない。なお本記事の数値はすべて2026年9月6日時点で確認した。
- 買取ページ3枚を数えて分かった、品目ごとに違う「持ち込める店」
- 楽器専門の査定士に、まず1社見てもらう(査定だけでもOK)
- 金沢店だけがギターの一覧にいない理由と、店自身が出している答え
- 店頭・WEB・ピアノで、まったく違う3つの買取の流れ
- 口コミが5媒体で7件しかなかったことと、その正しい読み方
結論:最初に決まるのは「どの店か」ではなく「どの売場か」
結論から言う。MPC楽器センターは店単位で動いていない。品目ごとに名前の付いた専門売場があり、その売場がどの店に入っているかで、持ち込める先が変わる。
だから「家から近いMPC」を選ぶより先に、自分の楽器を見る売場がどこにあるかを確かめたほうが早い。



えっ、同じ会社なのに店で違うの? 全部の店で全部買ってくれるんじゃないんだ。



それが今回いちばん面白かったところだ。しかも隠してない。公式に全部書いてある
この記事は、その「書いてあること」を数えただけの記事だ。順番に見ていく。
買取ページを3枚数えたら、1枚だけ店が4つだった
MPCの買取ページは品目別に分かれている。ギター/ベース、管楽器、ピアノの3枚だ。どのページにも末尾に「店舗一覧」がある。
同じ会社の、同じ買取セクションなのだから、同じ店が並ぶはずだと思って開いた。並ばなかった。
管楽器5店、ピアノ5店、ギター4店
2026年9月5日と6日に、3枚を開いて店舗一覧の店を数えた結果がこれだ。
| 買取ページ | 一覧に載っている店 | 数 |
|---|---|---|
| 管楽器買取り | 富山・高岡・金沢・白山・福井 | 5 |
| ピアノ買取り | 富山・高岡・金沢・白山・福井 | 5 |
| ギター/ベース買取り | 富山・高岡・白山・福井 | 4 |
| 店頭買取りについて | 富山・高岡・金沢・白山・福井 | 5 |
品目別の3枚のうち、管楽器とピアノは5店。ギターのページだけが4店だった。抜けているのは金沢である。
しかもギターのページでは、店名が店舗名ではなくブランド名で並んでいる。BlueGuitars(富山)、RedGuitars(高岡)、WhiteGuitars(白山)、GreenGuitars(福井)の4つだ。



色の名前になってる…! じゃあ金沢の色がないってことですか?



そういうことだ。金沢に「◯◯Guitars」が存在しない。ここが今回の入口だった
ただし「買い取らない」とは、どこにも書かれていない
ここは慎重にいく。「一覧に載っていない」ことと「買い取らない」ことは、まったく別の話だからだ。
買取ページ、店頭買取ページ、金沢店の各ページを見たかぎり、買い取らないと読める記載は一つもなかった。そもそも買取不可品のリスト自体が見当たらない。
買取トップと「店頭買取りについて」の店舗一覧には、金沢がちゃんと5店の一つとして載っている。買取そのものの窓口からは外れていない。
だから言えるのはここまでだ。ギターのページの一覧には、金沢の名前がない。それ以上でも以下でもない。
この「一覧に無いだけ」を「対象外」と読み替えて諦める人が、いちばん損をする。石川県の楽器買取をまとめた記事でも同じ構図に触れている。
金沢店の館内案内に、理由が書いてあった
では、なぜ金沢だけギターの一覧にいないのか。推測で書くつもりはなかったので、金沢店のページを隅まで読んだ。答えは会社概要欄にあった。
1階から4階まで、ギター売場が出てこない
金沢店は4フロアある。その構成が原文でこう書かれている。
1階には「Piano Cloud金沢」楽譜フロア / アップライトピアノ・サロンと、管楽器の修理 / ROOTE8, Roseシリーズといったプライベートブランドの管楽器製作を行う「Brasstek金沢」がございます。2階には「Piano Cloud金沢」グランドピアノ・サロン、ピアノの再生・修理を行う「ピアノ工房」、コンサートやイベントが可能な音楽ホール「MPC HALL KANAZAWA」3階・4階には音楽教室の「MPC金沢駅西」を併設した音楽・楽器の総合施設です。
出典:MPC楽器センター金沢の店舗ページ(2026年9月5日確認)
ピアノ、楽譜、管楽器の修理、ピアノ工房、ホール、音楽教室。ギターとベースの売場が一度も出てこない。
店のメニュー構成も同じだった。他の4店が「Guitars/Ukulele/Winds/Piano」の4本立てなのに対し、金沢は「Winds/Piano」の2本だけだ。
店が自分で「白山へ行ってくれ」と書いている
決定的だったのは次の2文だ。金沢店が、自分のページで来店者を別の店に案内している。
電子ピアノをお求めの際は・・・ MPC楽器センター白山(イオンモール白山3階)の 姉妹店Piano Cloud白山 をご利用ください。
ROOTE8 / Rose Series以外の管楽器本体をお求めの際は・・・ MPC楽器センター白山(イオンモール白山3階)の 姉妹店Brasstek白山 をご利用ください。
出典:ピアノクラウド金沢のページ(2026年9月5日確認)
これは販売の話だが、金沢と白山で守備範囲が違うことを店自身が認めているのと同じだ。想像で補う必要がない。



お店が自分から「うちにはないので隣の店へ」って言ってるんですね。むしろ親切…?



親切だ。問題は、その案内が店のサイトの奥にあって、買取ページからは見えないことだな
金沢は「買わない店」ではなく「修理とピアノに寄せた店」
ここを取り違えると記事ごと間違える。金沢の管楽器フロア「ブラステック金沢」は、こう名乗っている。
MPC楽器センター金沢の管楽器フロア「ブラステック金沢」は「管楽器修理・調整」のアフターサービスに特化した修理専門店です。
出典:ブラステック金沢のページ(2026年9月5日確認)
修理専門店。だが買取はやる。同じページに、こう書いてある。
店頭での無料査定はもちろん、全国からの管楽器買取りにも注力しており、オンラインの専用フォームでの無料査定に加え、ご希望があれば当店までの配送用の無料梱包キットもご自宅へ送付可能です。
出典:ブラステック金沢のページ「買取りについて」(2026年9月5日確認)
つまり金沢は、管楽器の買取にはむしろ力を入れている店だ。ギターの一覧にいないことを「消極的な店」と読むのは、完全に的外れになる。
分かれているのは店ではなく、名前の付いた売場だった
ここまで来ると全体像が見える。MPCは品目ごとにブランドを持っていて、そのブランドが店に入ったり入らなかったりする。5店を横に並べて整理した。
| 品目 | 売場のブランド名 | 富山 | 高岡 | 金沢 | 白山 | 福井 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ギター・ベース | Blue/Red/White/Green Guitars | Blue | Red | なし | White | Green |
| 管楽器 | ブラステック | あり | あり | 修理専門 | あり | あり |
| 鍵盤・ピアノ | ピアノクラウド | あり | あり | あり | あり | あり |
| ウクレレ | UkuleleColors | あり | あり | なし | あり | あり |
鍵盤だけが5店すべてに揃っている。ギターとウクレレは金沢に無く、管楽器は金沢だけ性格が違う。
富山では、ギター買取だけ電話番号が別だった
「売場で分かれている」がどれくらい徹底しているか。富山店を見て、正直ちょっと驚いた。
ギター買取の一覧に載っている富山の番号は、店の代表番号ではなかった。受付時間も店の営業時間と違う。
| 富山店の窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| 店舗代表(管楽器・鍵盤・楽譜) | 076-433-0165 | 月〜土 11:00〜19:00/日祝 10:00〜18:00 |
| Blue Guitars(ギター買取) | 076-433-0942 | 12:00〜18:00 |
月〜土で比べると、ギターの窓口は開くのが1時間遅く、閉まるのが1時間早い。日祝なら開くのが2時間遅い。定休日はどちらも水曜で同じだ。



店は開いてるのに、ギターの窓口だけ閉まってる時間があるってこと!?



公開されている数字を並べるとそう読める。だから11時に着いても意味がないかもしれない
ギターを積んで富山店に11時に着く、という計画は立て直したほうがいい。富山県の楽器買取の記事でも、予約の有無が最初の分かれ道になっていた。
ちなみに高岡店は、3売場とも番号も時間も統一されている。店によって、内部の分かれ方まで違うということだ。
品目で店を選ばなくていい方法も、一応ある
ここまで読んで「面倒だな」と思ったなら、その感覚は正しい。品目と売場と時間を突き合わせる作業は、本来売る側がやることじゃない。
家に来てもらう出張買取なら、この工程がまるごと消える。持ち込み先を調べる必要がないからだ。比較用に1社出しておくと、店に行く判断もしやすくなる。
断ってもいい。査定だけで断れるのかを整理した記事も置いておく。
営業時間は「店で1つ」に決まらなかった
最初は「モール内の店は長く開いていて、路面の店は水曜休み」という単純な整理ができると思っていた。確かめたら、半分しか合っていなかった。
合っていた半分:モールの2店は全ページで一致
買取ページ、店頭買取ページ、店舗ページ、ブランド別ページ。どこを見ても高岡と白山は同じ値だった。ここは信用していい。
| 店 | 所在 | 営業時間 | 定休日 |
|---|---|---|---|
| 富山 | 富山市新庄町 | 月〜土 11:00〜19:00/日祝 10:00〜18:00 | 水曜 |
| 高岡 | イオンモール高岡2F | 10:00〜21:00 | なし |
| 金沢 | 金沢市駅西本町 | 月〜土 11:00〜19:00/日祝 10:00〜18:00 | 水曜 |
| 白山 | イオンモール白山3F | 10:00〜21:00 | なし |
| 福井 | 福井市日之出 | 月〜土 11:00〜19:00/日祝 10:00〜18:00 | 水曜 |
平日の夜しか動けない人、水曜が休みの人は、モールの2店だけが選択肢になる。21時までやっている楽器店は、地方ではかなり貴重だ。
合っていなかった半分:富山1店で、公開値が3通りあった
問題は路面の3店だ。特に富山は、同じ店の営業時間として3つの違う値がサイト上に出ている。
- 店舗代表(076-433-0165)= 月〜土 11:00〜19:00/日祝 10:00〜18:00
- Blue Guitarsの買取窓口(076-433-0942)= 12:00〜18:00
- UkuleleColorsのページ(同じ076-433-0942)= 月〜土 12:00〜19:00/日祝 12:00〜18:00
同じ電話番号に、違う時間が2つぶら下がっている。どちらが今の受付時間なのかは、サイトからは決められない。
金沢にも似たことがある。和文は11時開店だが、同じ表の英文表記は10時開店になっている。管楽器の窓口も、買取ページと店舗ページで番号が違った。
大きなサイトで表記が揃わないのは珍しくない。問題は「どれが正しいか」ではなく「サイトだけでは決まらない」ということだ。運んでから確かめる話ではない。
そして公式自身が、実はそう書いている。店頭買取のページの一文だ。
店頭での買取りは随時承っております。店舗により営業時間が異なりますのでご注意ください。
出典:MPC楽器センターの店頭買取りページ(2026年9月6日確認)
店側も「店で違う」と言っている。結局、行く前に一本かけるのがいちばん速い。品目を言えば、売場も時間もその場で分かる。
「リストに載っていない=買い取らない」ではない
品目の話に戻る。管楽器の買取ページを開くと、買取り強化モデルとして楽器の種類が4つ並んでいる。サックス、フルート、クラリネット、トランペットだ。
吹奏楽をやっていた人なら、ここで気づくはずだ。トロンボーンもホルンもユーフォニアムもない。
買取ページには4つ。でも店のページには6つ以上ある
実際、管楽器の買取ページ全体を検索しても、トロンボーン・ホルン・チューバ・オーボエといった語は1件も出てこなかった。
ところが各店のブラステックのページを開くと、扱う楽器の並びはこうなっている。
管楽器販売 New & Used,Vintage / Flute,Clarinet,Sax,Trumpet,Trombone,Horn,etc.
出典:ブラステック金沢の店舗情報欄(2026年9月5日確認)
トロンボーンもホルンも入っている。ブラステック福井にいたっては、ページの題名自体が「サックス、フルート、クラリネット、ホルンなど管楽器・販売・修理・買取」だ。



買取のページだけ狭いんですね。私、これ見て諦めるところでした…



そこだよ。しかも「諦めるな」と、買取ページ自身がちゃんと書いてある
公式が「掲載していない商品も買取ります」と書いている
4つのリストのすぐ上に、この一文がある。管楽器のページとピアノのページの両方に、同じ文で載っていた。
下記のリストに掲載していない商品も買取りいたしますので、詳しくはお近くの店舗までお問い合わせください。
出典:MPC楽器センターの管楽器買取りページ(2026年9月6日確認)
ギターのページも、言い方は違うが同じ趣旨だ。「リストにないギターのおおよその査定金額やその他ご質問は」問い合わせてくれと書いてある。
- 管楽器のページ =「掲載していない商品も買取りいたします」
- ピアノのページ = 同じ一文がそのまま載っている
- ギターのページ = 言い回しは違うが「リストにないギターも問い合わせを」
3枚とも、書き方を変えて同じことを言っている。リストは入口であって、境界線ではないということだ。
つまりあの4つは「対象品目」ではなく「強化品目」だ。載っていないのは対象外という意味ではない。



ここで引き返すやつが多いんだ。リストに自分の楽器がないと、勝手に「うちのは駄目か」と思ってしまう
同じ構図はトロンボーン買取を6社で比べた記事でも確認している。管楽器買取の全体像と合わせて読むと、掃除すべき場所まで決まる。
管楽器と弦楽器だけを見る窓口も並べておく
とはいえ、水曜に動きたい人や、店まで運べない人もいる。管楽器・弦楽器に絞った全国対応の窓口も、比較用に置いておく。
こちらは出張と宅配の2つで、店頭買取はない。持ち込む前提のMPCとは性格が逆なので、管弦屋の実績を745件数えた記事で条件を確認してから使ってほしい。
自社工房がある店が、傷について何と書いているか
MPCが買取の理由として最初に挙げているのは、価格ではなく設備だ。ここは売る側にとって実利がある話なので、原文で引く。
当店は自社工房を有しており通常のセットアップから複雑な修理や大掛かりなメンテナンスをも私たちで行うことで高額買取りを実現しています。細かい傷、軽微な破損や保存状態などではマイナス査定をいたしませんので、査定金額にはきっとご満足いただけます。
出典:MPC楽器センターの買取りページ「楽器を高価買取できる理由・特徴」(2026年9月5日確認)
注目すべきは後半だ。細かい傷や軽微な破損ではマイナス査定をしないと、明示している。
これは自社で直せる店だから言える理屈だ。直す原価が読めるから、傷を減点材料にしなくて済む。中古楽器堂の51店を数えた記事でも触れたが、買取額の上限を決めているのはその店がいくらで売り切れるかだ。



じゃあ査定前にピカピカに磨かなくていいの? 俺、いつも半日かけてるんだけど。



ホコリは落とせ。だが傷を隠そうとするな。書いてあるとおり、そこは減点じゃない
福井のブラステックには「管楽器専門の技術者が常駐」とある。直して使うか売るかを、同じ場所で相談できるということでもある。
売ったあとの行き先も書いてあった。買い取った楽器は店頭だけでなく、オンラインストアで国内外に売られる。販路が広いほど、買値の上限は上げやすい。
買取りさせていただいた楽器は店頭だけではなく、オンラインストアを通じて日本国内はもとより海外へもダイレクトに販売しています。
出典:MPC楽器センターの買取りページ(2026年9月5日確認)
もうひとつ、立地についての説明もあった。固定費を抑えられるぶんを査定に回す、という理屈で、「北陸ならではの高く買い取れる理由」という見出しが立っている。
これが実際の金額にどう効くかは、こちらでは検証できない。ただ店側が買取額の根拠を言語化していること自体は、判断材料として悪くない。
買取のやり方は3通りある。ピアノだけ流れが違う
公式には「WEB買取、店頭買取の2つ」と書いてある。だがピアノのページを読むと、そのどちらにも当てはまらない3つ目の流れが出てくる。順に見る。
店頭買取:その場で現金、5万円を超えると振込
持ち込みは予約不要だが、急ぐなら予約を勧めると書かれている。身分証の提示が要る。
- 査定のみでも無料。売らずに帰ってよい
- 了承後に書類にサインし、その場で現金
- 5万円を超える査定は振込対応。口座を持っていくとスムーズ
- 18歳未満・高校生は保護者の同意書が必要(同伴でも可)
「その場で現金」を期待して行くなら、5万円のラインは知っておいたほうがいい。高そうな楽器ほど、当日は現金にならない可能性がある。
WEB買取:全国から送れて、送料は店負担
北陸の店だが、送るぶんには地域が関係ない。梱包キットの説明の冒頭に、こう書かれている。
「GOOD-BUY」では、全国から楽器の買取りを行っています。発送用の梱包資材を無料でご用意させていただきますのでご安心ください。当店がお客様のご自宅まで発送いたします。
出典:MPC楽器センターのWEB買取ページ(2026年9月6日確認)
無料の梱包キットには、次のものが入っていると書かれている。
- 段ボール(楽器のサイズに合わせて複数タイプ)
- エアーパッキンなどの緩衝材
- 買取り申込書
- 着払いの送り状(送り先は記入済み)
送料は店負担で、こちらの費用はかからないと明記されている。箱を探すところから始めなくていいのは、正直ありがたい。
流れは4段階。電話かフォームで相談し、キットで送り、到着後に本査定、了承すれば金融機関5営業日内に振込だ。
- 買取り申込書(キットに同梱/PDFでも配布)
- 身分証明書のコピー(運転免許証・健康保険証・パスポート)
- 身分証と振込口座の名義が違うときは住民票の写し
- 18歳未満・高校生は保護者の同意が必要
ひとつ気が利いていると思ったのは、送る前に想定額を聞ける点だ。最初の段階で「買取り可能な楽器かどうか」とおおよその金額を伝えると書かれている。
梱包してから値段を知る、という順番にならない。ここは送る手間をかける前に引き返せるという意味で、地味だが大きい。
買い替えるつもりなら、下取りという枠もある
売って終わりではなく、次の楽器を買う予定があるなら、選択肢がもう一つある。MPCには下取りのページが独立して用意されている。
当店で楽器をご購入いただく際に、併せて楽器の売却(下取り)をしていただければ、通常の買取査定金額より査定額アップにて下取りいたします!
出典:MPC楽器センターの下取りページ(2026年9月6日確認)
条件は購入とセットであること。店頭で持ち込む方法と、オンラインストアの商品ページから申し込む方法の2つが案内されている。
ただし上乗せの幅は書かれていない。何パーセント上がるのか、上限があるのかは公式では確認できなかった。買取と下取りの両方で金額を聞くのが確実だ。



次のギターを買う気があるなら、先に「下取りだといくら?」も聞いておけばいいんですね。



そうだ。同じ楽器で2つの数字が出る。聞くのはタダだし、比べる材料が1つ増える
ピアノ:電話で査定して、運送部門が引き取りに来る
ピアノは箱に入らない。だから流れがまるごと別になっている。ここが今回いちばん見落としやすかった。
メーカー・モデル名・製造番号を伝えると話が早い。
「自社の工房で修理、メンテナンスを行いますので、どんな状態でも査定いたします」と書かれている。
契約書は郵送・記入・返信でやりとりし、控えが渡される。
「運送部門(別会社)がていねいに搬出いたします」。引き取りから7営業日内に振込。
つまりピアノは、査定は電話で、引き取りは家まで来る。運ぶ心配はしなくていい。
ただし言葉には注意がいる。サイトに「出張買取」「出張査定」という語は一度も使われていない。査定は対面ではないし、搬出は契約成立後の作業だ。ピアノ買取の選び方と合わせて考えるところになる。
返送料とキャンセルは、確認できなかった
ここは正直に書く。送ったあとで金額に納得できなかった場合どうなるかが、公式サイトでは見つけられなかった。
サイト内のページを一通り確認したが、買取に関する「返送」「キャンセル」の記載に行き当たらなかった。規定が無いという意味ではない。2026年9月6日時点のサイト上では確認できなかった、というだけだ。
- 査定額に納得できなかったとき、返してもらえるか
- そのときの送料は誰が持つのか
行きの送料が店負担であることは明記されている。帰りについて書かれていない、という状態だ。1本の電話で済む。
持ち込みと発送には、クーリング・オフがない
制度の話を短く挟む。クーリング・オフが使えるのは訪問購入、つまり業者が家に来て買う形だけだ。店頭と宅配は対象外になる。
MPCの店頭買取もWEB買取も、この制度の外にある。良し悪しの話ではなく、その場のサインで確定するということだ。だから査定額は落ち着いて聞けばいい。
店に持ち込む買取も、箱で送る買取も、どの業者でも制度の対象外だ。8日以内なら取り消せるのは、業者が家に来て買う訪問購入のときだけである。
訪問での買取を受けるときの権利は訪問買取のトラブルと公的リストの記事にまとめてある。家に呼ぶ予定があるなら、そちらを先に読んでおくといい。
会社を確認した。許可番号が1つしかない理由も調べた
買取を頼む相手なので、素性は見ておく。ここは全部、公式と公的なデータベースで裏が取れた。
| 会社名 | 株式会社 開進堂楽器 |
| 法人番号 | 1230001009826(国税庁・2026年9月5日確認) |
| 本店 | 富山県高岡市野村370番地1 |
| 創業 | 1917年(大正6年)3月/高岡市末広町「山崎開進堂」 |
| 資本金 | 2,050万円(2022年3月末現在) |
| 従業員 | 137名(2026年3月末現在) |
| 古物商許可 | 石川県公安委員会 第511010008228号 |
「MPC」は社名ではない。1989年に採用されたコーポレートシンボル「MPCミュージック・パートナーズ・クラブ」が由来だ。法人としては開進堂楽器である。
売る側として見ておきたいのは、この会社が楽器を売るだけの会社ではない点だ。音楽教室を3県で運営し、生徒数は約10,000人と書かれている。



生徒さんが1万人もいるなら、中古の楽器を探している人もその中にいますよね。
教える人がいれば、中古を買う人もいる。買い取った楽器の行き先が地元にあるという構造は、買値の下支えになる。
もうひとつ、許認可の欄で目を引くものがあった。経済産業省の「電気楽器等に関する特別承認」で、ビンテージ認定商品の販売に関わるものだ。



ビンテージ? うちの古いギター、それに当たったりする?



当たるかは物次第だ。ただ、古い電気楽器を扱う手続きを踏んでいる店だとは言える。「古いから値段がつかない」と決めつける前に、まず見せろ
本店は富山なのに、許可は石川県。これは正常だった
気になったのはここだ。3県で営業していて、本店は富山にある。なのに掲載されている古物商許可番号は石川県公安委員会のものが1つだけ。
先に結論を書くと、制度上そうなるのが普通だった。2018年公布・2020年4月全面施行の改正古物営業法で、許可の仕組みが変わっている。
第三条の規定による許可を受けようとする者は、その主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。
出典:古物営業法 第5条第1項(e-Gov法令検索)(2026年9月6日確認)
県ごとに許可を取る方式は終わっていて、今は主たる営業所のある1県で許可を受ければ全国で営業できる。他県の店は届出で足りる。
しかも警察の説明には、「主たる営業所が会社法上の本店と一致しない場合もあります」という一文がある。本店が富山でも、主たる営業所が石川なら石川県公安委員会が許可を出す。
石川県警の一覧で、番号を突き合わせた
説明が付くだけでは足りないので、実際に照合した。石川県警がウェブサイト利用取引の古物商一覧を公開している。
- 掲載名:株式会社開進堂楽器
- 許可証番号:511010008228(公式サイトの記載と一致)
- 番号の頭「51」は石川県を示す(石川県警の公式説明)
公式サイトの番号が、公安委員会の一覧と一致した。ここまで確認できる業者はそれほど多くない。



番号が1つしかないのを見て、勝手に不安になっていました…



いい着眼点だ。ただ今回は逆で、調べたら制度どおりだった。疑って、確かめて、納得する。これでいい
口コミを5媒体で数えたら、7件だった
評判を知りたくてこの記事に来た人もいるはずだ。結論から言うと、数えるほどの量がなかった。それ自体が答えになる。
| 媒体 | 件数 |
|---|---|
| ヒカカク! | 0 |
| みん評 | 0 |
| ウリドキ | 0 |
| エキテン | 3(富山2・高岡1) |
| Yahoo!マップ | 4(富山2・福井1・白山1) |
| 合計 | 7 |
内訳は 0+0+0+3+4 で7。店舗別でも富山4・高岡1・金沢0・白山1・福井1で合計7と一致する。数え間違いではない。
買取専門の口コミサイト3つ(ヒカカク!・みん評・ウリドキ)には、そもそもページが存在しなかった。
7件は全部「楽器店としての」口コミだった
ここが重要だ。見つかった7件を読むと、内容は接客・品揃え・音楽教室の話で、買取について書かれたものは見当たらなかった。
店員さんがとても丁寧に対応してくれ、わかりやすかった。
出典:Yahoo!マップ MPC楽器センター福井のクチコミ(2022年投稿・星5.0/2026年9月6日確認)
要望寄りの声もあった。ただしこちらも買取の話ではない。
レッスン室はこちらのレッスン生でなくても利用できたらいいのにと思います。
出典:Yahoo!マップ MPC楽器センター富山のクチコミ(2022年投稿・星3.0/2026年9月6日確認)
星1や星2の強い不満は、5媒体のどこにも見当たらなかった。悪評が出てこない、というのが今回の実測結果だ。



悪い口コミがないなら安心じゃん! もう決めていいっしょ。



そこは急ぐな。母数7件は「評価が良い」じゃなくて「判断材料が少ない」ってことだ
7件で会社を評価するのは無理がある。だから今回、口コミではなく公式の記載を数える方法を取った。この記事がここまで長くなった理由でもある。
なお、地図サービスの評価点は使っていない。件数の少なさを判断に使うなら、評判が割れる店をどう読むかの記事の考え方がそのまま使える。
持って行く前に、3つだけ決めておけばいい
ここまでを実際の行動に落とす。順番が大事で、距離から考えると間違える。品目から考える。
ギターなら金沢は一覧にない。石川県内で持ち込むなら白山になる。管楽器とピアノは5店すべてが窓口だ。
運べないなら送る。ピアノなら電話。運べる楽器でも、送るほうが楽なことは普通にある。
水曜定休か。売場ごとに受付時間が違わないか。品目を言えば全部その場で片づく。
そのうえで、比較の相手は1社作っておいたほうがいい。地元の店に出すにしても、金額の妥当性は他と並べないと分からないからだ。
ギターの目安はギター買取の業者比較にまとめてある。福井や石川の全体像は福井の楽器買取ガイドが早い。
MPC楽器センターの買取に関するよくある質問
調べる過程でつまずいた点を、質問の形で整理しておく。すべて2026年9月6日時点の公式記載にもとづく。
- 金沢店にギターを持ち込んでも買い取ってもらえませんか?
-
「買い取らない」と書かれた記載は確認できませんでした。事実として言えるのは、ギター/ベース買取ページの店舗一覧が富山・高岡・白山・福井の4店で、金沢の記載がないことだけです。電話で品目を伝えるのが確実です。
- トロンボーンは買取の対象外ですか?
-
対象外とは書かれていません。買取強化の4種に入っていないだけで、公式には「下記のリストに掲載していない商品も買取りいたします」とあります。各店のブラステックの取扱にはトロンボーンが入っています。
- 北陸に住んでいなくても売れますか?
-
WEB買取が案内されています。「全国から楽器の買取りを行っています」と明記があり、梱包キットが無料で届き、送料は店負担(着払い)と書かれています。
- 査定額に納得できなかったら、返してもらえますか?
-
2026年9月6日時点の公式サイトでは、返送やキャンセルに関する記載を確認できませんでした。規定がないという意味ではないので、送る前に電話で確認することをおすすめします。
- その場で現金にしてもらえますか?
-
店頭買取なら書類にサイン後その場で現金と書かれています。ただし5万円を超える査定は振込対応になると明記されているので、口座情報を持参するとスムーズです。
- ピアノは自分で運ぶ必要がありますか?
-
必要ありません。ピアノは電話査定のあと譲渡契約を結び、引取り日を決めて「運送部門(別会社)」が搬出すると案内されています。入金は引き取りから7営業日内です。
- 傷やへこみがあると減額されますか?
-
公式には「細かい傷、軽微な破損や保存状態などではマイナス査定をいたしません」と書かれています。自社工房を持つ店なので、直す前提で見てもらえるという説明です。
まとめ:数えられたのは窓口の形。数えられないのは、その日の査定士
最後に整理する。MPC楽器センターを調べて分かったのは、この会社が店ではなく売場で動いているということだった。
- 買取ページ3枚のうち、ギターだけ店舗一覧が4店(金沢がない)
- ただし「買い取らない」という記載はどこにもない
- 金沢は管楽器の修理とピアノに寄せた店で、管楽器の買取には注力している
- 富山はギター買取だけ電話番号も受付時間も別
- 強化リストの4種は対象品目ではなく強化品目
- 古物商許可は石川県警の一覧と番号が一致した
- 口コミは5媒体で7件。買取の口コミは見つからなかった
1917年から続く店で、自社工房を持ち、傷では減点しないと明記している。売り先として真っ当だというのが、数えたうえでの実感になった。
それでも、ひとつだけ数えられなかったものがある。その日カウンターに立つ査定士が誰かは、どこにも書いていない。



だから比較の1社を作れって言うんだ。地元の店を信じないって話じゃない。1本の物差しだと、高いのか安いのかが永遠に分からないだけだ
俺は昔、祖父の遺品のアンプを「古くて値段がつきません」の一言で手放した。あのとき二軒目に行っていれば、と今でも思う。
押し入れのその楽器は、少なくとももう一度ケースを開けてもらう価値がある。品目を決めて、電話を1本かけるところからでいい。



調べてからここまで読んだ時点で、あんたはもう慎重な側の人間だ。俺の屍を越えてくれ

