ラジカセ買取|「動かない」を書き分けた会社は16社中0社だった

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押し入れの奥から出てきた、取っ手の付いた四角い箱。前面にカセットの窓があって、横に大きめのスピーカーが2つ。

電源を入れてみたら、ラジオは鳴った。だがカセットは回らない。これは「動く」なのか「動かない」なのか。そこで手が止まっていないだろうか。

先に言っておく

俺はラジカセを買取に出したことがない。どの業者にも査定を頼んでいない。だからこの記事に「売ってみた結果」は一行もないし、買取相場も査定額も1件も書かない。代わりに、買取業者16社の公式ページを開いて数えた。数えて分かったことだけを書く。

俺はアキラ。元バンドマンで、楽器店で中古の買取査定をやっていた側の人間だ。店にはオーディオも持ち込まれた。ただ、オーディオマニアではない。できるのは公式ページを1枚ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだけだ。

この記事でわかること
  • 「動かない」には4つあって、4つ全部を書き分けていた会社は16社中0社だったこと
  • 動かない1台でも、出張査定で見てもらう(査定だけでもOK)
  • 「ジャンク」という言葉を使う会社と、使わない会社で受付の仕方が違うこと
  • 値が付かなかったとき、その1台がどうなるか(返送料・そのまま処分)
  • 出す前に、公式で確かめておく3つ
目次

結論|先に決めるのは業者じゃない。その「動かない」がどの動かないか、だ

業者を比べる前に、片づけておくことがある。手元の1台の「動かない」が、何を指しているのかだ。

ここを飛ばすと、調べるほど話が噛み合わなくなる。同じ一言が別のものを指しているからだ。読み終わるころには、自分の1台を電話口でどう説明すればいいかが決まっているはずだ。

  • ラジカセの「動かない」は4通りある。通電・カセット・ラジオ・音出しだ
  • その4つを全部書き分けていた会社は、16社中0社だった
  • 「ラジオが鳴るか」に触れていたのは16社中2社。ラジカセなのに、だ

この記事はこの1点を軸にしている。値段より先に、線の引かれ方を見る。地味だが、これが効く。

動かないなら動かないっしょ。なんで4つもあんの?

ラジカセは1台の中に別々の機械が同居してるんだ。ラジオが死んでもカセットは生きてる、が普通に起きる。

この記事に買取相場は載せない

理由を先に書く。「ラジカセ 買取」の検索結果を2026年9月15日に確認したところ、取得できたオーガニック9枠は9枠とも「売る側」のページだった。

そして上位の型は揃っている。ほぼ全部が相場の数字から入る。同じものをもう1枚作っても、あんたの判断材料は増えない。

検索結果の取り方について

並び順はSEOツールが2026年9月14日に取得したスナップショットに基づく。Googleの画面そのものは取得できなかった(自動アクセスの確認画面が出たため)。

日本の検索結果の並びと一致する保証はない。各ページの中身は2026年9月15日に自分で開いて確認した。

それに、このサイトでは金額の推計を書かないと決めている。裏の取れない数字を並べても、玄関に立つ査定士の判断は動かないからだ。

だから渡すのは金額じゃなく、出す先を決めるための材料にする。業者全体の見取り図が先にほしいならオーディオ買取を品目ごとに12本数えた記事を見てもらってかまわない。

数えたのは16社。どう選んで、どう数えたか

数字を出す前に、母数の作り方を書いておく。ここを書かない記事の数字は、正直あてにならない。

  • 母数は16社。「ラジカセ 買取」の検索結果に出てきた業者を軸に、オーディオ専門・総合リユース・宅配専門・出張専門の4系統から足した
  • 同じ運営会社の複数サイトは1社に寄せた。オーディオ専門サイトと総合サイトを別々に持っている会社が1社あった
  • 記載が見つからなかった会社も「記載なし」として数に入れた。除外していない
  • 見たのは買取品目ページ・よくある質問・買取できないもの・宅配買取の規約・買取実績の5種類。トップページだけで判断していない

確認日はすべて2026年9月15日だ。以降で「確認できず」と書くのは、その日に開いて語が見つからなかったという意味にすぎない。

買い取れないという意味ではないし、その会社が隠しているという意味でもない。ここは混ぜて読むと判断を誤る

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数えたもの結果(母数16社)
「動作しなくても買取・査定する」と明記11社
「動作しないものは買い取らない/送れない」と明記4社
どちらの記載も見つからなかった1社
4つの機能を全部書き分けていた0社
「ジャンク」の語を公式のどこかで使っている13社
宅配の返送料を明記(業者負担8社/利用者負担2社)10社
値が付かない品の引き取り・処分に触れている10社
出典:各社公式サイト(いずれも2026年9月15日確認)。社数は筆者が数えたもの。検算は本文中に置いた。これは検索上位に出る業者を中心に見た結果であり、業界全体の比率ではない

「動かない」には4つある|16社を開いて、4つ全部を書き分けた会社は0社だった

ここがこの記事の中心だ。ラジカセという機械は、1台の筐体の中に独立した機能が4つ同居している。電源が入るか。カセットが回るか。ラジオが受信するか。音が出るか。この4つは別々に死ぬ。だから「動きません」の一言では、査定士に何も伝わらない。

  • 通電……コンセントを挿してもランプが点かない
  • カセット……再生を押しても回らない、途中で止まる、音が伸びる
  • ラジオ……電源は入るが受信しない、ノイズしか出ない
  • 音出し……片側だけ鳴らない、音が割れる

CDプレーヤーだと、ここまで割れない。読み込むかトレイが開くかで、ほぼ話が済んでしまう。ラジカセだけが4方向に割れる

では業者はこの4つを書き分けているのか。それを16社で数えた。結果を先に置いておくが、4つ全部を書いた会社は1社もなかった

前提として|「動作しなくても買取・査定する」は16社中11社が書いていた

4つの話に入る前に、もっと手前の数字を出しておく。そもそも動かないものを受け付けると書いているのか、だ。

  • 「動作しなくても買取・査定する」と明記……11社
  • 「動作しないものは買い取らない/送れない」と明記……4社
  • どちらの記載も見つからなかった……1社
  • 検算:11+4+1=16

ここは押さえておきたい。書いているのは「買取可」であって「値が付く」ではない。混ぜると、送ったあとでがっかりする。

今回の16社で「必ず値が付きます」と書いている会社は、1社もなかった。書いてあるのは査定するところまでだ。

📌 似た数え方を別の品目でもやっている

この「動作しなくても」の数え方は、CDプレーヤー買取の回で別の16社を当てたときにもやっている(13社が明記)。母集団も品目も違うので数字は直接比べられないが、向きは似ていた。本記事はここから先、ラジカセ固有の話に入る。

もう1つ、注意を添えておく。11社のうち、その一文がラジカセに触れているページに書いてあったのは8社だった。

残る3社は、カメラや楽器やカセットデッキのページに書いていた。品目が変われば方針も変わりうるので、そこは分けて読んだほうがいい。

4つのうち、名指しされた数を数えた

ここからが本題だ。16社の公式ページを開いて、4つの機能のどれに名指しで触れているかを拾った。「通電」という語そのものでなくてもいい。「電源が入るか」と書いてあれば通電に数えた。語形ではなく、何を見ると言っているかで分けている

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名指しされていた機能社数(母数16社)
通電するか(電源が入るか)10社
音が出るか7社
カセット(テープ)が回るか6社
ラジオが受信するか2社
延べ25
出典:各社公式サイト(いずれも2026年9月15日確認)。1社が複数に触れている場合は重複して数えているため、合計は母数を超える。分類は筆者によるもので、各社の査定基準そのものではない。

次に、1社あたりいくつ書き分けていたかを数え直した。こちらは重複しないので、合計が母数と一致する。

  • 4つ全部を書き分けていた……0社
  • 3つ……3社/2つ……6社/1つ……4社
  • 1つも書き分けていなかった……3社
  • 検算:0+3+6+4+3=16/延べ 3×3+2×6+1×4=25(上の表と一致)

いちばん多かったのは通電だ。10社が「電源が入るか」に触れている。動くか動かないかの入口として、ここが共通言語になっているらしい。問題はその次だ。ラジオに触れた会社は16社中2社しかない。品名に「ラジ」が入っている機械なのに、である。

ラジカセのラジオに誰も触れないって、ちょっと不思議じゃないですか?

俺も数えて首をひねった。業者から見るとラジカセは「カセットの機械」なんだろうな。呼び名がそう言ってる。

電源とラジオは、1社の中で一度も同居しなかった

数えているうちに、もっと妙なことに気づいた。内訳を並べ直してみたら、きれいに分かれていたのだ。

  • 通電に触れた10社のうち、ラジオにも触れていた会社は0社
  • ラジオに触れた2社のうち、通電にも触れていた会社は0社
  • 3つ書き分けていた3社は、3社とも「通電・カセット・音」。落ちていたのは全部ラジオ

偶然かもしれない。母数16社は、そう言い切れるほど大きくない。だが同じ画面に両方が並んだ例が1つもなかったのは事実だ。ラジオに触れていた2社の書き方を見ると、理由が少し見える。どちらも「査定でどこを見るか」を説明する文脈だった。

ラジオ機能については、FM/AM(場合によっては短波)の受信感度を確認します。チューニングダイヤルを回した際のガリノイズの有無や、ステレオ受信のインジケーターが点灯するかどうかも重要です。

出典:オーディオ高く売れるドットコム「ラジカセ 買取」ページ(株式会社マーケットエンタープライズ運営/2026年9月15日確認)

もう1社は、査定ポイントとして4つのうち2つを1文にまとめていた。こちらも受信に名前を与えている。

再生、録音、ラジオ受信が正常に動作するか、音質が良好であるかが重要です。特にカセットデッキ部分が正常に動作するかどうかが査定に大きく影響します。

出典:LuckyMarket「ラジオ・ラジカセ、ウォークマン買取」ページ(2026年9月15日確認)

逆に、通電の側に寄せた会社はこう書く。状態を1本の線で切ってしまうので、4つのどれが生きているかは問われない

例えば、電源が入らない、音が出ない、部品が欠けている場合でも買取可能です。

出典:千代屋「昭和・平成レトロのラジカセを千代屋で売ろう」ページ(2026年9月15日確認)

これは書き方の優劣ではない。細かく書く会社は絞り、まとめる会社は幅を取る。方針が違うだけだ。

読み違えないでほしいこと

「ラジオに触れていない=ラジオが壊れていても関係ない」ではないし、「触れている=厳しい」でもない。公式に書いていないことは、電話で聞かないと分からないというだけの話だ。書き分けが細かい会社を不親切だと読むのは、完全に逆である。

記載が見つからなかった3社を、どう読むか

4つのどれにも触れていなかった会社が3社あった。ここを「雑な会社」と読むと、たぶん損をする。3社のうち1社は、故障そのものには触れていた。ただし書いてあるのは「相談してほしい」までで、買い取るとも買い取らないとも書いていない

お預かり後、無用な減額査定はいたしません。もしもご納得のいかない場合は責任を持ってご返却いたします。キズ・故障がある機械もお気軽にご相談下さい。

出典:オーディオユニオン 買取価格詳細ページ(株式会社ディスクユニオン運営/2026年9月15日確認)

条件を書き込まない会社は、店頭で現物を見る前提で組まれていることが多い。ページで完結させる気がない、という設計だ。

だからこの3社については、こう書くしかない。2026年9月15日時点の公式ページでは確認できなかった。「対応していない」ではない。

⚠️ 同じ言葉でも、指す範囲が会社で違う

そもそも「ラジカセ」と「カセットデッキ」の境目自体が揺れている。メーカー側の呼び名と業者側の呼び名が食い違う話はカセットデッキ買取の回にまとめてある。25社で「ラジカセ」を品目に立てている会社を数えた結果もそこにある。

実際、読者の側も同じところで詰まっている。Yahoo!知恵袋には、まさにこの状態の相談が上がっていた。

2015年の投稿で、テープは動かないがCDは問題なく、ラジオもその時点では鳴っていた、という趣旨のものだ(Yahoo!知恵袋・2026年9月15日確認)。

この状態を「動きません」の一言で伝えるのは、もったいないどころか不正確だ。3つのうち2つは生きてる。

個人の投稿であって買取の結果を示すものではない。ただ、機能ごとに生死が分かれるという実態は、こうした声のほうがよく表している。

公式ページが4つを書き分けていない以上、書き分けるのはこちらの仕事になる。申し込みの時点で伝えれば、当日の話が早い。

上に置いたのは、ラジカセの買取実績を公式に公開している会社だ。同社のオーディオ買取ページには、こう書いてある(2026年9月15日確認)。

どんなに古くても壊れている状態でも、お客様の大切にされてきた商品価値を最大限に見出すために専門スタッフが1点1点丁寧に査定いたします。

出典:ニーゴ・リユース オーディオ買取ページ(2026年9月15日確認)

同社の評判をまとめた記事はニーゴリユースの評判を30社の経験から検証した記事にある。判断材料が足りなければ、先にそちらを見てもらってかまわない。

「ジャンク」という言葉を使う会社と、使わない会社

次に見たのは言葉のほうだ。同じ状態の1台が、会社によって「ジャンク」と呼ばれたり呼ばれなかったりする。数えたのは呼び名のバリエーションではない。その語があるかないかで受付が変わるかだ。ここが変われば、送っていいかどうかの判断も変わる。

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「ジャンク」の語の扱い社数(母数16社)
公式のどこかで使っている13社
使っていない3社
(13社の内訳)買取品目として独立させている1社
(13社の内訳)「ジャンク品」と名指しで断っている1社
(13社の内訳)「進んでは使いません」と書いている1社
出典:各社公式サイト(いずれも2026年9月15日確認)。使用の有無は、買取ページ・よくある質問・商品名・コラムを含むサイト内での出現で判定した。内訳の3行は13社の一部であり、合計しても13にはならない。

13社が使っていた。うち1社は「使わない」と書くために使っていた

16社中13社。ほとんどの会社が、どこかでこの語を使っている。使っていなかったのは3社だけだった。ただし、使い方の温度がまるで違う。いちばん驚いたのは、使わないと宣言するために使っている会社があったことだ。

世界中にそういった趣味を持った方がいらっしゃいますので私たちは買取させていただいたあと、無駄にすることはございません。だから私たちはジャンク・ガラクタという言葉を進んでは使いません。

出典:ニーゴ・リユース 自社ブログ(2026年9月15日確認)

同じ会社の別の記事には「弊社では使わない言葉ですが、一般的には『ジャンク品』と認定されてしまうレベルです。」ともある。語を避けつつ、読者には通じるように置いてある。

逆にこの語を正面から定義していた会社もあった。買取の条件ではなく、商品の状態区分としてだ。

激しい破損やキズ、動作しないといった使用目的を果たせない状態

出典:オーディオ高く売れるドットコム「ラジカセ 買取」ページ内「商品状態の表記について」にある「ジャンク品」の定義(2026年9月15日確認)

ここが分岐点になる。語を持つ会社は、その語で受け口を作れる。持たない会社は、状態を1件ずつ説明してもらうしかない。

じゃあ「ジャンク可」って書いてあるとこに送れば一番いいってこと?

そう単純でもない。語はあるのに、その語で使える窓口が1つしかない会社があるんだ。次で出す。

「ジャンク」を品目に立てた1社は、その窓口を店頭ひとつに絞っていた

16社のうち1社だけ、「ジャンク」を買取品目そのものとして立てていた。取扱内容も明快だ。

壊れたもの/部品取り/パーツのみ ※一部、家電リサイクル対象品や年式、状態により買取できない場合があります。

出典:ハードオフ 買取品目「ジャンク」ページ(2026年9月15日確認)

ところが、同じページの買取サービス欄を見て手が止まった。4つの窓口のうち、丸が付いていたのは店頭買取だけだった。

  • 店頭買取……◯
  • オファー買取……✕/出張買取……✕/宅配買取……✕
  • 同社の宅配買取には別に「買取ができない品物」の一覧があり、そこに「動作不良品」が並ぶ

つまり同じ会社の中で、店頭と宅配が逆を向いている。店頭のオーディオページにはこう書いてあるのに、だ。

壊れていてもジャンク品として店頭にて販売しています。喜んで買取させていただきます。

出典:ハードオフ オーディオ買取ページ よくあるご質問(2026年9月15日確認)

これは矛盾ではなく、窓口ごとに基準が別建てになっているということだ。同社自身が「買取基準が異なります」と注記している。

動かないラジカセを持っているなら、ここは実務で効く。同じ会社でも、選ぶ窓口で答えが変わる

📌 この会社の受付そのものが気になる人へ

ジャンクの受付といえばこの会社の名前が挙がる。実際どう扱われるのかはハードオフ買取ひどいの正体をまとめた記事に書いた。楽器館を知らずに損した話もそこにある。

「ジャンク品」と名指しで断っていたのは1社だった

逆側も数えた。この語を使って「送らないでほしい」と書いている会社は、16社中1社だけだった。

・動作不良や電源がはいらないもの、修理品、改造品、ジャンク品

出典:ブックオフ 宅配買取「お送りいただけないもの」>「全ジャンル共通」(2026年9月15日確認)。「はいらない」の表記は原文のまま

同社の店頭買取のオーディオ機器ページには、また別の書き方がある。こちらは「ジャンク」の語を使わずに線を引いていた。【買取対象外商品】として並ぶのは「■電源が入らないもの」「■音が出ないもの」。4つのうち2つだけが名指しされている形だ。

断る会社を悪く読まないこと

「動作品のみ」と先に書くのは、送らせてから断るより親切な設計でもある。読者にとってのコストは、送った後に判明することのほうが大きい。今回そう書いていた4社は、いずれも送る前に読める場所に条件を置いていた。

もう1つ拾っておく。この語と一緒によく出てきたのが「部品取り」だ。16社中9社が、部品としての需要に触れていた。

「壊れているラジカセでも部品取り用として需要がある場合、買取可能です。」と書いている会社もある(LuckyMarket・同日確認)。動かない機械の行き先は1本ではないということだ。

上の会社は、宅配買取の受付商材一覧の「家電製品」欄にラジカセを名前で載せている。同じ欄に「コンポ」もある(2026年9月15日確認)。

ただし同じ欄の末尾に「家電製品は製造から10年以内の製品のみ買取対象となります。」という線が引かれている。古い1台なら、窓口は出張のほうが話が早い

📌 年式の線を追いかけたい人へ

年式の条件は会社ごと、さらに同じ会社でもページごとに違う。本記事では年式は数えていないので、そこは扱わない。同社の買取対象そのものはバイセルオーディオ買取の評判にまとめた。

値が付かなかったとき、その1台はどうなる

ここまでは「受け付けてもらえるか」の話だった。最後に、受け付けてもらったあとの話をする。不動品を送る人にとって、実害が出るとしたらここしかない。査定がゼロだったとき、その1台と送料がどう扱われるか、だ。

返送料の負担は、明記した10社で8対2に割れた

宅配買取を選ぶなら、まずここを見ておきたい。16社で数えるとこうなった。

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返送料の記載社数(母数16社)
業者が負担すると明記8社
利用者が負担すると明記2社
記載が見つからなかった5社
そもそも宅配買取をやっていない1社
合計16
出典:各社公式サイトの宅配買取ページ・よくある質問・利用規約(いずれも2026年9月15日確認)。「記載が見つからなかった」は同日に開いた範囲で負担者を示す記述に当たらなかったという意味であり、負担が発生しないという意味ではない。

明記していたのは10社。そのうち8社が自社負担、2社が利用者負担だった。同じ品目でも向きが逆になるということだ。利用者負担と書いている側の文は、はっきりしている。隠されてはいない。

査定結果にご納得いただけなかった場合、お品物は着払い(お客様負担)での返送となります。

出典:バイセル 宅配買取ページ(2026年9月15日確認)

もう1社は、申し込み時に選ぶコースで扱いが変わる形にしていた。返送できるコースを選ぶと自己負担になる、という書き方だ。どちらも公式に書いてある。読まずに送ると、後から知ることになるというだけの話である。

「無料」と書いた8社のうち5社に、別の場所に例外があった

ここが今回いちばん拾ってよかった部分だ。返送料が無料と書いてある8社を、もう1周してみた。すると、8社のうち5社に別の場所で例外が書かれていた。しかも例外の中身が、不動品にちょうど当たる。

  • 「無料」と書いていた……8社
  • うち、買取対象外の品を送った場合は自己負担になると別の場所に書いていた……5社
  • 例外の記載を確認できなかった……3社/検算:5+3=8

たとえば、ラジカセの買取ページに「正常に動作しないもの」は売れないと書いている会社は、同じページの下にこう添えていた。

お売りいただけないものは送料お客様負担で返送させていただくことがあります。ご了承ください。

出典:買取王子 ラジカセ買取ページ(株式会社ティーバイティー運営/2026年9月15日確認)

同社のよくある質問には「買取金額にご納得いただけない場合の返送料は無料です。」ともある。矛盾ではなく、場面が違う

金額に納得できずキャンセルする場合は無料。そもそも買取対象外の品を送った場合は自己負担。2つが別の条件として書かれている

ただし、以下の場合は返却にかかる送料をお客様ご負担とする場合があります。・買取できない品物ページの記載に該当する品物の送付があり、品物を返却する場合

出典:ハードオフ 宅配買取 よくある質問(2026年9月15日確認)

同社の「買取できない品物」には動作不良品が含まれている。つまり動かないラジカセは、この例外の側に入りうる。別の1社は、金額の側に条件を置いていた。買取額が一定以下だと1箱ぶんの送料が自己負担になると書いている(モノラル・同日確認)。

「送料無料」だけ見て送ってたら、たぶん気づかないやつですね……。

そう。だから見るのは太字の「無料」じゃなく、その下の小さい但し書きのほうだ。

念のため書いておくが、例外を置くこと自体はまったく問題ない。公表しているから、こちらが選べるのである。

箱に詰めて送るときの条件そのものは宅配買取のサイズ上限を18社で数えた記事にまとめてある。ラジカセ1台なら寸法では引っかかりにくい

そのまま処分できると書いていたのは10社。費用に触れたのは2社

返してもらわない、という選択肢もある。値が付かなかった1台を、そのまま引き取ってもらう形だ。

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値が付かない品の扱い社数(母数16社)
引き取り・処分できると明記10社
記載が見つからなかった6社
(10社の内訳)費用がかかる場合があると書いている2社
(10社の内訳)品物によっては断ると書いている4社
合計16
出典:各社公式サイトのよくある質問・宅配買取ページ・利用規約(いずれも2026年9月15日確認)。内訳の2行は10社の一部であり、合計しても10にはならない。

10社が引き取りに触れていた。ただし無条件ではなく、同意のチェックが要ると書いている会社もある。

はい。お引き取り可能です。※買取申込書において『処分に同意する』へのチェックが必要です。ただし、商材によりお引き取りできない場合がございますので予めご了承ください。

出典:バイセル 宅配買取ページ 設問「買取額がつかなかった場合、品物は引き取ってもらえますか。」(2026年9月15日確認)

費用に触れていたのは2社だけだった。うち1社は、出張で来てもらって処分だけを頼む場合の話として書いている。

A.お品物によりますが、作業費をいただく可能性が高いです。また、一般家庭の廃棄物を処分する資格は有していないため、「次の方に使ってもらえるお品物のみ」のお引取となります。

出典:出張買取のアシスト よくある質問(株式会社アシスト運営/2026年9月15日確認)。設問は「Q.無料引取や処分でいいので、家に来てほしいです」

もう1社は宅配の側で、処分目的と判断した場合は有料で返送すると書いていた。買取の窓口であって処分の窓口ではない、という線引きだ。

ここは筋が通っている。買取は処分サービスではない。売れる見込みを前提に組まれた仕組みだと考えたほうがいい。

🔴 申し込む前に、ここだけは開く

宅配を選ぶなら、申込フォームに「買取不可品をどうするか」を選ぶ欄があるかどうかを見ておく。返送を選ぶと自己負担、処分を選ぶと同意のチェックが要る、という設計になっている会社が複数あった。送ってから読む項目ではない。

ラジカセ固有の劣化|押し入れの中で進むのは4つだ

ここは短く済ませる。ラジカセが押し入れで劣化するとき、進み方はだいたい決まっている。そしてその多くは使わなくても進む。動かしていないから大丈夫、にはならないのがこの品目だ。

  • ゴムベルトの伸び・切れ……カセットが回らない原因の代表格
  • 電池の液漏れ……入れっぱなしの乾電池から端子が腐食する
  • スピーカーエッジの劣化……ウレタン製は経年で崩れる
  • 日焼けによる変色……直射日光の当たる場所に置いていた場合

ラジカセのページでこれらを名指ししていたのは、16社中2社だった

この4つを業者が名指ししているかも、ついでに数えた。ラジカセに触れているページに限ると、2社だけだった。

経年劣化によりゴムベルトが切れている場合や、ピンチローラーの劣化、ヘッドの汚れによる音揺れがないかも確認します。

出典:オーディオ高く売れるドットコム「ラジカセ 買取」ページ(2026年9月15日確認)

同じページには「電池ボックス内の液漏れ跡などを確認します。」ともある。4つのうち2つが名指しされている。もう1社は、電池のほうに絞っていた。査定に響く場所として、はっきり書いている。

外部のキズや汚れはもちろん、ラジカセは電池を入れる部分の錆びなども査定に大きく響きます。

出典:買取王子 ラジカセ買取ページ(2026年9月15日確認)。同ページの「お売りいただけないもの」には「電池室にひどい汚れがあるもの」も並ぶ

残る14社は、ラジカセのページでこの4つに触れていなかった。状態の説明はこちらから出すしかないということになる。

電池の話は、読者の側からもよく出てくる。何年も使っていなかったCDラジカセの電池室を開けたら茶色い粉がこびり付いていた、という相談が知恵袋に上がっていた(2016年の投稿・同日確認)。

⚠️ 直そうとしないこと

ここに修理の手順は書かない。このサイトは買取のサイトであって修理のサイトではないからだ。分解して戻せなくなった1台は、査定の場でむしろ扱いにくくなる。液漏れの跡も、無理にこすらず現状のまま見てもらったほうが早い。

家に呼ぶなら|政令の具体例に「ラジカセ」は一度も出てこない

出張で来てもらうなら、制度の話を短く挟んでおく。自宅に業者を呼んで売る取引には、専用のルールがある。ただし品目によっては、そのルールごと外れる。外れる物品の一覧は公開されていて、消費者庁が具体例まで出している。

📌 制度そのものは別記事に譲る

具体例の一覧を項目ごとに数えた回はミニコンポ買取の記事にある。当日の断り方やトラブルになった業者名の調べ方は訪問買取トラブルの業者名はどこで調べるかの記事のほうだ。ここではラジカセに効く部分だけ書く。

その具体例のPDFを開いて、語を探した。「ラジカセ」も「ラジオ」も1件も出てこない消費者庁「特定商取引に関する法律施行令第34条で規定する物品の具体例」・2026年9月15日確認)。

音の出る機械として名前があるのは「ステレオ」だけだ。条文のほうもe-Gov法令検索で6行しかない線を引いているのは括弧書きのほうである。

二 家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く。)

出典:特定商取引に関する法律施行令 第三十四条(e-Gov法令検索・2026年9月15日確認)

ラジカセは取っ手が付いている。片手で持てるものも多い。この括弧の内側か外側かは、現物を見ないと決まらない。だから俺には断定できない。

もう1点。国民生活センターのFAQは、以前のURLからページごと移転していた。現行版はこう書いている(更新日 2026年7月29日)。

特定商取引法の訪問購入に該当する場合には、特定商取引法の定める書面の受領日を1日目として、8日以内ならクーリング・オフできます。

出典:国民生活センター 消費者トラブル解決ナビ(2026年9月15日確認)

契約した日でも、品物を渡した日でもない。書面を受け取った日が1日目だ。そして使えるのは出張買取のときだけで、持ち込みと宅配は定義から外れる。

古い記事が貼っているリンクは、この移転で切れている可能性がある。制度の話は出どころを自分で開いて確かめるのが早い。

出す前に確認する3つ

ここまでの3つの章が、そのまま確認する3つになる。順番にも意味がある。どれも5分で終わる。やっておくと最初の1往復で話が済むので、こちらにとっても楽だ。

STEP
4つのうちどれが生きているかを言えるようにする

通電・カセット・ラジオ・音出しを1つずつ試す。「動きません」ではなく「ラジオは鳴るがカセットが回らない」と言える状態にしておく。公式が書き分けていないぶん、ここはこちらが埋める。

STEP
出す先のサイト内を「ジャンク」で検索する

語があるかないかで受け口の作り方が変わる。語がある会社は、どの窓口で使えるのかまで見る。店頭だけ丸で、宅配は✕という会社が実際にあった。

STEP
値が付かなかったときの扱いを、申込画面で確認する

返送料を誰が払うか、そのまま処分を選べるか。「無料」の但し書きまで読む。8社中5社は、例外を別のページに置いていた。

そのうえで、出す先は2社以上にしたほうがいい。1社で断られても、それが全部の答えではないからだ。断るのは普通のことでもある。悪質な業者の見分け方が気になるならオーディオ買取が悪質と言われる理由をまとめた記事を先に読んでおくといい。

スクロールできます
「ラジカセ」の名前がどこにあったか社数(母数16社)
買取品目に立っている6社
買取実績・事例にある4社
両方にある3社
どちらにも見つからなかった3社
合計16
出典:各社公式サイトの買取品目ページ・買取実績(いずれも2026年9月15日確認)。「見つからなかった」は同日に開いた範囲で語が確認できなかったという意味であり、買取の可否を示すものではない

ラジカセ買取でよくある質問

調べているあいだに繰り返し出てきた疑問をまとめる。公式の記載に当たった範囲でしか答えない。確認できなかったものは、確認できなかったと書く。それを「できない」に書き換えることはしない。

ラジオは鳴るのにカセットが回りません。これは「動かない」に入りますか

会社によって扱いが分かれます。今回16社を開いた範囲で、通電・カセット・ラジオ・音出しの4つを全部書き分けていた会社は0社でした(2026年9月15日確認)。

ラジオが受信するかに名指しで触れていたのは16社中2社だけです。つまり公式ページを読んでも判定できないことが多いので、申し込みの時点で「ラジオは鳴るがカセットが回らない」と伝えてしまうのが早いです。

電源そのものが入りません。それでも見てもらえますか

会社によります。「動作しなくても買取・査定する」と明記していたのは16社中11社、「動作しないものは買い取らない/送れない」と明記していたのは4社でした(同日確認)。

ただし11社が書いているのは査定する・相談してほしい・引き取ったというところまでです。「必ず値が付く」と書いている会社は、今回の16社には1社もありませんでした。

買取品目の一覧に「ラジカセ」が見当たりません。扱っていないということですか

そうとは限りません。品目の一覧になくても、買取実績や事例のページに載っている会社が4社ありました。品目と実績の両方にあったのが3社、どちらにも見つからなかったのが3社です(同日確認)。

実績のページまで見ると答えが変わることがあります。「一覧にない=買い取らない」と読まないほうがいいです。

「ジャンク」と書いていない会社に、壊れた1台を送ってもいいですか

語がないことと、受け付けないことは別です。16社のうち3社はこの語を使っていませんでしたが、そのうち2社は「部品取り用として需要がある場合、買取可能です」といった書き方で不動品に触れていました(同日確認)。

逆に、語を使っている13社のうち1社は「ジャンク品」を名指しで送付不可に挙げています。語の有無より、その会社がどの窓口で何を受けるかを見てください

電源コードが見つからず、動作確認ができません

そのまま伝えてください。ある会社は買取実績のページで「対応電源ケーブルがないため動作確認のできないお品でしたが、お引取いたしました。」と書いています(同日確認)。

一方で同じ会社のよくある質問には「※電源が専用のACアダプター等で動作チェックに必要なものが無い場合はお受けできない事があります。」ともあります。同じサイトの中で条件が分かれているので、申し込み前にひとこと確認しておくと確実です。

値が付かなかったら、返送料はどうなりますか

会社で逆を向きます。16社のうち、業者が負担すると明記していたのが8社、利用者が負担すると明記していたのが2社、記載が見つからなかったのが5社、宅配買取そのものがないのが1社でした(同日確認)。

注意が要るのは「無料」と書いていた8社のほうです。そのうち5社は、買取対象外の品を送った場合は自己負担になると別の場所に書いていました

引き取ってもらうのに、お金はかかりますか

多くは無料と書かれていますが、例外もあります。引き取り・処分できると明記していたのは16社中10社で、そのうち費用がかかる場合があると書いていたのは2社でした(同日確認)。

「無料引取や処分でいいので、家に来てほしい」という設問に「作業費をいただく可能性が高いです」と答えている会社があります。買取と処分は別のサービスだと考えておくほうが安全です。

出張と宅配、どちらで出すほうがいいですか

動かない1台なら、触ってもらえる窓口のほうが情報量は多いです。4つのうちどれが生きているかは、送った先の人にしか確かめられないからです。

加えて、宅配には年式の条件が付いていることがあります。ある会社の宅配買取の受付商材一覧には「家電製品は製造から10年以内の製品のみ買取対象となります。」と明記されていました(同日確認)。窓口が変われば条件も変わります

メディアそのものを一緒に出したい場合は、条件がまた別になる。テープを買う会社と機械を買う会社は必ずしも同じではない。その分かれ方はオープンリールデッキ買取を公式20社で数えた記事にまとめてある。デッキ16社に対してテープは9社だった。

まとめ|「動きません」と言う前に、4つのうちどれかを決めておく

長くなったので、数えた結果だけ並べ直しておく。断りのないものは2026年9月15日に確認した。

  • ラジカセの「動かない」は4通りある。4つ全部を書き分けていた会社は16社中0社
  • 通電に触れたのは10社、音出し7社、カセット6社、ラジオは2社。延べ25
  • 通電に触れた10社とラジオに触れた2社は、1社も重ならなかった
  • 「動作しなくても買取・査定する」は11社。ただし「値が付く」と書いた会社は0社
  • 「ジャンク」の語は13社が使用。品目に立てた1社は、その窓口が店頭ひとつだけ
  • 返送料は業者負担8社・利用者負担2社。「無料」の8社のうち5社に例外があった
  • 引き取り・処分に触れたのは10社。費用がかかると書いたのは2社

この品目でいちばん効くのは、自分の1台の状態を言葉にしておくことだった。業者を比べるのはその後でいい。

俺は祖父の遺品のビンテージ真空管アンプを「古くて値段つきません」と言われて、タダ同然で渡したことがある。あのとき足りなかったのは相場の知識ではない。

あの機械がどういう状態なのかを、俺自身が一言も説明できなかったんだ。言えることが何もなかった。

だから今回は、値段の話を1行も書かなかった。代わりに説明の材料だけを16社ぶん並べた。ここから先は、あんたの1台の話になる。

通電するか。カセットが回るか。ラジオが受信するか。音が出るか。4つのうちどれかを1つ決めて、2社に同じ言葉で伝える。それだけで十分だ。

上の会社は、買取品目の一覧にラジカセの語はないが、買取実績とお客様の声には実物が並んでいる(2026年9月15日確認)。実績まで見ると答えが変わる、の実例でもある。

📌 もう1社の候補が必要なら

オーディオ専門の会社の評判をまとめたオーディオの買取屋さんを元楽器店員が分析した記事も置いておく。同社もラジカセの買取情報を公開している会社のひとつだ。

あの真空管アンプは、もう戻ってこない。あんたのラジカセは、まだ押し入れにある。俺の屍を越えてくれ。

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