押し入れの奥。座布団と古い毛布の向こうに、黒くて角ばったケースが立っていた。取っ手の革は硬くなっていて、指を掛けるとひび割れの感触が残る。
留め具を起こすと、乾いた音がした。上がってきたのは古い革と木の匂い。中に入っていたのはアコーディオンだった。

弾けない。誰も弾かない。捨てるには重い。この3つが同時に来るのがアコーディオンだ。
あなたの家にあるそれも、たぶん同じじゃないか。母親が弾いていた。学校で使った。理由は覚えているのに、どう扱えばいいのかだけが分からない。
先に結論を置く。蛇腹に書かれた名前で、買取の中間価格は3倍以上変わる。業者を比べるより先に、その名前を読んだほうが早い。
俺は楽器店にいたが、アコーディオンの査定はやったことがない。書けるのは、業者が公表している実績と、査定の仕組みから読めることだけだ。
だからこの記事に俺の武勇伝は出てこない。代わりに、42件を集計した公表値と、型番・金額・日付つきの実績を並べる。そのほうが役に立つ。
- メーカー別の中間価格——42件を集計した公表値。BUGARI と TOMBO で6倍以上ひらいている
- アコーディオンの買取実績を公開している業者に、無料で査定してもらう(査定だけでもOK)
- メーカー名と型番がどこに書いてあるか。見る場所は3つだけ
- 蛇腹を開いて閉じる——家でできて、査定額に直結する唯一の確認
- カビ臭くても値段がついた実例と、値段がつかなかったときの出口
押し入れから、アコーディオンが出てきた
この章では金額の話をしない。まず、いまあなたが立っている場所を整理する。ここを飛ばすと、後で出てくる数字が自分のものとして読めなくなる。
弾けない、捨てられない、置き場所がない
アコーディオンが厄介なのは、この3つが同時に来るところだ。弾けないから使い道がない。捨てられないから物置に残る。そして片手で軽々とは運べない。
だから多くの人は、片付けの当日まで判断を先送りする。俺も祖父の遺品を前に同じことをやった。結果、価値の分からないまま手放して、後から相場を知って腰を抜かした。



もうまとめて粗大ごみでいいっしょ。運ぶのだるいし。



待て。その前に3秒でできることがある。蛇腹の横に書いてある名前を読むだけだ。
この記事でやってもらうことは、2つだけ
専門知識はいらない。道具もいらない。やることは2つだけだ。名前を読むことと、蛇腹を開いて閉じること。ただ、そのために最低限の言葉が要る。下の6つだけ頭に入れておけば、この先の話は全部つながる。
| 用語 | どこのこと |
|---|---|
| 蛇腹(ベローズ) | 真ん中のじゃばら。空気を送るポンプ。公式が「心臓部」と書いている場所 |
| リード | 空気で震えて音を出す金属片。錆や折れが査定に効く |
| レジスター | 音色を切り替えるスイッチやレバー |
| ベース側 | 左手側。ボタンが並んだ面。「120ベース」の数字はボタン数 |
| ピアノアコーディオン | 右手が鍵盤式。実績に出てくる大半がこれ |
| Vアコーディオン | ROLAND の電子式。FR で始まる型番 |
メーカー別の中間価格が公表されている
「いくらになるのか」に、いきなり答える。ここで出すのは1件の実績じゃない。42件を集めて集計した公表値だ。読み終わったとき、自分のアコーディオンがどのあたりにいるか当たりがつく。
42件を集計した中間価格が、そのまま公開されている
楽器の買取屋さんが、アコーディオンの買取価格をメーカー別に集計して公開している。件数まで載っているのが珍しい。
| メーカー | 件数 | 最低 | 中間価格 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| ブガリ(BUGARI) | 3 | ¥100,000 | ¥198,000 | ¥283,500 |
| ローランド(Roland) | 7 | ¥59,400 | ¥104,000 | ¥190,000 |
| Excelsior(エキセルシャー) | 14 | ¥45,000 | ¥83,000 | ¥225,000 |
| グエリーニ(GUERRINI) | 4 | ¥58,500 | ¥80,000 | ¥135,000 |
| トンボ(TOMBO) | 4 | ¥12,500 | ¥30,750 | ¥47,880 |
| アコーディオン全体 | 42 | ¥12,500 | ¥93,500 | ¥1,080,000 |
TOMBO の中間が ¥30,750。BUGARI の中間が ¥198,000。中間価格で6倍以上ひらいている。同じ「アコーディオン」という言葉の中の話だ。
出典は楽器の買取屋さんのアコーディオン買取ページ。2026年8月13日に確認した数字で、掲載されている最新の実績は2026年5月28日のものだ。
- 2026/05/28 エキセルシャー アコーディオン ¥180,000(東京都青梅市)
- 2025/08/18 ローランド FR-4XB ¥190,000(大阪府堺市)
- 2024/03/11 トンボ J-80 ¥32,500(福井県あわら市)
- 2024/02/28 トンボ GT-60B ¥29,000(香川県高松市)
この会社の評判そのものが気になるなら、楽器の買取屋さんの口コミ・評判を検証した記事にまとめてある。先にそっちを読んでもらってもいい。
なぜ「平均」ではなく「中間」なのか
ここ、地味だが大事だ。中間価格は平均じゃない。金額を安い順に並べて、真ん中に来た1件の金額のことだ。



平均だと、何がまずいんですか?



1本の高い案件で全部が持ち上がる。アコーディオン全体の最高は¥1,080,000だ。平均にしたらこれに引っ張られる。
実際、最高が¥1,080,000あるのに全体の中間は¥93,500に収まっている。つまりこの数字は、飛び抜けた1件に化粧されていない。
ちなみに同じページの鍵盤楽器全体は562件で中間¥55,000。アコーディオンは鍵盤楽器の中では上のほうにいる。押し入れの奥にあったわりには、悪くない位置だ。
ただし、この数字は動く
42件の集計値ということは、43件目が入れば動くということでもある。高い1台が入れば上がるし、安い1台が入れば下がる。
相場の話になると「いま需要が高まっている」と煽る記事が出てくるが、俺はそれをやらない。帝国データバンクの楽器店市場動向調査2023を読むと、そう単純じゃないことが分かる。
2022年度の楽器店市場は前年度比0.6%増・1,939億円。一方で同じ調査は「エレキギターは中古販売の在庫がやや多い」という販売店の声も報告している。新品が動いても、中古在庫は逆に増えることがある。
だから相場は上にも下にも動く。価格表を見た日と、実際に査定を受ける日がズレれば、結果は変わりうる。
この記事に出てくる数字は、すべて2026年8月13日時点で各社の公式ページを開いて確認したものだ。読んでいる時期によってはズレる。そこは正直に書いておく。
メーカー名はどこに書いてあるか
さっきの表は、名前が読めなければ使えない。だがこの章は短い。見る場所は3つだけで、座ったまま終わる。
見る場所は3つ
ケースから出さなくてもいい。蓋を開けて、上から順に目で追うだけだ。型番までメモできれば完璧だが、メーカー名だけでも十分に使える。
じゃばら部分の横。ロゴが刻印されていたり、金属プレートが貼ってあったりする。いちばん見つかりやすいのがここだ。
ボタンが並んでいる面。ボタンの下や横のパネルに、メーカー名とモデル名が並んで入っていることが多い。
本体に何も無くても、ケースの内側に紙のラベルが残っていることがある。「Mod 311」「GT-60B」「FR-1XB」のような英数字が型番だ。
表記が揺れていても、同じメーカーのことがある
ここで一度つまずく人がいる。同じメーカーなのに、業者によってカタカナ表記が違うのだ。本体に書いてあるのは英字なので、無理にカタカナへ直そうとしなくていい。
| 本体の表記 | 読み方・別表記 |
|---|---|
| EXCELSIOR | エクセルシオール。業者により「エキセルシャー」「エキセルシアー」 |
| HOHNER | ホーナー |
| BUGARI | ブガリ |
| GUERRINI | グエリーニ |
| TOMBO | トンボ |
| SETTIMIO SOPRANI | セッティミオ・ソプラーニ |
この記事では英字の Excelsior で通す。検索するときも、カタカナより英字のほうが情報が出る。型番をメモするときも、本体に書いてあるとおりの英字で控えておけばいい。
さっきの中間価格を公表しているのが、この楽器の買取屋さんだ。数字を出している当人に聞くのがいちばん早い。出張費・査定費・作業代・搬出費用は、公式FAQで一切かからないと書かれている。
実績に出てくるブランドの名前
中間価格は「メーカー」の話だった。ここからは実際に売れた1台ずつを見る。ただし、この章でいちばん大事なのは名前の一覧じゃない。最後の見出しだ。
2026年の実績10件に出てくる名前
楽器高く売れるドットコムのアコーディオン買取ページには、すべて2026年の実績が10件並んでいる(2026年8月13日確認)。
| 品名 | 状態 | 金額 | 日付 | 地域 |
|---|---|---|---|---|
| ROLAND FR-8XB 電子アコーディオン BK | 美品 | ¥280,000 | 2026/5/31 | 東京都 |
| EXCELSIOR MOD.940 41鍵盤 120ベース | 一般中古 | ¥110,000 | 2026/5/31 | 山梨県 |
| Roland FR-1XB RD Vアコーディオン | 程度良好 | ¥102,000 | 2026/2/12 | 福岡県 |
| EXCELSIOR Professional MODEL 704 | 一般中古 | ¥80,000 | 2026/1/29 | 奈良県 |
| ROLAND FR-1X 26鍵72ベース | 美品 | ¥70,000 | 2026/5/25 | 神奈川県 |
| HOHNER SONOREX33 | 一般中古 | ¥65,000 | 2026/5/23 | 岐阜県 |
| EXCELSIOR 415 | 一般中古 | ¥50,000 | 2026/4/16 | 岩手県 |
| EXCELSIOR Mod 311 MIDIVOX SERIE III | 一般中古 | ¥40,000 | 2026/4/16 | 岩手県 |
| EXCELSIOR Mod 311 MIDIVOX SERIE II | 一般中古 | ¥35,000 | 2026/4/16 | 岩手県 |
| SETTIMIO SOPRANI 1050-27 41鍵 | 一般中古 | ¥30,000 | 2026/5/24 | 東京都 |
数字だけ見て舞い上がらないでほしい。同じページに、こういう注記がちゃんと書いてある。実績として並ぶのは、状態と時期の条件が揃った一部の例だ。
上記買取実績はあくまで一例です。状態によってはご希望の金額に添えないもの、お値段が付かないものもございますのでご了承下さい。
出典:楽器高く売れるドットコム「アコーディオン買取」(2026年8月13日確認)
それと、表の「一般中古」「程度良好」という言葉。これは同社が別に載せている状態の定義表(新品/未使用品/美品/中古品/ジャンク品)には出てこない表記だ。意味を勝手に決めつけないほうがいい。
買取対象リストに載っていない名前もある
手元にあるのがリストに無い名前でも、慌てなくていい。ニーゴ・リユースが公開しているアコーディオンの実績には、GIULIETTI(ジュリエッティ)とVICTORIA(ヴィクトリア)が出てくる。どちらも他社のリストにも集計にも無い名前だ。
- GIULIETTI TRAVIATA ¥110,100(2024年7月・北海道札幌市)
- GIULIETTI TRAVIATA ¥66,000(2024年6月・北海道札幌市/側面の装飾が欠品)
- VICTORIA スーパー96 ミュゼットV ¥65,000(2023年8月・福島県いわき市)
そして楽器高く売れるドットコムの買取対象メーカー一覧には、「下記以外のメーカー・型番も買取可能」という注記が付いている。リストは目安であって、線引きではない。
ニーゴ・リユースのアコーディオン実績は最新が2024年7月で、1年以上更新されていない。金額を見るときは、必ず時期と地域をセットで見てほしい。古いデータであることを隠すつもりはない。
同じ EXCELSIOR でも、15倍の幅がある
ここがこの章の本題だ。さっき「Excelsior の中間価格は¥83,000」と書いた。だが同じニーゴ・リユースの実績で EXCELSIOR を5件並べると、こうなる。
| 品名 | 金額 | 時期 | 地域 |
|---|---|---|---|
| EXCELSIOR PROFESSIONAL MODEL Mod AC | ¥160,000 | 2023年7月 | 北海道石狩市 |
| excelsior 220 | ¥92,000 | 2023年10月 | 熊本県熊本市 |
| EXCELSIOR Mod AC | ¥53,000 | 2023年6月 | 長野県山形村 |
| EXCELSIOR Mod 911 | ¥30,000 | 2024年5月 | 長野県松本市 |
| EXCELSIOR 1315E | ¥10,500 | 2023年12月 | 埼玉県杉戸町 |
¥10,500 から ¥160,000。同じブランドの中で15倍だ。メーカーだけでは決まらない。動かしているのはモデルと付属品と状態で、Professional と 1315E は別物だし、ケースの有無も実績のコメントに書かれている。



うちのが EXCELSIOR なら、8万円くらいってことですか?



そう言いたいところだが、同じ名前で1万円台もある。中間価格だけ見せて期待させるのはフェアじゃない。だから次から、自分の1台を見る話に移る。
TOMBO・YAMAHA・スズキはどう評価されるか
この見出しに「安い」という答えを期待した人がいるかもしれない。だが違う。答えは「業者の公式に、ちゃんと相場が載っている」だ。ブランドの格付けをする気はない。載っている数字をそのまま置く。
TOMBO には公式の相場が付いている
TOMBO は2社ともが数字を出している。相場表に型番ごと載っているメーカーは、実はそう多くない。
| 出典 | TOMBO の扱い |
|---|---|
| 楽器の買取屋さん(メーカー別集計) | 4件・最低¥12,500/中間¥30,750/最高¥47,880 |
| 楽器高く売れるドットコム(相場表) | TOMBO グランデール GT-60B / 美品 25,000〜40,000円/中古品 10,000〜20,000円 |
| 実績(楽器の買取屋さん) | トンボ J-80 ¥32,500(2024/03/11)/トンボ GT-60B ¥29,000(2024/02/28) |
買取対象メーカーの公式リストにはスズキ(A-34S)も入っている。名前が挙がっているというのは、それだけで「扱いが分かる相手」ということだ。
ここは条件と公表値の比較だから、社名を出して並べても問題ない。金額を保証する話ではないという点だけ、押さえておいてほしい。
YAMAHA YA-48 の ¥5,000 をどう読むか
ここで、都合の悪い数字を出す。同社のホーナー買取ページに載っている岩手県の実績だ(2026年8月13日確認)。
| 品名 | 金額 |
|---|---|
| EXCELSIOR 415 | ¥50,000 |
| EXCELSIOR Mod 311 MIDIVOX SERIE III | ¥40,000 |
| EXCELSIOR Mod 311 MIDIVOX SERIE II | ¥35,000 |
| YAMAHA YA-48 | ¥5,000 |
4台とも同じ日、同じ県、同じ「一般中古」表記だ。それでこの差がつく。だがここを「ブランドの格の差」と読むのは早い。安いのは名前のせいじゃない。
この表は「同じ日に出た4台でも金額に幅がある」の例として使ってほしい。メーカー間の差は、単日の4件ではなく42件の中間価格のほうで見る。母数が違う。
なお、この YAMAHA YA-48 はホーナー買取ページにしか載っていない。アコーディオン買取ページの実績10件には入っていないので、探しても見つからない。
電子アコーディオンという例外
ここまでは蛇腹で空気を送って音を出すアコーディオンの話だった。だが、電源コードやアダプターが一緒に出てきたなら、話が変わる。
実績の最高額は、電子アコーディオンだった
実績10件の一番上、ROLAND FR-8XB の ¥280,000(美品・2026年5月31日・東京都)。これが電子アコーディオンだ。メーカー別集計でも Roland は7件で中間¥104,000と、全体の中間¥93,500を上回る。



電子って、電池入ってるやつってこと?



鍵盤の脇に小さな画面やスイッチ類が付いてたら、それだ。型番が FR で始まってたらまず間違いない。
同社の査定ポイントには、電子アコーディオンは自宅で練習しやすいことから中古市場の需要が高いと書かれている。音量を絞れる楽器は、住宅事情に強い。
公式が出している相場表
楽器高く売れるドットコムが、電子アコーディオンの相場を型番別に公開している。さっき控えた型番があれば、この表で自分の位置がすぐ分かる。
| 製品名 | 美品 | 中古品 |
|---|---|---|
| Roland V-Accordion FR-8X | 350,000〜450,000円 | 200,000〜300,000円 |
| Roland V-Accordion FR-4X | 150,000〜220,000円 | 80,000〜130,000円 |
| Roland V-Accordion FR-1X | 70,000〜100,000円 | 40,000〜60,000円 |
電子式で1つ注意がある。査定では通電の確認と各種端子まで見られる。アダプターが行方不明なら、探しておいたほうがいい。
蛇腹を開いてみる——空気漏れの確認
ここが、この記事で唯一あなたに手を動かしてもらう章だ。道具はいらない。座ったままでいい。そしてこの確認は査定額に直結する。プロが最初に見る場所を、先に自分で見ておく。
蛇腹は「心臓部」だと、公式が書いている
これは俺の意見じゃない。買取業者が査定ポイントとして公表している内容だ。俺が言い換えるより公式の言葉のほうが重いので、原文をそのまま置く。
蛇腹(ベローズ)は、アコーディオンの心臓部とも言えるパーツです。破れや摩擦による劣化、開閉時の異音、意図しない空気漏れがないかを確認します。長期間保管されていた場合は、内部の湿気によるカビや古い楽器特有の臭いも評価に含まれます。
出典:楽器高く売れるドットコム「アコーディオン買取」査定ポイント(2026年8月13日確認・要約なし)
つまり見られているのは破れだけじゃない。空気が漏れていないかどうかが本丸だ。そしてそれは、開いて閉じないと分からない。
やり方は5ステップ
音を鳴らす必要はない。開いて、閉じて、匂いを嗅ぐ。それだけだ。
床かテーブルの上。膝の上でやらない。落とすと蛇腹の角が潰れる。
上下に留め具が付いている。革が硬化していたら無理に引っ張らず、そこで止めてかまわない。
本来なら、少し抵抗を感じるはずだ。スカスカと軽く開いてしまうなら、どこかで空気が抜けている可能性がある。
途中で「シュー」という音がしないか。ギシギシと引っかかる感触がないか。ここが「開閉時の異音」の確認だ。
カビ臭さの有無。長期保管なら、ここで正体が分かる。匂ったからといって、この後の話を読まずに閉じないでほしい。
- 力を入れて一気に開かない。硬くなった蛇腹はそれで裂ける
- ネジを外して分解しない。戻せなくなると、そのぶん評価が下がる
- すでに破れているなら、それ以上開かない。破れの状態を写真に撮っておくほうが役に立つ
カビ臭くても、諦めるのはまだ早い
ここが、この記事でいちばん伝えたいところだ。実家じまいの人がいちばん手を止めるのが、この匂いだからだ。ニーゴ・リユースの実績に、こういう1台がある。2023年11月・福岡県北九州市の出張買取で引き取られた VICTORIA Super だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品名 | VICTORIA Super |
| 状態のコメント | 革バンド全体にカビや変色。カビ臭あり。外装全体に汚れや傷、金属部分に腐食 |
| 買取価格 | ¥69,900 |
| 時期・地域 | 2023年11月・福岡県北九州市(出張買取) |
さっき引用した査定ポイントには「内部のカビや古い楽器特有の臭いも評価に含まれます」と書いてあった。減点要素を全部持っている1台ということだ。
それで約7万円。それでも値段はついている。



カビてたら、もう捨てるしかないと思ってました。



臭いも評価に含めると公式が書いてる。含めたうえでこの金額だ。あんたが判断する前に、見る人に見せてからでいい。
蛇腹が裂けている人は、壊れた楽器の買取について書いた記事も見てほしい。結果がどうであれ、状態を言葉で正確に説明する必要はない。見せれば、向こうが判断する。
リードと外装。ケースとストラップを探す
蛇腹の次に見られるのが、音と付属品だ。ここも家でできる。ただし、ここは「やらなくても損はしない」寄りの話になる。余力があればで構わない。
全部の鍵盤とボタンを、押しと引きの両方で
公式の査定ポイント3番目が、鍵盤とボタンの動作確認だ。一つずつ確認されると明記されている。音が出ない個体でも、押したときの動きの渋さは指で分かる。
- 右手のピアノ鍵盤(またはボタン)を、端から順に押す。沈んだまま戻らない鍵がないか
- 左手のベースボタンも同じように。数が多いが、押した感触が違うものだけ覚えておけばいい
- レジスター(音色スイッチ)が動くか。固着していないか
- 音が出るなら、蛇腹を押すときと引くときの両方で鳴らす
押しと引きで音が変わる機種もある。ダイアトニックという方式だと、それが仕様だ。不具合と決めつけないでいい。
純正ケースとストラップは、必ず一緒に出す
ニーゴ・リユースの実績12件を眺めると、面白いことに気づく。付属品の記載が、やたらと細かいのだ。
- 「ハードケース付属」「ソフトケース付属」——付いているものは書かれる
- 「ケースの鍵が欠品」「ボディー側面オレンジの装飾が欠品」——無いものも、同じくらい細かく書かれる
つまり付属品は査定の項目に入っている。福ちゃんも査定のポイントとして「製造年/コンディション/付属品の有無/ブランド」の4つを挙げている。
押し入れをもう一度見てほしい。ストラップが本体と別の袋に入っていることは、けっこうある。俺は昔、アンプのフットスイッチを別の箱に入れたまま出して、後で気づいた。
掃除は、どこまでやるか
結論から言う。乾いた布で表面の埃を払う。それで終わりでいい。塗装やセルロイドは強くこすると跡が残るし、汚れを落としきる仕事は査定側の領分だ。
- 洗剤・アルコール・つや出し剤を使う(塗装やセルロイドが変質することがある)
- 蛇腹を濡れた布で拭く(紙と布と革の複合材だ)
- 内部のリードに触る・掃除機を当てる
ひとつだけ覚えておいてほしいのは、保管状態は結果に出るということだ。乾燥剤を入れたケースで置かれていた楽器は、年数が経っていても状態が残る。逆も同じだ。
送るか、来てもらうか
アコーディオンは片手で軽々とは運べない。多くの人にとって、選択肢は最初から絞られている。それでも3つ並べたうえで、業者ごとに条件が違うという話をする。
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| 出張買取査定士が自宅に来る | 宅配買取ダンボールで送る | 店頭買取店舗に持ち込む | |
|---|---|---|---|
| おすすめ度 | S 楽器買取に最適 |
B | A |
| 手軽さ | ◎ 自宅で完結電話1本で予約→自宅で待つだけ | △ 梱包が手間梱包→発送→入金まで数日 | △ 運搬が必要重い楽器を自分で運ぶ必要あり |
| 査定スピード | ◎ 最短30分〜即日その場で査定→即現金 | ✕ 数日〜1週間到着後に査定→振込 | ◎ 即日その場で査定→即現金 |
| 費用 | 無料出張料・査定料0円 | 無料送料・ダンボール無料の業者あり | 交通費は自己負担ガソリン代・駐車場代など |
| 大型楽器 (ピアノ・ドラム等) |
◎ 最適重くても運ぶ必要なし | ✕ 難しい梱包・配送のリスク大 | ✕ 難しい車への積み込みが大変 |
| 小型楽器 (エフェクター等) |
◎ 対応可 | ◎ 最適小さいので梱包が楽 | ◎ 対応可 |
| 配送時の 破損リスク |
◎ リスクなし目の前で査定するため | ✕ リスクあり配送中にネック折れ等の可能性 | △ 自分で注意運搬時の取り扱い次第 |
| 価格交渉 | ◎ しやすい対面で査定理由を聞ける | ✕ しにくい電話やメールでのやり取り | ◎ しやすいその場で交渉可能 |
| キャンセル | ◎ 無料納得いかなければその場で断れる | △ 返送料に注意業者によっては返送料自己負担 | ◎ 無料そのまま持ち帰ればOK |
| 対応エリア | 全国対応主要業者は全国出張可能 | 全国対応どこからでも発送可能 | 店舗がある地域のみ近くに店舗がないと利用不可 |
| 一度に売れる数 | ◎ 制限なし何点でもまとめて査定OK | △ ダンボールの数大量だと箱数が増え手間も増える | △ 運べる分だけ車に積める量が上限 |
| メリット まとめ |
・自宅にいるだけでOK ・大型楽器も対応 ・その場で現金受け取り ・破損リスクゼロ ・まとめて大量に売れる |
・対面不要で気楽 ・忙しくても時間を選ばない ・小型楽器に向いている ・全国どこでもOK |
・その場で現金受け取り ・対面で価格交渉できる ・自分のペースで持ち込める ・査定を目の前で見れる |
| デメリット まとめ |
・自宅に人を入れる必要あり ・日程調整が必要 ・在宅している必要がある |
・梱包が面倒 ・配送中の破損リスク ・査定まで数日かかる ・価格交渉がしにくい |
・重い楽器を自分で運ぶ ・近くに店舗がないと利用不可 ・移動時間と交通費がかかる |
| こんな人に おすすめ |
・ギターやピアノなど大きい楽器を売りたい ・複数の楽器をまとめて売りたい ・楽に高く売りたい人 |
・エフェクターやマイクなど小型機材を売りたい ・人と会わずに売りたい ・近くに業者がない地域の人 |
・すぐ現金が欲しい ・自分の目で査定を確認したい ・近くに専門店がある人 |
※査定スピードは各社公式サイトの表記です(2026年8月4日確認)。実際の対応時間はエリア・時間帯・混雑状況により異なります。各業者により対応状況が異なります。詳しくは各公式サイトでご確認ください。
この表で見てほしいのは速さより「自分が動くかどうか」だ。アコーディオンの場合、そこがそのまま実現可能性になる。
出張が基本になる理由
ニーゴ・リユースのアコーディオン実績は、確認した12件がすべて出張買取だった。北海道4件、長野2件、山形・福島・熊本・福岡・埼玉が各1件。実家じまいの構図とそのまま重なる。
- 楽器の買取屋さんの公式FAQ:出張費・査定費・作業代・搬出費用は一切かからない
- 福ちゃんの公式:出張料・査定料・キャンセル料は完全無料。1点から可
当日の流れが想像できないと予約ボタンは押しにくい。出張買取の流れを4ステップで解説した記事を先に読んでおくと、心の準備ができる。
宅配を選ぶなら、条件を先に読む
ここが今回いちばん「調べてよかった」ところだ。同じ「無料」でも、公式の書き方が違う。金額の話ではなく、申し込みの手続きの話になる。
| 業者 | キャンセル料の書き方 | 宅配の条件 |
|---|---|---|
| 楽器高く売れるドットコム | 「一切かからない」 | 特記なし |
| 楽器の買取屋さん | 「基本的にかからない」 (量が多くスタッフ・トラック手配後の直前キャンセルは発生することがある) | 住民票の写しが必要 (発行3か月以内・コピー不可・現住所と一致) |
同じ「無料」でも書き方が違う。どちらが良いという話ではなく、申し込む前に自分で読むべき箇所があるという話だ。
もうひとつ。楽器の買取屋さんの公式には「古い製品などでパーツが手に入らず、当社にて修理・調整ができないものは、お取り扱いできない場合がございます」とも書かれている。可能性としては書いてある。
家に人を入れるのが不安なら
正直に書く。出張買取に抵抗がある人は多い。特に、家に高齢の親一人でいる時間帯に来てもらうのは怖い。
楽器の訪問買取は特定商取引法の「訪問購入」にあたり、クーリング・オフの対象になる。
起算日を間違えないこと。数え始めるのは「契約書面を受け取った日」だ。「買取が成立した日から8日」ではない。
業者名でトラブルを調べたいなら、公的なリストの見方をまとめた訪問買取トラブルの業者名の調べ方を読んでほしい。予約の前に手を動かせる内容にしてある。
値段がつかなかったときの出口
この章にボタンは置かない。売らないという結論のための章だからだ。上位に並ぶのはほとんどが買取業者の自社ページで、構造上「売らなくていい」とは書けない立場にある。
査定だけ受けて、断れるのか
断れる。これは俺の感想ではなく、公式にそう書いてある。断り方に特別な作法があるわけでもない。福ちゃんの原文を置く。
価格にご納得いただけない場合は、ご売却されない旨をお伝えください。手数料などは一切いただきません。
出典:福ちゃん「楽器買取」(2026年8月13日確認)
ただし、さっきの表で見たとおり、キャンセル料の書き方は会社によって違う。「一切」と「基本的に」は同じ意味じゃない。気になるなら、そこだけ電話で聞けばいい。
俺の考えを言うと、断るところまでが査定だ。断り方そのものが不安な人は、出張買取を査定だけで断れるかを解説した記事に具体的な言い回しまで書いてある。
それでも値段がつかなかったら
可能性としてはある。実績ページの注記にも「お値段が付かないものもございます」と書いてある。そのときの出口は3つで、3つとも「あり」だ。
- 無料で引き取ってもらう——処分の手間と費用が消える
- 断って持ち帰ってもらう——別の業者に聞く余地を残す
- そのまましまう——値段が分かったなら、それはそれで前進だ
なお、楽器の買取屋さんの公式FAQには「壊れていて修理が難しい楽器でも査定可能」「何の楽器かわからなくても専門の査定員が調べる」とある。見てもらう前に自分で切らないほうがいい。



値段がつかなかったとしても、それは「分かった」ってことだ。分からないまま10年置いとくより、ずっといい。
アコーディオンだけが出てくる家は、たぶんない
実家の片付けで、アコーディオンが1台だけぽつんと出てくる。そういうことは、あまりない。その前提で業者を選ぶと立ち会う回数が減る。金額の話より効いてくることがある。
1日に4台出た日がある
さっき出した岩手の4件を思い出してほしい。2026年4月16日、同じ県で4台。これは演奏者の買い替えでは起きない。まとめて出る前提で選ぶほうが、現実に合っている。
まとめて出せる先を選ぶ
楽器以外のものも一緒に出したいなら、福ちゃんは選択肢に入る。着物や骨董、レコードも同じ会社で扱っている。取り扱い品目は公式ページに全23品目が並び、その中に「アコーディオン」がある。
専門の査定士が査定いたしますので、種類が不明の楽器でもご安心ください。
出典:福ちゃん「楽器買取」よくある質問(2026年8月13日確認)
福ちゃんの公式にアコーディオンの買取実績は掲載されていない。ここで言えるのは「買取品目に明記している」までで、実績があるとは書けない。
また、大型楽器についての注意書きは「買取不可」ではなく「査定、お買取が難しい場合がございます。お問合せ時にご確認ください」という表現だ。アコーディオンはその一覧に含まれていない。
評判が気になる人は福ちゃんの評判を検証した記事を先に見てほしい。下にボタンを置いたのは、この章が「一式でまとめて出す」文脈だからだ。
エリアで選ぶか、全国で選ぶか
「近所の店に持ち込む」と「全国対応に出す」。この2つの違いは手間ではなく、売り先の違いだ。ここが分かると、なぜ業者で金額が変わるのかが腑に落ちる。
実績の地域を並べると、都市部ではない
この記事に出てきた実績の地域を、順番に並べてみる。どこで出た楽器が、どこの業者に流れているのかが見えてくる。
- 楽器の買取屋さん:東京都青梅市/群馬県館林市/埼玉県草加市/大阪府堺市/福井県あわら市/青森県三沢市/香川県高松市
- 楽器高く売れるドットコム:山梨県/福岡県/奈良県/岐阜県/岩手県/神奈川県/東京都
- ニーゴ・リユース:北海道4/長野2/山形/福島/熊本/福岡/埼玉
都心の一等地ではない。アコーディオンは地方で出て、全国対応の業者が引き取る。それがデータに出ている構図だ。
中古楽器は、店頭では動いていない
ここで公的なデータを1つだけ引く。環境省の令和6年度リユース市場規模調査報告書(令和7年6月公表)で、中古品がどこで買われているかを品目別に集計したものだ。
| 指標(楽器類) | 数値 |
|---|---|
| 市場規模 | 1,011億円 |
| 店頭で買われた分 | 152億円(15.0%) |
| オークション | 397億円(39.3%) |
| ネットショッピング | 418億円(41.3%) |
| (参考)全品目の店頭比率 | 34.9%(自動車・バイク除く) |
楽器類の店頭比率は15.0%。全品目の平均34.9%の半分以下だ。8割はネット経由で動いている。
これは消費者が中古品を「買った」金額であって、買取額ではない。「だから高く売れる」の根拠にはならない。
ここから言えるのは「中古楽器を買う人がこれだけいる=需要はある」までだ。それ以上は引き伸ばさない。
ここからが本題だ。元楽器店スタッフとして言うと、売値が読めない商品は、買値も上げられない。買取額の上限を決めているのは、その店がいくらで売り切れるかだからだ。
総合リユース店は全ジャンルを扱う。売れ残りのリスクと保管コストを、広く薄く抱えることになる。アコーディオンの売り先だけを持っているわけではない。



じゃあ近所の店の人が、意地悪してるわけじゃないんだ?



違う。店員が悪いんじゃない。売り先が読めない商品に高い値をつけたら、その店が潰れる。それだけの話だ。
ちなみに検索窓に「アコーディオン 買取」と打つと、アコーディオンの専門店を名指しで探している検索候補が出てくる。分かる人に見てほしいという気持ちは、みんな同じらしい。
全国対応の大手が気になる人は、高く売れるドットコムの評判を検証した記事も見ておくといい。良い面と悪い面の両方を並べてある。
アコーディオンの買取でよくある質問
本文で拾いきれなかったところを、質問の形でまとめておく。すべて2026年8月13日時点で各社の公式ページを確認した内容だ。
- アコーディオンの買取相場はいくらですか?
-
楽器高く売れるドットコムの公式FAQでは10,000円〜300,000円前後とされています。楽器の買取屋さんが公表している42件の中間価格は¥93,500です。
幅が広いのは、モデルと状態で動くからです。同じ EXCELSIOR でも¥10,500から¥160,000までの実績があります。
- メーカーや型番が分からなくても査定してもらえますか?
-
可能です。楽器の買取屋さんの公式FAQには「何の楽器かわからなくても専門の査定員が調べる」とあり、福ちゃんの公式FAQにも「専門の査定士が査定いたしますので、種類が不明の楽器でもご安心ください」とあります。
- 蛇腹が破れている、音が出ないものでも見てもらえますか?
-
楽器の買取屋さんの公式FAQには「壊れていて修理が難しい楽器でも査定可能」と記載があります。
ただし同じ公式に「古い製品などでパーツが手に入らず、当社にて修理・調整ができないものは、お取り扱いできない場合がございます」とも書かれています。両方が書かれていると理解しておいてください。
- 査定だけ受けて、売らずに断ることはできますか?
-
できます。福ちゃんの公式には「価格にご納得いただけない場合は、ご売却されない旨をお伝えください。手数料などは一切いただきません」とあります。
ただしキャンセル料の表現は業者で異なります。高く売れるドットコムは「一切かからない」、楽器の買取屋さんは「基本的にかからない」です。
- 出張買取に費用はかかりますか?
-
楽器の買取屋さんの公式FAQでは、出張費・査定費・作業代・搬出費用は一切かからないとされています。福ちゃんは出張料・査定料・キャンセル料が完全無料で、1点からの依頼が可能と記載しています。
- 宅配買取で送るとき、何が必要ですか?
-
業者によって要件が違います。楽器の買取屋さんの宅配買取は住民票の写しが必要で、発行から3か月以内・コピー不可・現住所と一致という条件が付いています。
高く売れるドットコムにはこの要件がありません。申し込み前に、その業者の宅配ページを開いて確認してください。
- 訪問買取をキャンセルしたくなったらどうすればいいですか?
-
楽器の訪問買取は特定商取引法の「訪問購入」にあたり、クーリング・オフの対象です。
数え始めるのは「契約書面を受け取った日」です。「買取が成立した日から」ではありません。ここを取り違えると期限の計算がずれます。
- ケースやストラップがないと、査定に影響しますか?
-
付属品は査定項目に入っています。福ちゃんは査定のポイントとして「製造年/コンディション/付属品の有無/ブランド」の4つを挙げています。
実績のコメントにも「ハードケース付属」「ケースの鍵が欠品」といった記載があります。ただし、無いから出せないということはありません。
まとめ——まず、蛇腹を開いてくれ
長くなったので、持ち帰ってほしいことだけ並べる。読み終わったあと実際にやるのは2つだけで、どちらも今日のうちに終わる。
- 蛇腹に書かれた名前を読む。メーカーで中間価格が3倍以上変わる(BUGARI ¥198,000/TOMBO ¥30,750)
- ただし名前だけでは決まらない。同じ EXCELSIOR で¥10,500〜¥160,000の幅がある
- 蛇腹を開いて閉じる。スカスカに開くなら空気が抜けている
- カビ臭くても、諦めない。カビ・変色・腐食ありで¥69,900の実例がある
- 査定だけ受けて断ってもいい。公式にそう書いてある
俺は昔、祖父が遺した真空管アンプを「古くて値段つきません」の一言で手放した。後日、同じモデルが中古市場でどう扱われているかを知って、しばらく声が出なかった。足りなかったのは見る場所だけだ。



売るか売らないかは、後で決めればいい。今日やるのは、蛇腹を開いて閉じるところまでだ。俺の屍を越えてくれ。
迷ったら、まず1社に見てもらう。金額を聞いてから断ってもいい。誰にも怒られない。


