「マンドリン 買取」で検索して、ここにたどり着いたんじゃないか。押し入れの奥か、実家の和室か。とにかく一本ある。それは分かっている。
そして買取業者のページを開いて、たぶん一度は手が止まったはずだ。自分の楽器がどこにも見当たらないという、あの感じのことだ。

俺はアキラ。元バンドマンで、元楽器店スタッフだ。買い取る側の机に座って査定を数百件やってきたから、値付けの裏側は知っている。その後は自分でも複数の業者に査定を出して比べてきた。
マンドリンは弦楽器だ。だから弦楽器の窓口へ——そう考えて動くと、空振りすることがある。実際に公式ページを開いて数えたら、そうなっていた。
この記事に買取相場の表は載せない。載せるのは「あんたのマンドリンを、どの窓口に持っていけばいいのか」だけだ。
- マンドリンが「弦楽器の窓口」ではなく、アコギの窓口に置かれている店があること
- 楽器専門の査定士に、まず1社見てもらう(査定だけでもOK)
- 買取のメニューに「マンドリン」と書いていない会社が、実際にあること
- フラット型と丸胴型を、業者が区別していたかどうか
- 出張・宅配・店頭・委託販売を、荷物と動線でどう決めるか
- 家に呼ぶ前に知っておく、訪問購入であなたが持っている権利
先に書いておく。俺はマンドリンを売ったことがない
この手の記事を読むとき、最初に確かめたほうがいいのは書いてる人間の立場だ。だから先に出しておく。俺はマンドリンを査定に出したことがない。だから「使ってみたら良かった」の類は書かない。書けないからだ。
- 公式サイトに書いてあること
- 官公庁が公開している資料
- 自分で開いて数えた数字
この3つだけで書く。それ以外は書かない。推測が入るところは、推測だと分かるように書く。
何を根拠にしたかを、先に並べておく
数字を出す記事は、出典を後ろに隠すと読みにくい。だから最初に置く。使った材料はこれで全部だ。
| 種別 | 具体的な出典 | 確認日 |
| 公表事実 | クロサワ楽器店・楽器の買取屋さん・福ちゃん・管弦屋・島村楽器・イシバシ楽器・下倉楽器・中古楽器堂・ハードオフほか各社の公式サイト | 2026年9月3日 |
| 公表事実 | 自社のエリア記事が実測したクロサワ楽器の窓口一覧 | 2026年8月16日 |
| 公的資料 | e-Gov法令検索(特定商取引法・同施行令)/消費者庁 特定商取引法ガイド/国民生活センター | 2026年9月3日 |
| 自分で数えた数字 | 各社公式の買取品目カテゴリ(14社22ページ)/管弦屋の掲載実績/「マンドリン 買取」の検索結果1ページ目/サジェスト | 2026年9月3日 |
| 筆者の見解 | 元楽器店スタッフとしての査定実務の知識 | — |
俺が楽器店にいたころ、査定台に来る楽器はギターとベースと管楽器が大半だった。マンドリンが持ち込まれた記憶は、正直あまりない。その「あまりない」が、今回調べていて数字の形で出てきた。順番に見ていく。
これはどこかの会社を叩く記事でも、持ち上げる記事でもない。判断するのはあんただ。俺は開いたページに書いてあったことを、並べる係でいい。
マンドリンは「弦楽器の窓口」に置かれていないことがある
ここが本題だ。マンドリンは弦をはじく楽器で、分類上は間違いなく弦楽器に入る。だが買取の窓口では、そう扱われていない場所がある。いちばんはっきり出ていたのが御茶ノ水だった。楽器店が並ぶあの街の、買取窓口の分かれ方を見てほしい。
お茶の水の買取窓口は、楽器の種類ごとに6つに割れている
クロサワ楽器の公式サイトには、店頭買取の窓口が地区ごとに並んでいる。しかも各窓口に「買取お取扱い楽器種別」が書いてある。お茶の水地区だけで、その窓口が6つに分かれていた。中身をそのまま並べる。
| 窓口 | 公式に記載された買取お取扱い楽器種別 |
| お茶の水駅前店 | エレキギター・エレキベース・アンプ・エフェクター・アコースティックギター・ウクレレ・クラシックギター・デジタル機器・ピアノ/キーボード・ドラム |
| G-CLUB TOKYO | エレキギター・エレキベース・アンプ・エフェクター |
| ドクターサウンド | アコースティックギター・ウクレレ・クラシックギター・バンジョー・マンドリン |
| お茶の水ドラムコネクション | ドラム |
| クロサワバイオリンお茶の水店 | 弦楽器 – バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス・各楽弓 |
| クロサワウインドお茶の水店 | 管楽器 – サックス・ホルン・フルート・トランペット・トロンボーン ほか |
出典:クロサワ楽器店の公式サイト「店頭買取のご案内」(2026年9月3日確認)。自社の東京記事が8月16日に実測した内容と、並びは変わっていなかった。
表を縦に見てほしい。6つのうち、マンドリンが入っているのは1窓口だけだ。ドクターサウンドという店になる。



え、御茶ノ水って行けば全部売れるんじゃないの? とりあえず駅前の大きい店に持ってこうと思ってたんだけど。



その駅前店の取扱い、もう一回読んでみろ。ウクレレもクラギも入ってるのに、マンドリンだけ入ってないんだ。
公式は「弦楽器はこちらへ」と案内している。そこにマンドリンはない
ここからが芯だ。同じページには「ご注意」の欄があり、そこでジャンルごとの持ち込み先を名指しで案内している。
・バイオリン・チェロ等の弦楽器の買取ご希望の方はクロサワバイオリン各店舗へお持ち込みください。
・サックス・トランペット等の管楽器の買取ご希望の方はクロサワウインド各店舗へお持ち込みください。
出典は同じく、クロサワ楽器店の「店頭買取のご案内」(2026年9月3日確認)。弦楽器と管楽器には、専用の行き先が用意されている。
そのクロサワバイオリンお茶の水店の取扱いは「弦楽器 – バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス・各楽弓」。マンドリンの名前はない。
公式が「弦楽器」というラベルを付けた列挙から、マンドリンは外れている。入っているのは、アコースティックギター専門店の側だ。
ただし公式のどこにも「マンドリンは取り扱いません」とは書かれていない。列挙に入っていないという、それだけの事実である。
ここを取り違えると動線がまるごと変わる。「弦楽器だからバイオリンの店へ」と考えて駿河台の坂を上ると、実際の窓口は小川町側にあるという話になる。
売る側ではなく、買う側が先に注意している
そしてこのページには、もう一文ある。俺がいちばん引っかかったのはここだった。
お持ち込みいただく店舗によっては、お取扱いしていない楽器種もございます。スムーズな査定の為にも、事前のお問い合わせや、買取希望の楽器を取扱っている店舗へお持ち込みいただけます様お願いいたします。
いずれも同ページ(クロサワ楽器店「店頭買取のご案内」・2026年9月3日確認)にある。業者の側が先に「間違えるな」と書いているわけだ。
親切な注意書きだと思う。同時に、間違える人がそれだけいるという証拠でもある。ケースを担いで坂を往復するのは、想像するだけで嫌になる。



持っていってから「うちでは見られません」って言われるのが、いちばん心が折れるやつですね…。



そうだ。しかも楽器は重い。だから持ち込む前に、電話で品目を1回言うだけで済む話なんだよな。
なぜアコギの側なのか。店舗紹介に答えが書いてあった
買取ページだけ見ていると理由が分からない。だから同じ会社の店舗紹介ページを開いた。そこに答えらしきものがあった。
また、バンジョー、マンドリンを中心としたカントリー&ブルーグラススポットとしての側面もあわせもっています。
出典:クロサワ楽器店 ドクターサウンドの店舗ページ(2026年9月3日確認)。カントリー&ブルーグラスという言葉が出てくる。
つまりこの窓口が見ているのは、クラシックのマンドリンオーケストラではなくアメリカ音楽の側のマンドリンだということになる。
ここは俺の読みが入るので、そう分かる形で書く。公式が「カントリー&ブルーグラス」と書いた以上、想定しているマンドリンには偏りがあると読むのが自然だと思う。断定はしない。
この「どっちのマンドリンか」という話は、あとで章をひとつ使う。形が2種類あるという、あの話だ。
なお御茶ノ水の窓口の分かれ方そのものは、東京の楽器買取は店より先に「窓口」を選べで全店ぶん並べてある。都内で動くなら先にそっちを見たほうが早い。
窓口の話の直後にこれを置いたのは、出張なら窓口を選ぶ必要がないからだ。公式には「出張費や査定費は一切かかりません」と書いてある(2026年9月3日確認)。
買取のメニューに「マンドリン」と書いていない会社があった
1社だけ見て結論を出すのは乱暴だ。だから他の会社も開いた。そこで、想定していなかったことが出てきた。売り場にはあるのに、買取のメニューにない会社が複数あった。これが今回いちばん大きい発見だ。
大手の楽器店3社を開いて、同じことが起きていた
調べ方は単純だ。買取ページの品目一覧と、通販サイトの商品カテゴリを両方開いて、「マンドリン」で検索するだけである。
| 会社 | 買取の品目一覧 | 売り場(通販)の分類 |
| 島村楽器 | 記載なし(弦楽器はバイオリン・ヴィオラ・チェロのみ) | 弦楽器 > マンドリン / マンドラ |
| イシバシ楽器 | 記載なし(買取価格検索でマンドリンは0件) | アコースティックギター > マンドリン |
| 下倉楽器 | 記載なし | 中古楽器 > 中古 マンドリン |
| ハードオフ | 記載なし(取扱商品例11区分に語が出てこない) | 楽器 > その他アコースティック楽器 |
| 中古楽器堂 | マンドリン専用の買取商品一覧はある ただし弦楽器買取ページの列挙にはない | — |
出典:各社の公式サイト(いずれも2026年9月3日確認)。買う側のメニューからだけ、きれいに抜けている。特に分かりやすいのがイシバシ楽器だった。同社は買取価格を大量に公開しているのに、そこでマンドリンを検索すると結果は0件と表示される。



0件!? じゃあ売れないってこと?



いや違う。公開してる買取価格のデータに登録がないってだけだ。買えないとは一言も書いてない。ここを混同すると事故る。
「載っていない」と「扱わない」は、まったく別のこと
ここは丁寧に書く。今回の4社はどこも、買い取らないとは書いていない。書いていないだけだ。実際、島村楽器には「買取取り扱いのない楽器」というリストがあるのだが、そこにもマンドリンは載っていない(2026年9月3日確認)。
- 取り扱い楽器の一覧にない
- 取り扱いのない楽器の一覧にもない
- つまり公式のページ上ではどちらとも決まっていない
しかも同社の店舗が書いた記事には、こういう一文があった。全社のメニューには無くても、店の側では受けているということになる。
マンドリン・マンドラの買取り/下取りのご相談も受付中ですので、どうぞお気軽にご相談くださいませ。
出典:島村楽器 錦糸町マルイクラシック店の記事ページ(2026年9月3日確認)。会社のメニューと、店の実際が一致していない例だ。
だからこの章の結論は「大手はダメ」ではない。ページを見ただけでは判断できない、が正しい。聞けば別の答えが返ってくる。
俺が言いたいのは、この状態が売る側にとって不親切だということだけだ。載っていない品目を持っている人は、そこで足が止まる。
同じ会社の中でも、棚が割れている例があった
ハードオフはさらに複雑だった。買取・店舗・通販の3か所で、マンドリンの置き場所が揃っていない。まず店舗ページ側。楽器STUDIO吉祥寺店の紹介文には、こう書かれている。
ウクレレ、マンドリン、三味線まで民族・エスニック楽器も買い取りしています。
出典:ハードオフ 楽器STUDIO吉祥寺店の店舗ページ(2026年9月3日確認)。ここでは民族・エスニック楽器という括りに入っている。
ところが同社の中古通販「オフモール」で実際の出品を追うと、マンドリンはその他アコースティック楽器のほうに並んでいた。
「その他アコースティック楽器」カテゴリを12ページぶんたどり、商品名にマンドリンを含む出品を30点確認した。一方「エスニック楽器」カテゴリの先頭3ページ90点では0点だった。
これは販売側の分類であって、買取の受付区分ではない。全出品を数えたわけでもない。そこは差し引いて読んでほしい。
そして買取品目のページ本体には、「マンドリン」という語が一度も出てこない。取扱商品例は11区分あるのに、そこには無い。
- ギター・ベース本体/ギター・ベース周辺機器/打楽器/木管楽器/金管楽器
- ヴァイオリン属/和楽器/エスニック楽器/その他アコースティック楽器
- キーボード楽器/DJ/VJ/PA/レコーディング機器
マンドリンが入りうるのは太字の2つだが、どちらに入るとも書かれていない。ただし同じページのQ&Aには、和楽器や民族楽器の買取可否について「買取いたします。ぜひ店舗までお持ちください。」とある(2026年9月3日確認)。
ハードオフの買取の仕組みそのものは、ハードオフ買取ひどいの正体|楽器館を知らずに損した俺の失敗談で楽器専門店舗の話を含めて詳しく書いてある。
名前を書いている会社は、どの棚に置いていたか
ここからは逆側だ。買取の品目にはっきり「マンドリン」と書いている会社を集めた。こちらも置き場所は一枚岩ではなかった。結果を先に言うと、カタログ上は「弦楽器」が多数派だった。クロサワのほうが例外になる。
| 業者 | 公式でのカテゴリ表記 | 同じ枠に並んでいたもの |
| 楽器の買取屋さん | 弦楽器 | ウクレレ・コントラバス・チェロ・バイオリン・ビオラ・エレガット・バンジョー・ハープ |
| 福ちゃん | 弦楽器 | バイオリン・エレキベース・チェロ・アコースティックギター・ウクレレ・エレキギター |
| 管弦屋 | 弦楽器 | バイオリン・チェロ・コントラバス・マンドラほか |
| 楽器買取センターDOREMI | 弦楽器 | ギター・クラシックギター・ウクレレ・マンドラ |
| クロサワ楽器(店頭買取) | アコースティックギター専門店の窓口 | アコースティックギター・ウクレレ・クラシックギター・バンジョー |
| ハードオフ(店舗紹介) | 民族・エスニック楽器 | ウクレレ・三味線 |
出典はいずれも各社の公式サイト(2026年9月3日確認)。同じ楽器なのに、置かれる棚が3通りに割れた。
「弦楽器」と書いてあっても、中身が同じとは限らない
ここが今回いちばん面白かったところだ。多数派の「弦楽器」も、開けてみると顔ぶれが違う。
- クロサワ楽器の「弦楽器」=バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス・各楽弓(ギターもマンドリンも入らない)
- 楽器の買取屋さんの「弦楽器」=ウクレレ・バンジョー・マンドリンが入り、ギターとベースは別の大分類
- 福ちゃんの「弦楽器」=エレキギターもアコギも同じ枠に入る
つまり「弦楽器」の指す範囲が会社ごとに違う。狭いほうの意味で使っている会社では、マンドリンはそこから外れる。



同じ言葉なのに中身が違うって、調べる側からしたら結構こわいですね。



だからカテゴリの名前じゃなく、並んでる楽器の名前を見ろって話になるんだ。そこに自分の楽器があるかどうか、それだけでいい。
弦楽器の専門店で、実績を数えたらどうだったか
品目に書いてあることと、実際に取引があることは別だ。だから実績まで数えられる会社で確かめた。管弦屋という業者になる。うちのサイトでは以前、この会社の掲載実績745件を全部数えている。ジャンル分類が付いていた454件の内訳がこれだ。
| 品目 | 件数 | 品目 | 件数 |
| サックス | 102 | チェロ | 19 |
| エレキギター | 69 | トランペット | 16 |
| アコースティックギター | 44 | クラリネット | 12 |
| フルート | 41 | ハープ | 12 |
| バイオリン | 21 | ホルン | 11 |
| オーボエ | 10 | チューバ | 8 |
出典:管弦屋の公式サイトの買取実績を自社で集計(2026年8月29日)。集計の全文は管弦屋の口コミは4媒体で2件だけ|公式の買取実績745件を全部数えたにある。
この表を上から下まで読んでほしい。ホルン11件・チューバ8件はあるのに、マンドリンがない。上位12品目に入らなかっただけかもしれないので、数え直した。
- 公式の実績をマンドリンで絞り込んだ件数=1件(2ページ目以降のリンクなし)
- その1件は2025年8月6日付・広島県広島市・Raffaele Calace & Figlio 1982年製
- 掲載実績の総数は全75ページで748件(当方の実測。公式に総数表示はない)
0件ではなかった。だが748件のうち1件だ。ホルン11・チューバ8と並べると、位置がはっきりする。
書き方には気をつけたい。これは掲載された実績であって、買い取った全件ではない。掲載を選んでいる可能性は当然ある。



1件しかないってことは、出さないほうがいいってことですか?



そうは言ってない。1件でも実績はあるし、しかもカラーチェだ。俺が言いたいのは「1社に絞るな」ってことだけだな。
ついでに書いておくと、この会社は公式の中でも記載が揃っていない。トップページには「マンドリン、マンドラ」と名指しがあるのに、弦楽器の強化買取ページの16品目には入っていない(2026年9月3日確認)。
隠しているとは読まない。更新の時期が違うだけという説明のほうが自然だ。ただ、読む側は迷う。
2社目の候補として置いた。公式のよくある質問には「出張費や査定のお見積り費用・交通費は一切かかりません。」とある(2026年9月3日確認)。
ただしキャンセル料は条件つきだ。同じFAQに「出張買取にてスタッフやトラックなどを手配した後のキャンセルの場合にはキャンセル料が発生する場合がございます」と書かれている。そこは先に読んでおいたほうがいい。
フラット型と丸胴型を、業者は区別していたか
マンドリンには大きく2種類ある。裏板が丸いものと、平らなものだ。査定でそこが分けられているのかを確認した。結論から言うと分けている会社はあった。ただし調べていて、想定していなかったものが出てきた。呼び名が揃っていないという問題だ。
まず、2つの型のちがい
楽器店の公式解説には、こう書かれている。裏板を見れば一発で分かるということだ。
裏板が丸い形の通常のマンドリン(ラウンドマンドリンやクラシックマンドリンとも呼ぶ)/裏板が平らなフラットマンドリン
出典:島村楽器オンラインストアの解説ページ(2026年9月3日確認)。同ページは前者を部活やオーケストラ、後者をバンド編成やカントリーの楽器として説明している。
数字で見ると違いはもっとはっきりする。同じメーカーが両方作っているので、寸法をそのまま並べられる。
| 丸胴型 Ashbury Bowl Back | フラット型 Ashbury AM-130(Aスタイル) | |
| 全長 | 670mm | 670mm |
| 胴幅 | 234mm | 267mm |
| 最大胴厚 | 155mm | 56mm |
| 弦長 | 335mm | 360mm |
出典:Ashbury の公式製品ページ(2026年9月3日確認)。長さは同じで、厚みだけが約3倍違う。
あんたのマンドリンをひっくり返してみてほしい。お椀を伏せた形か、板1枚か。それだけで型は決まる。
「ボウルバック」という語を使っていた業者は、1社もなかった
ここが今回いちばん意外だった。買取業者14社・22ページを開いて全文を検索した結果がこれだ。
| 丸胴側の呼び方 | 確認できた例 |
| ナポリ型 | 良品企画/ひこばえ/福ちゃん(歴史解説の中で) |
| ラウンドバック・ラウンドマンドリン | 札幌TOP楽器買取屋さん/高く買いますWEST/島村楽器 |
| クラシックマンドリン | 高く売れるドットコム/買取一番/島村楽器 |
| 呼び分けず、単に「マンドリン」 | ひこばえ(メーカー一覧の見出し) |
| ボウルバック | 0社 |
出典:上記各社の公式サイト(いずれも2026年9月3日確認)。22ページ全文を検索して「ボウルバック」は0件だった。面白いのは、検索する側も同じだったことだ。サジェストを実測したら、「ボウルバック マンドリン 買取」は存在しなかった。
- 実在する:フラット マンドリン 買取/マンドリン カラーチェ 買取/マンドリン 買取 東京/マンドリン 中古 買取
- 実在しない:ボウルバック マンドリン 買取/Fスタイル マンドリン 買取/マンドリン 処分
Googleのオートコンプリートで確認した(2026年9月3日)。売る側も買う側も、丸胴のほうには固有の言い方を持っていないということになる。



俺、電話で「ボウルバックなんですけど」って言うつもりだったわ。あぶねー。



通じないってほどじゃないだろうけどな。「裏が丸いほうです」で全部片づく。専門用語より形を言えばいい。
型ではなく「作り手」で分けている業者があった
区別している会社は、どうやって分けているのか。いちばんはっきりしていたのはメーカー名を2つの箱に分けて並べるやり方だった。
【マンドリン】【マンドラ】【マンドセロ】
落合大悟郎、野口實、大野、渡辺精次、石川捷二郎、宮部厚志、川田一夫、田鎖賢彦、加納木魂、藤丸常夫、鈴木、カラーチェ
【フラットマンドリン】
ケンタッキー、ギブソン、アリア、ガラゲ、ローバー、ブラントン、ブルーベル
出典:楽器買取センターひこばえの公式サイト(2026年9月3日確認)。型の名前を出さずに、メーカーで仕分けているのが分かる。これは実務的だと思う。売る側は型名を知らなくても、ラベルに書いてある名前は読めるからだ。
ただし、業者どうしで仕分けが食い違っていた
ここは正直に書く。同じメーカーが、会社によって逆の箱に入っていた。
- 鈴木……ある業者はフラット側の一覧に、別の業者は丸胴側の一覧に置いていた
- 落合……ある業者はフラットマンドリンの説明の直後に国産の人気モデルとして挙げ、別の業者は丸胴側に置いていた
どちらが正しいかは、俺には判定できない。両方の型を作っているメーカーもあるので、単純な誤りとも言い切れない。
だからここで言えるのは1つだけだ。メーカー名だけで型は確定しない。裏板の写真を1枚撮っておくほうが、話が早い。
なお本記事の主軸で使っている楽器の買取屋さんも、マンドリンの下に「フラットマンドリン」という枠を1つ持っている(2026年9月3日確認)。ただし型の違いを説明する文章は見当たらなかった。
枠は分けているが、説明はしていない。今回いちばん多かったのは、この中間の形だった。
業者を探すときに「フラットマンドリン」等の型名を検索語に含めた。型名を書いているサイトが先に出てくる偏りがあるということだ。
だから「区別する業者のほうが多い」とは書けない。書けるのは「区別している業者も、していない業者も実在した」までである。
品目に名前を書いている店と、書いていない店の差はどこから来るのか
全国対応の会社だけ見ていると、地方の店の事情が抜ける。だから地域の買取店も開いた。そこで時代の話が出てきた。そして1件、自社の過去記事を訂正しないといけない結果も出た。先にそちらを書く。
自社記事の訂正|買取店わかばの品目一覧にマンドリンはなかった
うちの高知の記事には、買取店わかばの品目として「サックス・トランペット・クラリネット・フルート・バイオリン・チェロ・マンドリン」という並びを書いていた。
2026年9月3日にもう一度開いたところ、その一続きの列挙は見つからなかった。実際に載っていたのはこうだ。
- 楽器の取扱カテゴリー一覧は18品目。アンプ/ベース/チェロ/クラリネット/ドラム/エフェクター/ユーフォニアム/フルート/ギター/ホルン/オーボエ/サックス/スピーカー/トランペット/チューバ/ターンテーブル/ウクレレ/バイオリン
- この18品目にマンドリンは入っていない。高知県内の全店舗ページで同じだった
- マンドリンが出てくるのは買取品目ではなく買取実績の欄。2022年11月21日付の「【SUZUKI】鈴木バイオリン マンドリン 230」1件のみ
出典:買取店わかばの公式サイト(2026年9月3日確認)。あわせて高知県内の店舗数も公式一覧では4店舗で、うちの記事の「3店」と一致しなかった。
過去に別の表記があったのかどうかは、今回検証していない。書けるのは2026年9月3日時点ではこうだったということだけだ。取扱わないという記載も、公式にはない。
高知で売る場合の窓口の並びは【高知】楽器買取の最初の分かれ道は「自分の市に窓口があるか」だったにまとめてある。そちらの品目の記載は近く直す。
かつてマンドリンは、ギターと並ぶ看板商品だった
逆に、時代のほうを教えてくれる記載もあった。大分市のジーグセカンズという店の沿革だ。
1974年 ギター・マンドリン専門店GIGUE(ジーグ)として大分市府内町にて創業
出典:ジーグセカンズの公式サイト 沿革(2026年9月3日確認)。1974年だ。大学にマンドリンクラブが当たり前にあった時代の話になる。専門店の看板に名前が載っていたという記録である。
現在の営業案内に並ぶのは「ギター・ベース・アンプ・エフェクター」「USED・VINTAGE楽器、弦楽器やアンプ類・エフェクター類」。マンドリンという語は、沿革の1974年の項にしかない(2026年9月3日確認)。



50年で看板から消えたってこと? なんかちょっと切ないな。



取扱わなくなったとは書いてないぞ。「弦楽器」の中に入ってるのかもしれない。書いてないことは、書いてないとしか言えないんだ。
この50年の落差が、たぶん「メニューに載っていない」の正体だ。品目一覧は、その店が今どこに力を入れているかの表明でもある。
逆に言えば、今も名前を出している店は意識して残しているということになる。クロサワ楽器の買取ページには、こうある。
バンジョー、マンドリン、リゾネーターギター買取強化中!
出典:クロサワ楽器店の公式サイト 楽器買取のご案内(2026年9月3日確認)。窓口は限られるが、欲しがってはいる。この2つは矛盾しない。
大分の窓口の状況は【大分】楽器買取の最初の分かれ道は「大分市に出られるか」だった件に書いてある。
検索結果の1ページ目を、運営会社まで追いかけた
もうひとつ数えたものがある。「マンドリン 買取」の検索結果1ページ目だ。誰が書いた記事を読んでいるのかは、知っておいて損がない。
2026年9月3日に表示された9枠について、それぞれの運営会社ページを開いた。結果はこうだった。
- 9枠すべてが買取事業者の側のサイトだった。第三者の独立メディアは0枠
- 一見メディア名に見える1枠も、会社概要に古物商許可が書かれた買取事業者のオウンドメディアだった
- うち2枠は同じ運営会社。古物商許可番号もフリーダイヤルも一致していた
これ自体は違法でも不当でもない。買取業界では珍しいことですらない。うちのサイトだってアフィリエイトのリンクを置いている。
渡したいのは1つだけだ。相場を書いた記事は、誰が書いたかを見る。それだけで読み方が変わる。
この記事に相場表を載せない理由も、ここに関係している。俺は査定していない。査定していない人間が金額を並べたら、それは他所の数字の写しでしかない。
出張・宅配・店頭・委託を、荷物と動線で決める
ここからは出し方の話だ。マンドリンは小さい楽器なので、大型楽器のような制約はほとんどない。だから選択肢が広い。
まず一般的な3つの方法を、条件だけで比べておく。ここは業者名の出ない比較表を置いておく。
← スクロールできます →
| 出張買取査定士が自宅に来る | 宅配買取ダンボールで送る | 店頭買取店舗に持ち込む | |
|---|---|---|---|
| おすすめ度 | S 楽器買取に最適 |
B | A |
| 手軽さ | ◎ 自宅で完結電話1本で予約→自宅で待つだけ | △ 梱包が手間梱包→発送→入金まで数日 | △ 運搬が必要重い楽器を自分で運ぶ必要あり |
| 査定スピード | ◎ 最短30分〜即日その場で査定→即現金 | ✕ 数日〜1週間到着後に査定→振込 | ◎ 即日その場で査定→即現金 |
| 費用 | 無料出張料・査定料0円 | 無料送料・ダンボール無料の業者あり | 交通費は自己負担ガソリン代・駐車場代など |
| 大型楽器 (ピアノ・ドラム等) |
◎ 最適重くても運ぶ必要なし | ✕ 難しい梱包・配送のリスク大 | ✕ 難しい車への積み込みが大変 |
| 小型楽器 (エフェクター等) |
◎ 対応可 | ◎ 最適小さいので梱包が楽 | ◎ 対応可 |
| 配送時の 破損リスク |
◎ リスクなし目の前で査定するため | ✕ リスクあり配送中にネック折れ等の可能性 | △ 自分で注意運搬時の取り扱い次第 |
| 価格交渉 | ◎ しやすい対面で査定理由を聞ける | ✕ しにくい電話やメールでのやり取り | ◎ しやすいその場で交渉可能 |
| キャンセル | ◎ 無料納得いかなければその場で断れる | △ 返送料に注意業者によっては返送料自己負担 | ◎ 無料そのまま持ち帰ればOK |
| 対応エリア | 全国対応主要業者は全国出張可能 | 全国対応どこからでも発送可能 | 店舗がある地域のみ近くに店舗がないと利用不可 |
| 一度に売れる数 | ◎ 制限なし何点でもまとめて査定OK | △ ダンボールの数大量だと箱数が増え手間も増える | △ 運べる分だけ車に積める量が上限 |
| メリット まとめ |
・自宅にいるだけでOK ・大型楽器も対応 ・その場で現金受け取り ・破損リスクゼロ ・まとめて大量に売れる |
・対面不要で気楽 ・忙しくても時間を選ばない ・小型楽器に向いている ・全国どこでもOK |
・その場で現金受け取り ・対面で価格交渉できる ・自分のペースで持ち込める ・査定を目の前で見れる |
| デメリット まとめ |
・自宅に人を入れる必要あり ・日程調整が必要 ・在宅している必要がある |
・梱包が面倒 ・配送中の破損リスク ・査定まで数日かかる ・価格交渉がしにくい |
・重い楽器を自分で運ぶ ・近くに店舗がないと利用不可 ・移動時間と交通費がかかる |
| こんな人に おすすめ |
・ギターやピアノなど大きい楽器を売りたい ・複数の楽器をまとめて売りたい ・楽に高く売りたい人 |
・エフェクターやマイクなど小型機材を売りたい ・人と会わずに売りたい ・近くに業者がない地域の人 |
・すぐ現金が欲しい ・自分の目で査定を確認したい ・近くに専門店がある人 |
※査定スピードは各社公式サイトの表記です(2026年8月4日確認)。実際の対応時間はエリア・時間帯・混雑状況により異なります。各業者により対応状況が異なります。詳しくは各公式サイトでご確認ください。
そのうえで、マンドリン固有の判断材料を足していく。サイズと、梱包と、4つ目の選択肢の3つだ。
サイズで詰まることは、まずない
マンドリンの全長は、メーカーの公式仕様で66〜69cmあたりだった。アコースティックギターと比べると、その小ささが分かる。
- マンドリン……全長 670mm(Ashbury/丸胴・フラットとも同じ)
- アコースティックギター……全長 1038mm(YAMAHA FG830の仕様表)
- ヤマト運輸 宅急便の上限……3辺合計 200cm以内・30kg以内
出典:各メーカーの公式仕様表、および島村楽器の公式商品ページ、ヤマト運輸の公式FAQ(いずれも2026年9月3日確認)。上限まで大きく余裕がある。
つまり宅配が現実的な選択肢になる楽器だということだ。コントラバスやドラムセットとはまったく事情が違う。
詰まるとしたらサイズではなく、ハードケースのほう
ただし条件がある。運送会社の公式FAQには、楽器の発送についてこう書かれている。
楽器専用のハードケースによる梱包がされていれば、発送できます。
出典:ヤマト運輸の公式FAQ「楽器(ギターなど)は、送れますか?」(2026年9月3日確認)。同じページにハードケース内で楽器が動かないよう補強すること、弦をゆるめることも併記されている。
ここでさっきの厚みの話が効いてくる。丸胴型はケースの深さが倍近く要るのだ。
- フラット型用(ARIA CG-100FMA)……内寸の厚み 75mm/2.4kg
- マンドリン用(ARIA CG-100M)……内寸の厚み 80mm/2.2kg
- 丸胴型用(アランフェス スタンダード)……ボディ厚150mm+フタ厚20mm/約1.9kg
- 丸胴型用(スーパーライト)……全高160mm/約1.2kg
出典:ARIA およびイケガクの公式商品ページ(いずれも2026年9月3日確認)。いずれも内寸の表記である。フラット型用が75〜80mmなのに対し、丸胴型用は倍の厚みが要る。
「丸胴型は梱包に注意が要る」と公式に書いている業者や運送会社は、今回見つけられなかった。ハードオフの梱包ガイドもヤマト運輸のFAQも、楽器一般の手順しか書いていない。
だから上の表は、あくまでケースの内寸を並べただけだ。そこから先は、俺が査定側にいた経験からの助言になる。
その助言はひとつだけだ。丸い裏板は箱の中で転がる。ハードケースが無いなら、送る前に梱包について相談したほうがいい。



俺はフリマアプリで送ったギターを配送中に壊してる。梱包が甘くて補償も出なかった。段ボールを開けた相手の顔は、想像したくなかったな。
返送料を誰が負担するかは、会社によって違う
宅配で気をつけるのは金額よりここだ。査定に納得できなかったときに、送り返す費用を誰が持つか。条件は公式に書いてある。
| 業者 | 公式に書かれている宅配の条件 |
| 楽器の買取屋さん | 発送は着払い/返送費用はお客様負担と明記 |
| 管弦屋 | 返送は無料/運送保険に入っていると明記 |
| ハードオフ(宅配買取) | サイズ140cm以内・重量20kgまでを案内 |
| 島村楽器 | 無料梱包キットに収まらないサイズの楽器は対象外 |
出典:上記各社の公式サイト(2026年9月3日に全件確認)。金額の比較ではなく、条件の比較だ。ここは公式に書いてあるので、そのまま並べられる。
送る前にこの1行を読んでおくかどうかで、結果がだいぶ変わる。断る可能性があるなら、返送の条件は先に見ておく。
4つ目の選択肢|買い取らずに「預かって売る」店がある
調べていて、これは書いておくべきだと思ったものがある。マンドリンの専門店が用意しているのは買取ではなかった。
マンドリンとクラシックギターの専門店として知られるイケガクのページには、こう書かれている。
あなたの大切なマンドリンを、イケガクが委託販売させて頂きます。
出典:イケガクの公式サイト「マンドリン・リユース (中古委託販売)のご案内」(2026年9月3日確認)。同ページのHTMLを検索すると、「買取」の語は0件、「委託」が9件だった。
仕組みも公式に書いてある。買取とはまったく別のルールで動く。
- 公式の例では、10万円(税抜)で売れた場合に7万円が支払われる
- 委託販売期間は6か月間
- 受付は最低価格5万円から
- 20歳未満は利用できない
出典:イケガクの公式サイト(2026年9月3日確認)。福岡のフォレストヒルも委託販売を扱っており、手数料を販売価格の20パーセントと公式に書いている。



すぐお金にならないけど、その代わり値段が伸びる可能性がある、ということですか?



そういう性質のものだな。売れなければ半年待って戻ってくる。急いで片づけたい人には向かない。ただ、選択肢として知っておく価値はある。
買取と委託は、どちらが得かという話ではない。手放す速さを取るか、値段の可能性を取るかという別の軸になる。
楽器を送るか、来てもらうかの一般的な判断は出張買取の流れは4ステップにまとめてある。持ち物の確認はそちらが早い。
訪問購入で、あなたが持っている権利
家に呼ぶなら、ここは知っておいたほうがいい。長くは書かない。法律の条文と、官公庁の説明だけを置く。
まずクーリング・オフの起算点だ。ここを間違えて覚えている人が多い。
- クーリング・オフは法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内(特定商取引法 第58条の14)
- その期間中は物品の引渡しを拒める(同 第58条の15)
- 事業者には、引渡しを拒めることを告げる義務がある(同 第58条の9)
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問購入」およびe-Gov法令検索 特定商取引に関する法律(いずれも2026年9月3日確認)。
国民生活センターの説明はもっと直接的だ。売却の契約をしても、その場ですぐ渡す必要はないと書かれている。
また、消費者には「引渡し拒絶権」が認められており、この8日間は物品の引き渡しを拒むことができます。売却の契約をしても、その場ですぐに物品を引き渡す必要はありません。
出典:国民生活センター「訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには」(2026年9月3日確認)。
楽器は、適用除外のリストに載っていない
訪問購入には、この規定が適用されない品目がある。政令で6つだけ決まっていて、そこを確認した。
自動車(二輪を除く)/携行が容易でない家庭用電気機械器具/家具/書籍/有価証券/レコードやCD・DVD等。この6つがすべてだ。
楽器もマンドリンも、この列挙には入っていない。ただし「楽器は対象です」と明記した官公庁の一文は、見つからなかった。書けるのは「除外リストに載っていない」までである。
出典:e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律施行令 第34条および消費者庁が公開している同条の具体例(いずれも2026年9月3日確認)。
もうひとつ。この制度が使えるのは出張買取だけだ。自分で持ち込む店頭買取と、送る宅配買取は対象外になる。



俺も「高額買取保証」を掲げる業者を家に呼んだことがある。査定士が部屋を見回して「貴金属とかもありませんか」と2回聞いてきた。あれは怖かったな。
押し買いとの見分け方や、実際にあったトラブルの調べ方は訪問買取トラブルの業者名はどこで調べる?公的リストの見方と出張買取は危険?押し買いとの違いに分けて書いてある。
申し込む前に決めておく3つ
ここまでの話を、動く形に落とす。3つだけだ。全部やっても15分かからない。
急ぐ必要はない。マンドリンは腐らないし、明日値段が変わるものでもない。準備してから出したほうがいい。
ひっくり返して、裏が丸いか平らか。型はこれで決まる。業者ごとに呼び名が違うので、言葉より写真のほうが確実に伝わる。
作り手の名前と製作年が書いてある。ここが査定の入口になる。読めなければ、スマホのライトを当てて撮っておけばいい。
1社だけで決めない。比べる相手がいて初めて、提示された数字の意味が分かる。片方は楽器専門、もう片方は弦楽器に強いところ、という組み方が扱いやすい。
①と②は、買取に出さなくてもやっておく価値がある。自分の楽器が何なのかを知らないまま持っている人が、けっこう多いからだ。



俺は祖父のアンプでこれをやらなかった。「古くて値段つきません」の一言をそのまま受け取って、確かめもせず渡した。今でも夢に出る。
マンドリンは、押し入れで20年眠っていても作り手の名前が消えるわけじゃない。読める状態のうちに、記録だけ取っておいてほしい。
マンドリンの買取についてよく聞かれること
調べていて出てきた疑問と、俺が査定側にいたときに実際によく聞かれたことをまとめておく。金額の答えはここにも書かない。
- 弦が切れていても査定してもらえますか?
-
張り替えずにそのまま出して問題ない。弦は消耗品で、業者側は交換する前提で見る。楽器の買取屋さんの公式には「ジャンク品であっても、修理可能な商品であれば買取可能です」と書かれている(2026年9月3日確認)。自分で直そうとして触るほうが、かえってリスクがある。
- ケースがないと不利になりますか?
-
付属品が揃っているほうが評価されるのは、どの楽器でも同じだ。ただしケースがないと受けてもらえない、という話ではない。持っているものを全部出して、あとは向こうに判断してもらえばいい。無いものを慌てて買い足す必要はない。ただし宅配で送る場合だけは、ハードケースの有無が条件になる。
- 裏板が丸いタイプでも宅配で送れますか?
-
送れないと書いている業者は、今回調べた範囲では見当たらなかった。全長は丸胴もフラットも670mm前後で、運送会社の上限には余裕がある。ただし丸胴型はケースの深さが150mm以上必要で、フラット型の倍近い。ハードケースごと送るか、無ければ梱包について事前に相談したほうがいい。
- マンドラやマンドセロも同じ窓口でいいですか?
-
品目に名前を書いている業者は実在した。管弦屋はトップページに「マンドリン、マンドラ」と並べているし、マンドラ・マンドセロの専用ページを持つ業者もある(いずれも2026年9月3日確認)。ただしマンドリンより記載が少ない。先に品目を伝えてから動くのが安全だ。
- 買取ページに「マンドリン」と書いていない店は、諦めるしかないですか?
-
諦めなくていい。今回調べた中では、全社のメニューに載っていないのに店舗の記事では買取の相談を受け付けている例があった。「載っていない」は「扱わない」ではない。電話かメールで品目を1回伝えれば済む話だ。
- 実家にあるものを、自分が代理で売れますか?
-
買取には本人確認が要る。名義の扱いは業者ごとに違うので、持ち主が別人なら、その点を最初に伝えること。当日になって書類で止まるのがいちばん面倒だ。遺品として引き継いだものなら、なおさら先に確認しておいたほうがいい。
- 査定だけ受けて、断ってもいいですか?
-
断っていい。査定料・出張料・キャンセル料を0円と明記している業者もある。ただし条件の書き方は会社ごとに違うので、そこは申し込む前に見ておくこと。詳しくは出張買取は査定だけで断れる?楽器のキャンセル料にまとめてある。
- 買取相場はいくらですか?
-
この記事では書かない。俺が査定していないからだ。作り手・型・状態・付属品でまるごと変わるものを、実物を見ずに数字にするのは無責任だと思っている。金額が知りたいなら、実物を見られる相手に2社当たるのがいちばん早い。
まとめ マンドリンは、買取のメニューから抜けやすい楽器だった
調べる前に想像していたのは「弦楽器の棚にある」という単純な話だった。開いてみたら、そうではなかった。
数えた結果を、もう一度並べておく。これが、この記事で確認できたことの全部だ。
- 大手の楽器店では、売り場にはあるのに買取のメニューにない状態が複数あった
- 店頭の窓口を分けている会社では、弦楽器の窓口ではなくアコギの窓口にあった
- 名前を書いている会社の棚は「弦楽器」が多数派。ただしその中身は会社ごとに違う
- 型を区別する業者はいたが、「ボウルバック」と書いた業者は22ページ中0だった
- 弦楽器の専門店の掲載実績748件のうち、マンドリンは1件だった
この5つから言えることは1つしかない。カテゴリ名を信じずに、品目の列挙を見ろ。そして無ければ聞け。
そして1社で決めない。メニューに載っていない会社と、専用ページを持っている会社では、返ってくる答えが違って当たり前だからだ。



相場を調べるつもりで来たのに、結局「窓口を確かめろ」って話でしたね。



そうだ。金額は最後に出てくるものでな、その前に「見てもらえるか」が決まってる。順番を飛ばすと、担いで往復するはめになる。
俺は祖父のアンプで一度やらかしている。あのとき確かめていれば結果は違ったかもしれない、と今でも思う。あんたには同じことをしてほしくない。
裏板の写真を1枚。ラベルの写真を1枚。それから2社に声をかける。そこまでやれば、あとは向こうが動く番だ。俺の屍を越えてくれ。
弦楽器全体の見方を知りたいならバイオリン買取の全知識を、同じ窓口に並ぶ品目ならウクレレ買取で失敗しない方法とギター買取おすすめランキングのほうが本題に近い。
業者の選び方から整理したい人は、楽器買取おすすめ30社に評価の全項目を並べてある。

