「楽器 買取 富山」で検索して、出てきた窓口をひとつずつ開いてみた。地図に並んだ3件も、その下のウェブ検索結果も、住所を書き出していくとある一点に集まっていく。ほとんどが富山市にある。高岡にも射水にも南砺にも人は住んでいるのに、だ。
- 富山市まで車で1時間近くかかる場所に住んでいる
- 「富山県全域対応」と書いてあっても、うちまで来るとは思えない
- 近くの店に持って行こうと思ったが、予約が要るのかどうか分からない
この記事ではランキングを作らない。代わりに、調べた結果をそのまま並べていく。業者の順位づけより、あんたの家からの動線のほうが先に決まるからだ。
先に結論の一部を言っておく。県内で楽器を持ち込める店は、調べた範囲で10軒見つかった。そしてその10軒は、1軒の例外もなく全部、富山市か高岡市にあった。
- 「富山」で検索して出てくる店が、どこに集まっているか
- 富山県内10市すべてが対象の出張買取で、無料査定を受けてみる(査定だけでもOK)
- 楽器買取の専門店ほど「予約が要る」という、富山の事情
- 同じチェーンでも、出張買取をやっている店とやっていない店があること
- 店のない8市から売るとき、来てもらうか送るかをどう決めるか
「楽器 買取 富山」で出てきた窓口を、全部書き出してみた
この記事を書く前に、検索結果に出てきた窓口を1件ずつ開いて、住所と営業時間を書き写した。そこで分かったことが、この記事の出発点になっている。順番に見せていく。
「富山は選択肢が少ない」というのは、住んでいる人の思い込みじゃない。検索結果のほうが、実際にそうなっている。まずはそれを見てもらう。
地図に出た3件は、全部が富山市だった
検索画面の上のほうに出てくる地図の枠。ここには3件が並んでいた。2026年8月23日時点で、中身はこうなっている。名前だけでなく、所在地まで見てほしい。
- MPC 楽器センター富山 … 富山市新庄町
- ハードオフ富山豊田店 … 富山市豊田本町
- ハードオフ富山掛尾店 … 富山市二口町
3件とも富山市内だ。県内で最も人が多いのが富山市だから、当たり前と言えば当たり前ではある。ただ、高岡・射水・氷見・砺波に住んでいる人にとって、この地図は答えになっていない。
地図はあんたの現在地から近い順に出てくるわけじゃない。検索した場所ではなく、店がある場所が表示されているだけだ。ここを勘違いすると出発点からズレる。

え、地図に出てるってことは近いんじゃないの?



近いのは富山市に住んでる人だけだ。呉西や山間部から見たら、この3件は片道1時間コースになるぞ。
検索結果の下のほうまで見ると、高岡が出てくる
地図の下に並ぶウェブ検索結果を最後まで見ていくと、地図には出てこなかった名前が出てくる。しかも、そのほとんどが業者自身の公式ページだった。まとめ記事ではない。
まとめサイトや比較サイトは1枠しかなかった。つまり富山の検索結果は業者の公式ページで埋まっている。他人のランキングを読む前に、公式に書いてあることを見たほうが早いということでもある。
- 楽器の買取屋さん 富山高岡店 … 高岡市駅南
- ニーゴ・リユース富山店 … 富山市中川原
- 中古楽器堂 富山店 … 富山市黒瀬
- 開進堂楽器のMPC/Blue Guitars … 富山市・高岡市
- 買取店わかば・銀座蔵や・楽器買取リコレクションズ … 総合買取または宅配が中心
ここでようやく高岡が出てくる。地図の枠だけを見て「富山市まで行くしかない」と決めてしまうのは早い、ということだな。呉西の人はもう少しスクロールしたほうがいい。
だから、この記事は「予約が要るかどうか」から始める
10軒ぶんの営業条件を書き写していて、最初に引っかかったのは店の場所じゃなかった。予約のほうだ。楽器の買取を専門にやっている店は、公式ページに揃って「予約」と書いてある。
一方でハードオフや地元の楽器店は、予約の話がまったく出てこない。同じ「持ち込み」でも、入口の作りが違うわけだ。同じ日に両方回るなら、順番も変わってくる。
富山では、業者を選ぶ前に「予約が要る側に行くのか、要らない側に行くのか」が決まってしまう。ここが最初の分かれ道になり、その先の手順も変わる。
この違いを知らずに車へ楽器を積むと、着いてから「今日は査定できません」と言われることがある。往復2時間が消えるのは、けっこう痛い。しかも楽器はかさばる。
最初の分かれ道は「予約が要るかどうか」だった
ここが、この記事でいちばん言いたいところだ。楽器を売ると決めた人の多くは「どの業者が高いか」から考える。それ自体は間違っていない。
だが富山では、その前に決まってしまうことがある。予約が要る店に行くのか、そのまま持って行ける店に行くのかだ。ここを飛ばすと、あとが全部ズレる。順に見ていく。
楽器買取の専門店は、3つとも予約が要る
富山県内で「楽器の買取」を看板に掲げている店を3つ見つけた。この3つは、揃って予約について書いている。書き方まで並べるとこうなる。
| 店(市) | 予約 | 公式ページの書き方 |
| ニーゴ・リユース富山店(富山市) | 要る | 「店頭買取(ご予約優先)」 |
| 中古楽器堂 富山店(富山市) | 要る | 「店舗買取には事前予約が必要となります」 |
| 楽器の買取屋さん 富山高岡店(高岡市) | 要る | 「※事前予約制」 |
いずれも2026年8月23日に各社の公式ページで確認したものになる。書き方の表現には幅があるが、3つとも例外なく予約が要る。
とくに分かりやすいのがニーゴ・リユース富山店で、公式に理由まで書いてある。査定するスタッフが出張査定に出ていて、店にいない場合がある、という趣旨だ。
- 楽器を見られる人間が、店に何人もいるわけではない
- その人が出張査定に出ていれば、店頭は無人に近くなる
- だから「行けば誰かが見てくれる」が成立しにくい
これは不便な話に聞こえるが、裏を返せばその楽器を見られる人が対応するということでもある。行き当たりばったりで店員をつかまえるより、はるかにいい。電話1本を惜しむ理由はないな。
予約が要らない店は、代わりに開く時間が割れている
じゃあ予約が要らない店なら気楽かというと、そうでもない。開店時刻と定休日が、店ごとにバラバラなんだ。公式ページに書いてある営業条件を、そのまま並べてみる。
| 店(市) | 営業時間 | 定休日 |
| MPC 楽器センター富山(富山市) | 月〜土 11:00〜19:00/日祝 10:00〜18:00 | 水曜 |
| Blue Guitars(同じビルの1階・富山市) | 12:00〜18:00 | 水曜 |
| MPC 楽器センター高岡(高岡市) | 10:00〜21:00 | なし |
| ハードオフ富山掛尾店(富山市) | 10:00〜20:00 | 年中無休 |
| ハードオフ富山豊田店(富山市) | 10:00〜20:00 | 年中無休 |
| ハードオフ富山中川原店(富山市) | 10:00〜19:30 | 年中無休 |
| ハードオフ新高岡店(高岡市) | 10:00〜20:00 | 年中無休 |
すべて2026年8月23日時点の記載になる。この表は、ざっと流さずにじっくり見てほしい。並べてみると、おかしなところが3つある。
- 同じ開進堂楽器なのに、富山は水曜定休で11時開店、高岡は定休日なしで21時まで
- 同じ建物なのに、2階のMPCは11時開店、1階のBlue Guitarsは12時開店
- 同じハードオフなのに、中川原店だけ19時30分に閉まる
とくに効いてくるのが1つ目だ。富山市の楽器センターは同じ住所に2フロア入っていて、水曜は2フロアとも閉まっている。片方だけ、ということがない。



近所だからいつでも行けるっしょ。てきとうに寄ればいいじゃん。



その「てきとう」が水曜だと、同じ住所で2軒同時に空振りだ。ギターをケースごと車に積んだあとにな。
逆に言えば、条件がいちばん緩いのは高岡だった。イオンモールの店は21時まで開いている。平日の仕事帰りに寄れるのは、調べた10軒のなかでここだけだ。
同じハードオフでも、出張買取をやっている店とやっていない店がある
ここが今回いちばん驚いた点だ。ハードオフの店舗ページには、出張買取をやっているかどうかが1件ずつ書かれている。富山県内の4店を開いて確認したら、はっきり割れていた。
「実施なし」と明記されている店があるんだ。つまりチェーンの名前だけでは判断できない、ということになる。書いてある内容を、そのまま並べておく。
- ハードオフ富山掛尾店 … 出張買取あり(オーディオ・テレビ・楽器)
- ハードオフ新高岡店 … 出張買取あり(オーディオ・テレビ・楽器)
- ハードオフ富山豊田店 … 出張買取:実施なし
- ハードオフ富山中川原店 … 出張買取:実施なし
つまり県内には、出張を頼めないハードオフがあるということになる。これも2026年8月23日に、4店の店舗ページを1つずつ開いて確認している。
これは店の良し悪しの話じゃない。店ごとに体制が違うだけだ。ただ売る側にとっては、電話をかける前に知っておく価値のある違いだと思う。
- ハードオフに出す前に読んでおくなら → ハードオフ買取が「ひどい」と言われる構造をまとめた記事
- 総合店と楽器専門業者で何が変わるのか → 同じギターで査定額が変わる業界構造の記事
ここまでで「予約が要るか」「その店は出張をやっているか」の2つが見えた。この2つをどちらも気にせず動きたいなら、先に出張の見積もりを取ってしまう手もある。全国対応の業者なら店の定休日は関係ない。
持ち込むなら|店があるのは、10市のうち2市だけ
ここまでで店の名前が出そろった。次に見るのは、その店が「どこにあるか」だ。富山県は10市しかない。全国で3番目に市の数が少ない県、ということになる。
だから全部数えられる。47都道府県のなかでも、市を全部並べられる県はそう多くない。数えた結果は、思っていたよりはっきりしていた。
持ち込める店10軒は、全部が富山市か高岡市にあった
調べた10軒を、市ごとに割り振ってみる。ここでいう「持ち込める店」は、楽器の買取を公式に受け付けている実店舗のことだ。宅配専門や出張専門は除いている。
| エリア | 市町村 | 持ち込める店 |
| 富山市・県央 | 富山市 | 7軒 |
| 富山市・県央 | 滑川市・舟橋村 | 0 |
| 呉西 | 高岡市 | 3軒 |
| 呉西 | 射水市・氷見市・砺波市・小矢部市 | 0 |
| 県東・山間部 | 魚津市・黒部市・南砺市・立山町・上市町・入善町・朝日町 | 0 |
数え終わった結果は、拍子抜けするほど単純だった。店があるのは富山市と高岡市の2市だけ。残りの8市はゼロで、町村もゼロという結果になっている。
これが何を意味するか。「近くの店に持って行く」という選択肢が、県内の多くの人は最初から選べないということだ。選ばなかったんじゃなく、最初から無い。



私、砺波なんですけど…そうすると持ち込みは無理ってことですか?



無理じゃない。ただ「近所に持って行く」じゃなく「高岡か富山まで運ぶ」になる。それなら来てもらう選択肢と並べて比べたほうが早いな。
富山市中川原には、専門店と総合リユース店が並んでいる
住所を書き写していて、思わず二度見した場所がある。富山市中川原だ。ニーゴ・リユース富山店が中川原374、ハードオフ富山中川原店が中川原190-2。
番地が違うだけで、郵便番号まで同じ939-8015だった。偶然にしてはできすぎている、というのが住所を書き写していたときの正直な感想だ。
- ニーゴ・リユース富山店 … オーディオ・楽器・カメラの専門買取/10:00〜19:00/予約優先
- ハードオフ富山中川原店 … 総合リユース/10:00〜19:30/年中無休/出張買取は実施なし
専門買取店と総合リユース店が、同じ町内にある。これは富山ではかなり珍しい条件だ。1日で2軒回れるからな。この2つは、そもそも商売の形が違う。
倍率や割合の話をするつもりはない。ここで見てほしいのは在庫リスクの抱え方の違いだ。同じ楽器を見ていても、店の側の事情がまるで違う。
- 総合リユース店 … 全ジャンルを扱うぶん、在庫リスクと保管コストを広く薄く抱える
- 専門買取店 … 扱う品目が絞られているぶん、売り先が読める
買取額の上限を決めているのは、その店がいくらで売り切れるかだ。売値が読めない商品は、買値も上げにくい。詳しい構造は総合店と専門業者を比べた記事に書いてある。
高岡に行くなら、条件がいちばん緩いのはイオンモールの中だった
高岡市には3軒あった。呉西に住んでいるなら、富山市まで出るより先に、この3軒を見たほうがいい。しかも3軒とも、それぞれ性格がまるで違う。
- MPC 楽器センター高岡(高岡市下伏間江・イオンモール高岡2F) … 10:00〜21:00・定休日なし
- ハードオフ新高岡店(高岡市出来田) … 10:00〜20:00・年中無休・出張買取あり
- 楽器の買取屋さん 富山高岡店(高岡市駅南) … 電話受付10:00〜18:00・事前予約制
3つ目については、ひとつ正確に書いておく。公式ページに載っているのは住所と電話受付時間と「事前予約制」の3つだけだ。それ以上は書かれていない。
店頭に何時から入れるのか、持ち込みをどう受けているのかまでは分からない。だから行く前に電話で確かめたほうが確実だ、というのが正直なところだな。
ここまで並べた地元の店には、この記事から直接リンクしていない。代わりに、県内に店を構えたうえで出張にも来る業者を1社だけ置いておく。富山市中川原の店がそれだ。
この業者の評判をもう少し見てから決めたい、という人もいるだろう。それならニーゴリユースの評判をまとめた記事のほうに先に目を通しておくといい。
持ち込む前に確かめること|その店が、その楽器を買うとは限らない
店に着いてから断られるのが、いちばん時間の無駄になる。とくに大きい楽器と、ジャンルが特殊な楽器については、店によって扱いがはっきり分かれる。
運ぶ前に、公式に書いてあることだけ見ておけばいい。難しい話じゃないし、時間も5分あれば足りる。ここは3つに分けて整理しておく。
島村楽器は、富山県に店がない
検索の「関連する質問」に、こういうのが出てくる。「島村楽器で楽器を持ち込み買取ってできますか?」だ。全国に店があるチェーンだから、当然の発想だと思う。
そこで公式の店舗一覧を開いて確認してみた。結論から言うと、富山県に島村楽器の店舗はない。2026年8月23日時点の記載になる。
- 石川県 … 金沢フォーラス店/イオンモールかほく店の2店
- 富山県 … なし
- 福井県 … なし
つまり「持ち込めますか」と聞く前に、そもそも県内にあるかどうかを見る必要がある。これは島村楽器に限った話じゃないな。
全国チェーンの名前で検索すると、県外の店舗ページが平気で上位に出る。買取の条件だけ知りたいなら島村楽器の買取評判をまとめた記事のほうが、判断材料にはなるはずだ。
大型の楽器は、公式に「難しい場合がある」と書かれていることが多い
持ち上げられないものは、そもそも持ち込みの話にならない。ただ、それ以前に買取自体が難しい品目が公式に書かれていることがある。福ちゃんの公式ページがそうだ。
| 区分 | 公式ページに挙がっている内容 |
| 買取が難しい場合がある品目 | コントラバス/ハープ/チューバ/ピアノ/和太鼓/大型スピーカー など |
| 公式の表現 | 「買取不可」ではなく、問い合わせ時に確認してほしい、という書き方 |
2026年8月23日に確認した記載になる。ここは正確に読んでほしい。「買えない」ではなく「難しい場合がある」だ。断定はされていない。
だから諦める必要はどこにもない。ただ当日いきなり運ぶのではなく、先に問い合わせる品目だ、と覚えておけばいい。それだけで無駄足がきれいに消える。
管楽器・弦楽器・ピアノは、行き先が別になりやすい
総合店の取扱リストに並んでいない品目は、その専門を探したほうが早い。とくに管楽器と弦楽器は、そこだけを扱っている業者がいる。管弦屋がそれだ。
公式に書かれている条件を並べておく。店頭買取の記載はなく、出張と宅配の2つだけだった。つまり持ち込みたい人には向かない、ということになるな。
- 「北は北海道から南は沖縄まで、日本全国(離島でも)どこへでも」と記載
- 「一点からでも全国出張いたします」と記載
- 査定の見積り費用・交通費・作業・搬出の費用はかからない、と記載
- スタッフやトラックを手配した後のキャンセルは、キャンセル料が発生する場合があるとも書かれている
最後の1行は見落としやすいので、そのまま書いておいた。手配の後で断ると費用が出る場合がある。日程を決める前に確認しておけば、それで済む話ではある。
品目ごとの行き先は、だいたいこう整理できる。ここは富山だから特別、という話ではない。どこに住んでいても、同じ分かれ方をするはずだ。
- 管楽器が中心 → 管楽器買取のおすすめ業者を整理した記事
- ピアノや電子ピアノ → ピアノ買取で捨て値にしないための記事
- ギター・ベース中心 → 総合店より、専門で買っている業者のほうが話が早い
管楽器と弦楽器だけを強化している業者は、そのぶん見る目が偏っている。だが偏っているほうが、その楽器にとっては有利になることもある。何でも屋の逆だな。
店のない8市から売る|出張エリアの市町村名を、全部数えた
ここからが本題だ。魚津、氷見、滑川、黒部、砺波、小矢部、南砺、射水。この8市には、持ち込める店が1軒もない。町村のほうも、まったく同じ状況になっている。
そこに住んでいるなら、確かめるべきは店の場所じゃない。出張エリアに自分の町が入っているかだ。ここだけ見れば、話は一気に進む。
「県内全域」と書いてある業者の、市町村名を数えたら10市そろっていた
「富山県全域対応」の一言で済ませている業者もあるが、市町村名まで列挙している業者もある。列挙している側を全部数えた。すべて2026年8月23日に各社の公式ページで確認している。
| 業者 | 列挙されている富山県内の市町村 | 10市 | 町村 |
| 楽器の買取屋さん | 富山・高岡・魚津・氷見・滑川・黒部・砺波・小矢部・南砺・射水 | すべて | 記載なし |
| ニーゴ・リユース | 上記10市+舟橋村・上市町・立山町・入善町・朝日町 | すべて | 5町村 |
| 福ちゃん | 上記10市+朝日町・入善町・上市町・舟橋村・立山町 | すべて | 5町村 |
| 中古楽器堂 | 富山・高岡・魚津・南砺・滑川・射水・小矢部・砺波・氷見+中新川郡 | 黒部市の記載なし | 郡名で記載 |
富山県は10市しかない。だから「県内10市すべて」と1行で書き切れる。市の数が少ない県ならではの書き方で、読むほうも数えやすい。
ただ、この表にはねじれが1つある。市はほぼ全社そろうのに、町村は割れるんだ。ここが、この記事でいちばん見落としやすいところだと思う。
山間部と県東は、「来る」と書いてある業者を選んだほうが早い
南砺市・立山町・上市町が山間部、入善町・朝日町が県東にあたる。舟橋村もここに入れておく。県内でいちばん「来てもらえるか」が読みにくい地域だ。
このうち南砺市は「市」なので、4社とも列挙に入っている。だから南砺の人は、そこまで悩まなくていい。問題は残りの町村のほうだ。
舟橋村・上市町・立山町・入善町・朝日町。この町村名まで書いている業者が2社ある。市名の列挙だけを見ても、自分の町が入っているかは分からない。



「県内全域」って書いてあれば大丈夫ですよね?



たぶん大丈夫だ。ただ町村名まで書いてある業者が2つある。確実なほうから電話したほうが、1手ぶん早いだろ。
「たぶん来る」で電話をかけて確認するより、書いてある業者に先にかける。それだけの話ではあるが、遠隔地に住んでいる人ほど効いてくる差だと思う。
富山では「送る」という選択肢が細い
持ち込めない、出張も呼びたくない。そういうときの三番目が宅配買取になる。だが富山では、ここに小さな落とし穴がある。調べていて気づいた点だ。
4社の買取方法を並べて分かったのは、県内に店を構えている業者ほど、宅配の記載がないということだった。感覚とは逆になっている。
- ニーゴ・リユース … 公式に宅配買取の記載がない(持ち込みか出張)
- 楽器の買取屋さん … 出張・宅配・店頭の3つを掲載
- 福ちゃん … 出張・宅配・店舗の3つを掲載
- 管弦屋 … 出張・宅配の2つ(店頭の記載なし)
近いから安心、とは限らないわけだ。店が近い業者と、送れる業者は別だと思っておいたほうがいい。ここは会社の名前だけでは判断できない。
それと、送るなら大きさで線を引くこと。配送中の破損だけは自分でどうにもできない。ケースに入らないものは、最初から出張の話にしてしまったほうが早い。



同じ日本海側の新潟でも似た話になる。県が広いと、店の数より「来るかどうか」で決まるんだ。新潟の記事も同じ順番で書いてあるぞ。
相見積もりの進め方|この記事に相場表を載せない理由
検索の「関連する質問」の1番目は、「楽器の買い取りの相場はいくらですか?」だった。当然の疑問だと思う。売る前に目安が欲しいのは、ごく自然な話だ。
それでもこの記事には相場表を載せない。相場を期待して来た人には申し訳ないが、ごまかしても仕方ないので、理由を先に書いておく。
相場表を載せない理由は3つある
「このモデルならいくら」という表は、正直なところ作るのが簡単だ。読まれもするし、滞在時間も伸びる。それでも作らないのは、次の3つが理由になる。
中古の相場は上にも下にも動く。表を見た日に載っていた数字が、実際に査定を受ける日にそのまま出るという保証は、どこにもない。
年式、製造国、仕様、それから状態。同じ名前でも中身が違えば扱いは変わる。表の1行にきれいに収まるほど、単純な商品じゃない。
基準というのは、他人が作った表からもらうものじゃない。自分で作るものだ。その作り方については、このあとすぐ書く。
相場が動くという話には、根拠もある。帝国データバンクが2023年に出した楽器店市場動向調査では、2022年度の楽器店市場は前年度比0.6%増・1,939億円と報告されている。
ここで注意したいのは、同じ調査が「エレキギターは中古販売の在庫がやや多い」という販売店の声を伝えている点だ。市場が伸びていても、中古の現場は別の動きをしている。
「新品が売れる → 中古在庫が不足する → 買取額が上がる」という因果は書けない。一次資料が逆のことを言っているからだ。対象期間は2022年度になる。
相場は、話題になったから上がるという単純な動き方をしない。上にも下にも動く。だから価格表というのは、見た瞬間から古くなっていく性質のものなんだ。
基準は、2社目の見積もりで初めてできる
1社目に出た金額は「相場」じゃない。それは1社目の金額でしかない。高いのか安いのか、比べるものがなければ判断のしようがないからだ。
面白いのは、相見積もりを公式に歓迎している業者がいることだ。楽器の買取屋さんの店舗ページには、遠回しな言い方でなく、はっきりこう書かれている。
相見積もりOK! 見積依頼してください! お売りになる時は、他社様で見積りを出してからにして下さい!
出典は楽器の買取屋さんの公式ページ(2026年8月23日確認)。「他社で見積もってから来い」と書く業者は、正直そう多くはない。



相見積もりは面倒だ。だが1社目の数字を疑えるようになるのは、2社目に会った瞬間だけだぞ。
富山での相見積もりは、この3パターンで組める
ここまで調べてきた条件を使うと、住んでいる場所ごとに組み方が決まってくる。ややこしい話は何もない。3通りだけだと思ってもらっていい。
| 住んでいる場所 | 組み方 |
| 富山市・滑川市・舟橋村 | 予約なしで行ける店で1本 + 予約して専門店で1本 |
| 高岡市・射水市・氷見市・砺波市・小矢部市 | イオンモールの店で1本 + 出張で1本 |
| 残りの市と町村 | 出張2社。町村名まで列挙している業者を1社は入れる |
この点、富山市の人は運がいい。中川原で2軒回れば、その日のうちに基準ができる。持ち込みと出張を混ぜても構わないし、順番もどちらからでもいい。
正直に言えば、2社に出すのは面倒だ。日程を合わせて、同じ説明を2回する羽目になる。それでも1社だけで決めるのとは結果が変わる。そこは動いた分が返ってくる。
- どこに出すか迷ったままなら → ギターを売るならどこがいいかを整理した記事で、手取り額の考え方を先に押さえておくといい
中古楽器を買いたい人は、店頭にはあまりいない
もう1つ、公的な調査から言えることがある。環境省が令和7年6月に公表した「令和6年度リユース市場規模調査」だ。消費者に聞き取った、買った金額のほうの統計になる。
この調査での楽器類の市場規模は1,011億円。前回の令和3年度調査は821億円だったので、23.1%の増加になっている。伸びていること自体は間違いない。
| 楽器類の購入経路 | 金額 | 割合 |
| 店頭 | 152億円 | 15.0% |
| オークション | 397億円 | 39.3% |
| ネットショッピング | 418億円 | 41.3% |
全品目の店頭比率は34.9%(自動車・バイクを除く)。それに対して楽器類はその半分以下しかない。つまり8割以上がネット経由ということになる。
ここは誤読しやすいので、はっきり書いておく。この金額は消費者が「買った」金額であって、買取額ではない。矢印の向きが逆になっている。
- 言える … 中古楽器を買う人はこれだけいる。つまり需要はある
- 言えない … だから「高く売れる」。購入額から買取額は導けない
- 使いどころ … 買いたい人はネットにいて、店頭にはあまりいない
だから販路を持っている業者かどうかで結果が変わってくる。店に並べて売る力だけでなく、ネットで売り切る力があるかどうか、ということになるな。
出典は環境省の令和6年度リユース市場規模調査 報告書(令和7年6月公表)。ここで挙げたのは図表124・図表128の数値になる。
実家と相続の楽器|情に流される前に、確認する3つのこと
富山は持ち家に住んでいる人が多い。だから実家の物置や仏間に楽器が残っていることがある。誰も弾かなくなって、そのまま何年も置かれている、というやつだ。
売るかどうかを決める前に、確認しないと当日その場で止まることが3つある。どれも事前に済ませれば1分で終わる話だ。順に見ていく。
その楽器は、誰の持ち物になっているか
亡くなった人の楽器なら、それは相続の対象になっている。相続人が複数いるなら、1人の判断では売れない。ここは気持ちの問題ではなく、手続きの問題だ。
査定士が家に来てから兄弟に電話をかけ始めると、その場が止まってしまう。先に話をつけておくのが、結局いちばん早い。これは順番の問題でしかない。



「一応うちが預かってるから」は、法律上の持ち主とは別の話だ。ここだけは先に片づけとけ。
本人確認書類がないと、その日は終わる
古物営業法があるので、買取には本人確認が要る。これは店頭でも出張でも変わらないし、全国どの業者でも同じだ。省略できる店はない。
意外と多いのが、書類の住所と現住所が違うケースだ。実家に帰って査定を受けるときに、これで止まってしまうことが実際にある。
- 名義人が同席できるなら、その人の書類を用意する
- 同席できないなら、何が必要かを予約の電話で聞いておく
- 詳しくは出張買取に必要なものをまとめた記事にある
まとめて出すか、分けて出すか
実家を片づけると、楽器・オーディオ・レコードが一緒に出てくることが多い。まとめて出すか、それとも分けて出すか。ここで悩む人はかなり多いと思う。
判断はシンプルだ。ジャンルが混ざるほど、全部を1社で受けられる業者は限られる。まとめて出したいなら、その分だけ候補は絞られていく。
学校や地域の団体が楽器を受け入れている場合がある。身近な人に譲る手もある。ただし受け入れの条件は団体ごとに違うので、そこは直接確認するしかない。
まとめて引き取ってほしい、というのは十分まっとうな要望だ。全国対応で品目が広い業者を1社入れておくと、そこが受け皿になってくれる。
出張買取を家に入れる前に|クーリング・オフは「書面を受け取った日」から
出張買取には、店頭にも宅配にもない権利がついてくる。訪問購入のクーリング・オフだ。呼ぶ側が持っている権利なので、知らないと使えないまま終わる。
ただし、この制度は起算日を間違えて書いている記事が多い。だからここは短く、正確なところだけ書いておく。深掘りは別の記事に譲る。
起算日は「法定書面を受け取った日」から8日
正しいのは「法定書面を受け取った日から8日以内」だ。これは特定商取引法 第58条の14第1項にはっきり定めがある。契約した日から数えるのではない。
- ⭕ 正しい … 法定書面を受け取った日から8日
- ❌ 誤り … 「申込日か契約成立日のうち早いほう」
- ❌ 誤り … 「買取が成立してから8日」「契約から8日」
それと、使えるのは出張買取だけだ。店頭と宅配は訪問購入にあたらないので、この規定の対象外になる。ここを混同している説明もよく見かける。
品目のほうにも除外がある。レコード・CD・DVD・ゲームソフト、大型家電、家具、書籍、有価証券、二輪以外の自動車は訪問購入の規定の適用外になる。
訪問購入のトラブルと、その避け方は別の記事にまとめてある。出張を初めて呼ぶなら出張買取の危険と安全な使い方の記事を先に読んでおくといい。品目の除外は国民生活センターの解説による。
ちなみに、公式に「押し買いなどの買取行為は一切行いません」と明記している業者もある。書いてあるかどうかを見るのは、選ぶときの材料のひとつになる。
富山の楽器買取でよくある質問
最後に、検索の「関連する質問」に出ていたものを中心にまとめておく。答えはすべて、この記事で調べた範囲のことだけになる。それ以上のことは書かない。
- 富山県内に、楽器を持ち込める店は何軒ありますか?
-
2026年8月23日に各社の公式ページで調べた範囲で10軒だった。すべて富山市か高岡市にある。残り8市と町村には見つからなかった。
- 予約なしで持ち込める店はありますか?
-
ハードオフ4店と、開進堂楽器のMPC系3店には予約についての記載がない。一方で楽器買取を専門にしている3店は、いずれも予約について明記している。
- 島村楽器で楽器を持ち込み買取ってできますか?
-
富山県には島村楽器の店舗がない。北陸で掲載されているのは石川県の2店(金沢フォーラス店・イオンモールかほく店)だけだった。2026年8月23日時点の店舗一覧での確認になる。
- 富山でピアノの買取はどこでできますか?
-
持ち上げられる大きさではないので、最初から出張の話になる。公式に「買取が難しい場合がある」と書いている業者もあるので、日程を決める前に問い合わせておくといい。
- 楽器の買取に必要なものは何ですか?
-
本人確認書類が要る。付属品は「あるもの全部」を出すのが基本で、ケース・保証書・マウスピース・純正の付属品などが該当する。捨てる前に一度出してみるといい。
- 南砺市や立山町にも出張は来ますか?
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南砺市は市なので、調べた4社すべての列挙に入っていた。立山町のような町村については、町村名まで書いている業者が2社ある。そちらから確認するのが早い。
まとめ|富山で最初に決めるのは、たったひとつ
だいぶ長くなったので、最初に戻る。この記事で調べたことは多いが、あんたが最初に決めることは1つしかない。そこだけ持ち帰ってくれ。
予約が要る店か、要らない店か、来てもらうか。この3つのどれかしかない。ここさえ決まってしまえば、あとは順番どおりに進むだけになる。
- 富山市・高岡市に住んでいる → 予約の要否と定休日を見てから動く。水曜だけ注意
- 残り8市・町村に住んでいる → 出張エリアの列挙に自分の町があるかを見る
- 大きい楽器・複数点ある → 最初から出張の話にする。運ぶ検討は要らない
この記事に書いた営業時間・定休日・対応エリアは、すべて2026年8月23日時点の各社公式ページの記載になる。そして、こういう条件というのは変わる。
だから最後は結局、行く前に電話を1本に落ち着く。予約が要る店なら、その電話がそのまま予約になるしな。二度手間には決してならない。
- 業者ごとの違いをもっと広く見たいなら → 楽器買取おすすめ30社を評価した記事
- 県内10市すべてを出張対象にしている業者の評判 → 楽器の買取屋さんの評判を検証した記事
結局のところ、調べれば分かることばかりだった。だから全部調べて、順位も付けずにそのまま並べてある。あとは動くだけだな。

