ヤマハの店に持っていけば買い取ってくれる。そう思って車に楽器を積んだ人は、たぶん少なくない。
俺は元楽器店のスタッフで、査定する側にいた人間だ。先に立場を書いておく。ヤマハに査定を出したことはない。やったのは、公式ページを開いて数えることだけだ。
- 買取価格の一覧表に載っている品番は407
- 店頭で買い取っている店は17店。直営の楽器店24店のうち7店はやっていない
- 楽器を手放す窓口は、会社が2つに分かれている
数えてみて分かったのは、ヤマハは条件を全部先に公開しているということだった。だから、行く前に自分で判定できる。逆に言えば、条件に合わない楽器は運んでも受けてもらえない。往復が丸ごと無駄になる。それを防ぐための記事だ。
- ヤマハの買取窓口が2社に分かれていて、電話番号も条件も違うこと
- メーカーを問わず楽器専門の査定士に見てもらう(査定だけでもOK)
- 店頭買取「音バトン」が買うもの・買わないものの線引き
- 17店の定休日が6通りに分かれていること
- 電子ピアノとエレクトーンが、どちらの窓口でも対象外だと書かれていること
ヤマハは買い取る。ただし窓口が2社に分かれている
最初に結論を置く。ヤマハは楽器を買い取っている。「やっていない」という話ではない。ただし、窓口が品目ごとに分かれている。しかも運営している法人が違う。ここを知らずに電話すると、正しい相手に届かない。
| 窓口 | 運営する法人 | 買い取るもの | 方法 |
| 音バトン | 株式会社ヤマハミュージックジャパン | ヤマハ製の管楽器・ギター・ベース | 店頭のみ |
| ピアノ買取 | ヤマハピアノサービス株式会社 | ヤマハ製のアップライト・グランド | 引取(全国) |
| アビテックス買取 | 株式会社ヤマハミュージックジャパン | 防音室アビテックス | 店ごとのエリア内 |
| ピアノ買取保証ご購入プラン | 買取を行うのはヤマハピアノサービス | 購入後5年以内のアコースティックピアノ | 購入した店へ依頼 |
4つある。全部「ヤマハ」だが、同じ窓口ではない。電話をかける先も、休みの日も、お金が振り込まれるタイミングも違っていた。順に見ていく。
店頭買取「音バトン」——管楽器・ギター・ベース
ヤマハの楽器買取サービスの名前は「音バトン」という。運営は株式会社ヤマハミュージックジャパンのレンタル・リース課だ。
ページの下に古物商許可番号が出ている。東京都公安委員会許可第301101307814号。会社の「古物営業法に基づく表示」と同じ番号だった。
- 運営:株式会社ヤマハミュージックジャパン レンタル・リース課
- 古物商許可:東京都公安委員会許可第301101307814号
- 問い合わせ:0120-381-808(9:00〜12:00/13:00〜17:30・土日祝を除く)
- 利用開始:2022年11月16日(グッドデザイン賞の登録情報より)
ちなみにこのサービス、2023年度のグッドデザイン賞を受賞している。受賞番号は23G171313、受賞対象名は「楽器買取サービス/音バトン(楽器の未来プロジェクト)」だ。
受賞ページには当時の設置場所が11地域と書かれている。それが今は15都道府県まで増えた。数字は後で出す。
ピアノは別会社。ヤマハピアノサービス株式会社が買う
ここが一番の落とし穴だ。ピアノを買い取るのは音バトンではない。ヤマハピアノサービス株式会社という別の会社が担当している。ヤマハ株式会社の100%出資で、設立は1988年1月。本社は静岡県浜松市中央区中沢町10-1にある。
- ヤマハミュージックジャパン:東京都公安委員会 第301101307814号(1件)
- ヤマハピアノサービス:神奈川県 第452520400016号(横浜センター)
- 同:静岡県 第491220073401号(掛川センター)
- 同:大阪府 第622036302634号(大阪センター)=3件
許可を出している公安委員会が違う。番号が違えば、法人が違う。これは「ヤマハに電話した」で片づかない話だという証拠になる。買取の電話番号も別だ。0120-192-808で、受付は月曜から金曜の10:00〜16:00。土日祝は動いていない。

え、ヤマハって1個の会社じゃないの? 店に行けば全部やってくれるんじゃないの?



店に行って聞くこと自体は間違ってない。ただ、ピアノの話は店じゃなく浜松の会社が受ける。番号を先に控えておけ。
防音室アビテックスにも買取の窓口がある
3つめは楽器ですらない。防音室のアビテックスだ。「ご不要になったアビテックス、当店にお売りください」というページが、店ごとに立っている。店ごと、というのがポイントで、条件が店によってバラバラだった。これは後半でまとめて扱う。
管楽器の「買取保証ご購入プラン」は2024年9月30日で終わっている
ここは注意がいる。ネットで「ヤマハ 買取保証」と調べると、購入とセットのプランの話が出てくる。管楽器のほうは、もう新規の受付が終わっている。公式にこう書いてあった。
2024年9月30日をもって「ヤマハ管楽器 買取保証ご購入プラン」サービスは終了いたしました。2024年10月1日からは、ヤマハの楽器買取サービス「音バトン」のご利用をお願い申し上げます。
出典:ヤマハミュージック直営店・教室「ヤマハ管楽器 買取保証ご購入プラン」(2026年9月7日確認)
すでに入っている人は、保証期間が終わるまで使える。期間は「購入日より1年経過後3年間」と書かれている。
終わったのは管楽器のプランだけだ。ピアノの買取保証プランは今も動いている。2026年5月以降の契約に対応した買取金額一覧まで用意されている。
うちの名古屋の記事と福島の記事では、2026年8月時点の店頭案内として買取保証プランに触れている。今の主役は音バトンだと読み替えてほしい。
ついでに会社の話も片づけておく。「ヤマハミュージック」は店舗の名前で、運営法人は株式会社ヤマハミュージックジャパンだ。
- 2024年4月1日、子会社の株式会社ヤマハミュージックリテイリングを吸収合併した(登記は令和6年4月11日)
- 2024年8月1日、本社を東京都港区から神奈川県横浜市西区へ移した(登記は令和6年8月2日)
- 法人番号は9010001059563
会社が発表した日付と、登記された日付が数日ずれている。これは普通のことで、おかしな話ではない。効力が発生してから登記されるからだ。
音バトンで売れる楽器と、売れない楽器
ここが記事の中心だ。店に行く前に、自分の楽器が対象かどうかを確定させておきたい。音バトンの線引きは、ありがたいことに全部あらかじめ書いてある。読めば判定できる。読まないと運んでから知ることになる。
買い取るのは「ヤマハ製の」管楽器・ギター・ベースだけ
まず最初の壁がこれだ。よくある質問の2番目に、はっきり書いてある。並んでいる回答のなかでいちばん短く、そのぶん逃げ道がない。
Q ヤマハ以外の楽器、管楽器・ギター・ベース以外の楽器は買取できますか?
A ヤマハ製の管楽器・ギター・ベースに限らせていただいております。
出典:音レント「ヤマハの楽器買取サービス 音バトン」よくあるご質問(2026年9月7日確認)
他社製は対象外だ。セルマーのサックスも、フェンダーのギターも受けていない。冷たい話ではなく仕組みの話で、買い取った楽器はヤマハが整備してレンタルに回す。自社製品だから直せる、という設計だ。
品番は407。値札のほうが先に決まっている
音バトンには「買取対象楽器・品番別買取価格一覧表」というページがある。2024年9月2日改訂とある表だ。全部数えた。掲載されていた品番は407品番だった。
| 区分 | 品番数 | 内訳 |
| 金管楽器 | 90 | トランペット34/コルネット8/フリューゲルホルン5/トロンボーン16/ホルン11/ユーフォニアム6/チューバ10 |
| 木管楽器 | 95 | ピッコロ8/フルート34/B♭クラリネット19/ソプラノ6/アルト7/テナー6/バリトン5/オーボエ8/ファゴット2 |
| ギター | 192 | アコースティック118/クラシック34/エレキ30/サイレント10 |
| ベース | 30 | エレキベース30 |
| 合計 | 407 | 90+95+192+30=407 |
意外だったのは、ギターが192で最多だったことだ。管楽器は金管と木管を足しても185で、ギターより少ない。金額の幅も見た。表に載っている買取価格は、下は4,000円、上は200,000円だった。
グッドデザイン賞の受賞ページには、この賞の「価格」欄として4,000円〜200,000円と登録されている。自分で数えた上下限と、ぴたりと一致した。
出典:グッドデザイン賞 受賞ギャラリー「楽器買取サービス」受賞番号23G171313(2026年9月7日確認)
ここからが大事なところだ。この表は参考価格ではない。目安として置いてある数字ではなく、そのまま提示される金額だ。公式のよくある質問には、こう書いてある。
Q 買取価格は事前に分かりますか?
A 買取価格一覧表をご確認ください。お値段がつかなかった場合をのぞき、掲載金額でのご案内となります。
出典:同上(2026年9月7日確認)
つまり値札のほうが先に決まっている。査定で上がることもないし、磨いていっても変わらない。交渉の余地がないぶん、行く前に金額が読める。



状態をよくしても金額が上がらないんですか? じゃあ手入れする意味は…



上げるためじゃない。落とさないためだ。状態が悪いと「買取そのものができない」側に落ちる。そこが分かれ目になる。
管楽器だけにある「製造年2000年以降」の条件
一覧表をよく見ると、品番の横に※印が付いているものがある。注記はこうだ。「製造年2000年以降のみ買取対象」。これも数えた。※印が付いていたのは64品番。全部が管楽器だった。
- 金管:トランペット8/コルネット2/トロンボーン6/ホルン5/ユーフォニアム5/チューバ8=34
- 木管:ピッコロ6/フルート4/クラリネット7/サックス各種9/オーボエ2/ファゴット2=30
- 管楽器185品番のうち64品番=34.6%(64÷185)
- 🔴 ギター192・ベース30には※印がひとつもない
管楽器の3本に1本には年式の壁があって、ギターとベースにはない。同じ表の中で扱いが違う。吹奏楽部時代の楽器は、ここに引っかかる可能性がある。品番の横の※を先に見ておくほうがいい。
音が出ない楽器は、ここでは買い取ってもらえない
そしてこれが、たぶん一番多くの人が引っかかる条件だ。買取対象のすぐ下に、注記として置かれている。本文ではなく※印の一行なので、読み飛ばしやすい位置にある。
※演奏に支障がある状態の楽器については買取ができません。あらかじめご了承ください。(音が出ない、修理が必要なキズへこみ、ステッカーやシールが貼られている等)
出典:音レント「ヤマハの楽器買取サービス 音バトン」買取対象楽器・品番(2026年9月7日確認)
音が出ない。へこんでいる。ここまでは分かる。問題は最後だ。ステッカーが貼ってあるだけで対象外になりうる。名前のシール、部活のロゴ、番号のテープ。中高の楽器には、たいてい何か貼ってある。
Q 値段がつかない場合、引き取りはできますか?
A お値段がつかない楽器の引き取りは行っておりません。あらかじめご了承ください。
出典:同ページのよくあるご質問(2026年9月7日確認)
つまり持って帰ることになる。処分もしてもらえない。ここを知らずに行くと、行きと帰りで同じ重さを運ぶことになる。
ケースについてはQ6で、ケースが無くても買取できると回答している。純正のケースでなくても構わないそうだ。
ケースを捨ててしまった人は、そこは気にしなくていい。管楽器買取のまとめ記事でも触れたが、ケースの有無で全部が決まるわけではない。
ここまでで、条件に合わなかった人がかなり出たはずだ。他社製の楽器を持っている人、音が出ない楽器を持っている人。
その人たちが行き止まりになるわけじゃない。メーカーを問わず見る業者は普通にある。楽器の買取屋さんは公式にこう書いている。「他店舗様でとうていお値段をつけられないようなお品物でもしっかりと査定いたします」(2026年9月7日確認)
持ち込めるのは17店。直営24店のうち7店はやっていない
品目の条件をクリアしても、次に店の壁がある。音バトンは店頭買取だけなので、店まで行かないと始まらない。そしてヤマハの店なら全部やっている、わけではなかった。ここを数えたのが、この章だ。
実施しているのは17店だけだった
音バトンのページには「サービス実施店舗・来店予約」という一覧がある。北海道・東北から中四国・九州まで5つの地方に分かれていて、並んでいる店を全部数えたら17店だった。
| 店 | 定休日 | 営業時間 | 買取対象 |
| 秋田店 | 火・水 | 11:00-18:00 | 管楽器のみ |
| 札幌店 | 火(祝日は営業) | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
| 函館店 | 火・水 | 11:00-18:00 | 管・ギター・ベース |
| 仙台店 | 火 | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
| 郡山店 | 火・水 | 平日土11:00-18:00/日10:00-17:00 | 管楽器のみ |
| ミュージックスクエアつくば | 不定休 | 10:00-21:00 | 管・ギター・ベース |
| ヤマハ銀座店 | 火(祝日は営業) | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
| 池袋店 | 水(祝日は営業) | 11:00-18:30 | 管楽器のみ |
| 横浜みなとみらい | 火(祝日は営業) | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
| 新潟店 | 水(祝日は営業) | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
| 名古屋店 | 火(祝日は営業) | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
| 大阪なんば店 | 火(祝日は営業) | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
| 神戸店 | 水 | 11:00-18:00 | 管・ギター・ベース |
| 松山店 | 火・水 | 10:30-18:00 | 管・ギター・ベース |
| 福岡店 | 火(祝日は営業) | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
| 岡山店 | 水 | 11:00-18:00 | 管・ギター・ベース |
| 広島店 | 火 | 11:00-18:30 | 管・ギター・ベース |
次に、直営店の一覧のほうを数えた。掲載されていたのは26件。うち2件は中古ピアノの専門ショップだった。つまり楽器店は24店。そこから音バトンの17を引くと、7店は買取をやっていないことになる。
| 音バトンの実施店に入っていない7店 | 定休日 | 営業時間 |
| 浜松店(静岡県浜松市中央区鍛冶町) | 水 | 11:00-18:00 |
| 高松店(香川県高松市丸亀町) | 水 | 11:00-18:00 |
| 旭川店 | 火・水 | 11:00-18:00 |
| ミュージックスクエア高崎 | 火・水 | 10:00-17:30 |
| 宇都宮店 | 火・水 | 10:00-17:30 |
| 水戸店 | 火・水 | 10:30-18:00 |
| 堺店 | 火・水 | 11:00-18:00 |
この表を作っていて、手が止まった。浜松店が入っていない。ヤマハが生まれた街の店だ。もちろん理由は分からないし、推測で書くつもりもない。ただ、事実として実施店の一覧に載っていない。
うちの香川の記事で、高松店の住所にある「丸亀町」は高松市の商店街であって丸亀市ではない、という話を書いた。住所は今も同じだ。
ただし高松店は音バトンの実施店ではない。楽器を売る目的でこの住所を目指すと、丸亀市に行くより手前で用事が終わる。
定休日は6通り。「祝日は営業」の注記があったりなかったりする
17店を定休日で並べ直した。バラバラなのは想像がついたが、想像より細かく割れていた。同じ会社の直営店なのに、休みの取り方がそろっていない。
| 定休日の書かれ方 | 店数 | 店 |
| 火曜・水曜 | 4 | 秋田・函館・郡山・松山 |
| 火曜(祝日の場合は営業) | 6 | 札幌・銀座・横浜みなとみらい・名古屋・大阪なんば・福岡 |
| 火曜(祝日の注記なし) | 2 | 仙台・広島 |
| 水曜(祝日の場合は営業) | 2 | 池袋・新潟 |
| 水曜(祝日の注記なし) | 2 | 神戸・岡山 |
| 不定休 | 1 | ミュージックスクエアつくば |
4+6+2+2+2+1で17。合っている。6通りに分かれた。面白いのは、同じ「火曜定休」でも書き方が2種類あることだ。「祝日の場合は営業」が付く店と、付かない店がある。
仙台・広島・神戸・岡山の4店には「祝日の場合は営業」の注記がない。だからといって祝日に休むとは限らない。書いていないだけかもしれない。
公式に書いていないことを「そうなっている」と読むのは危ない。祝日に行くなら電話で聞く。それだけの話だ。
うちの福島の記事でも、郡山店を「火曜と水曜」のグループに入れていた。あの分類は今も合っている。
営業時間もそろっていない。11:00-18:30が10店で最多、11:00-18:00が4店。松山は10:30開店、つくばは10:00-21:00だ。
管楽器しか買わない店が3つある
もうひとつ、見落としやすい線がある。17店のうち3店は、買取対象が「管楽器」だけになっている。
- 秋田店・郡山店・池袋店…… 買取対象は管楽器のみ
- 残り14店 …… 管楽器+ギター・ベース
- 3+14=17
池袋にギターを持っていっても、そこでは受けていない。同じ東京でも、銀座なら受けている。山手線で数駅の差だ。だが調べずに行けば、その数駅がまるごと無駄になる。
買取窓口があるのは15都道府県。32県にはない
17店を都道府県で数え直すと、15になる。北海道に札幌と函館、東京に銀座と池袋があるので、店の数より2つ少なくなる計算だ。
- 北海道・秋田・宮城・福島・茨城・東京・神奈川・新潟・愛知・大阪・兵庫・岡山・広島・愛媛・福岡=15
- 47-15=32。32県には持ち込める店がない
- グッドデザイン賞の受賞当時(2023年度)の設置場所は11地域。4つ増えている
増えてはいる。それでも3分の2の県には窓口がない。しかも音バトンは店頭のみで、出張も宅配もない。
Q 宅配買取・出張買取はできますか?
A 店頭買取のみとさせていただいております。
出典:音レント「ヤマハの楽器買取サービス 音バトン」よくあるご質問(2026年9月7日確認)
- 出張買取 …… なし
- 宅配買取 …… なし
- 店頭買取 …… 17店のみ
県内に店がない人は、この時点で選択肢から外れる。県境を越えて楽器を運ぶかどうか、という話になってしまう。
そういう人の受け皿として、家まで来る業者を1社置いておく。管弦屋は管楽器・弦楽器を強化買取している専門店で、買取方法は出張と宅配の2つだ。店頭買取はやっていないので、そこは音バトンと逆になる。
同じヤマハなのに、「音が出ない」の扱いが正反対だった
ここが、調べていて一番おどろいた部分だ。音バトンとピアノ側の条件を並べると、まったく逆を向いている。どちらが正しいという話ではない。売り方が違うから、条件も逆になる。その理屈を書く。
| 楽器の状態 | 音バトン(管・ギター・ベース) | ヤマハピアノサービス(ピアノ) |
| 音が出ない | 買取できない | 査定への影響なし |
| 手入れをしていない | — | 調律していなくても影響なし |
| 埃・汚れ | — | 多少なら影響なし |
| 一部が欠けている | 修理が必要なキズ・へこみは不可 | 買取可能 |
| シール・ステッカー | 貼られていると不可 | 記載なし |
| ペットが汚した | — | 運送費の一部負担になる場合あり |
| 地震で倒れた | — | 引取費用の負担になる場合あり |
| 水に濡れた・火事にあった | — | 引取できない場合あり |
(出典:音レント「音バトン」/ヤマハピアノサービス「ピアノQ&A」。いずれも2026年9月7日確認)
ピアノ側は「音が鳴らなくても査定に影響しない」と書いている
ヤマハピアノサービスのQ&Aを読んでいて、二度見した一文がある。音バトンの「音が出ない楽器は買取できません」を読んだ直後だと、なおさら引っかかる。
音が鳴らない部分があっても、査定への影響はございません。問題なく買取致しますのでお気軽にお問合せくださいませ。
出典:ヤマハピアノサービス「ピアノQ&A」(2026年9月7日確認)
調律についても「何年もしていなくても、特に問題なく買取致します」とある。埃や汚れも影響しないそうだ。片方は音が出ないと門前払いで、もう片方は鳴らなくても構わない。同じ会社名の下で、逆のことが起きている。
なぜ逆になるのか——出口が違うから
買取をやっていた側から言うと、答えは単純だ。買った物をどこに出すかが違う。ピアノは、買い取ったあとに再生される。ヤマハピアノサービスのQ&Aには、行き先まで書いてある。
弊社で買取させて頂いたピアノについては、弊社にて再生・調整し、全国のヤマハリニューアル特約店、ヤマハミュージック各店にて、適正価格にて販売をさせていただいております
出典:ヤマハピアノサービス「ピアノQ&A」(2026年9月7日確認)
直す前提だから、鳴らない鍵盤があっても構わない。直したあとの姿に値段が付いている。壊れているかどうかではなく、直せるかどうかで線が引かれている。
ヤマハミュージックの中古ピアノのページには、2026年9月7日時点で97件が掲載されていた。ヤマハピアノサービスが再生した「ヤマハリニューアルピアノ」だ。
直営の店舗一覧26件のうち、取扱い商品に中古ピアノがあるのは24件。記載がなかったのはヤマハ銀座店と横浜みなとみらいの2件だけだった。
管楽器とギターのほうは、出口が違う。買い取ったあとレンタルに回る設計で、直してから出す前提にはなっていない。だから「そのまま演奏できる状態」が条件になる。品番別の固定額で買えるのも、直すコストを見込まなくていいからだ。



買取額って、その店がいくらで売れるかで決まるんですね



そう。売値が読めない物は買値も上げられない。逆に、直して売る道があるなら、壊れていても値段が付く。
ピアノ側は現物を見ないで査定する
もうひとつ、ピアノ側には変わった仕組みがある。査定に人が来ない。品番と製造番号、それにピアノを置いている階数。この3つを伝えるだけで金額が決まる。
弊社では品番(モデル)、製造番号、ピアノの設置階数等から、お電話かメールにて査定致します。ご申告の内容にお間違いがございませんでしたら、お引取りの際に現物を見てお値段が変わることもございませんので、ご安心ください。
出典:ヤマハピアノサービス「ピアノQ&A」(2026年9月7日確認)
買取ページには「3つの安心」として、査定金額100%保証・運搬費用込み・買受契約書の3つが並んでいる。有効期限は1か月と書かれていた。
- 対象はアップライトとグランド。「30年以上前のピアノでもご相談ください」
- 🔴 ヤマハ製のみ。「他社製ピアノはお引き受けできません」
- 買取可能ピアノ一覧は7シリーズ(アップライトU・W・Y・b-T/グランドC・G・No,A-Z)
- 対応地域は47都道府県+離島。ただし北海道・沖縄・一部離島は運送費用が割高になると明記
- 支払いは引取後1週間〜10日で銀行振込
- ⚠️「品番によってはマイナス査定になる場合もございます」とも書かれている
品番と製造番号が分からないと受けられない。Q&Aに「不明ですとご対応できかねます」とある。まず天屋根を開けて番号を控えるのが最初の一歩になる。
金額そのものの話は、うちのヤマハピアノの買取相場を型番別に並べた記事に譲る。複数社を並べたいならピアノ買取のまとめのほうが早い。
電子ピアノとエレクトーンは、どちらの窓口でも対象外だった
この章は短い。だが、この記事でいちばん多くの人に関係する。ヤマハの2つの買取窓口は、どちらも電子ピアノとエレクトーンを引き取らない。しかも、そう書いてある。
公式が複数の場所で「引き取らない」と書いている
ヤマハピアノサービスの買取ページには、電話番号のすぐ横に注記がある。査定フォームのボタンに添えられていて、見落としやすい位置だ。書いてある中身は決定的なのに。
※電子ピアノの引き取りは行っておりません
出典はヤマハピアノサービス「ピアノを売りたい」。Q&Aはもっと直接的で、「電子ピアノ・電子オルガンはお引取り致しかねます」「エレクトーンはお引取り致しかねます」と2問に分けて書かれている(2026年9月7日確認)。
音バトン側は、買取対象が金管・木管・ギター・ベースの4つだけ。鍵盤楽器はそもそも入っていない。
誤解しないでほしいのは、ヤマハが情報を隠しているわけではないということだ。3か所に書いてある。
問題はその3か所が、別々のサイトに散っていることのほうだ。読者が全部を突き合わせる前提になっている。
検索されているものと、買い取られるものが逆を向いている
「ヤマハミュージック 買取」でGoogleを引いて、下に出るサジェストを数えた。2026年9月7日、位置情報なしの条件でやっている。
- 「他の人はこちらも検索」8件 …… 8件すべてがピアノ・電子ピアノ・エレクトーン
- 「関連する質問」4件 …… うち3件がピアノ・電子ピアノ
- 🔴 管楽器・ギター・ベースに関するものは、合わせて0件
知りたい人と、受け付けている物が、ちょうど逆になっている。ヤマハで検索する人の関心は鍵盤に寄っていて、店頭で買うのは管楽器とギターだ。
エレクトーンの話は、うちの古いエレクトーンの「無料引き取り」に飛びつく前に読む記事にまとめてある。そこでも書いたが、値段がつかない物を引き取らないのは業界の原則であって、ヤマハが冷たいわけじゃない。
防音室アビテックスは、店によって買い取る機種が違う
楽器以外にも、もうひとつ買取の窓口があった。防音室のアビテックスだ。ここが、同じ会社の中でいちばん条件がバラついている場所だった。しかも、公式自身がそう書いている。
確認できたのは4店。エリアも対象機種もそろっていない
直営店のページを順に当たって、アビテックスの買取ページが立っている店を探した。見つかったのは4店だ。
| 店 | 買取できるエリア | 対象シリーズ数 |
| ヤマハ銀座店 | 東京周辺(神奈川、千葉、埼玉の一部) | 3 |
| 札幌店 | 札幌市近郊 | 一覧あり |
| 大阪なんば店 | 近畿圏 | 4 |
| 岡山店 | 中四国、九州エリア | 11 |
(各店の「ご不要になったアビテックス、当店にお売りください」ページより。2026年9月7日確認)
銀座は3シリーズ、岡山は11シリーズ。同じ会社・同じ商品で、3倍以上の開きがある。岡山だけ「アビテックスミニ」や「ウッディ」といった古い世代まで対象で、エリアも2地方にまたがっていた。
このページのアビテックス買取りに関しては銀座店でのみ対応しております。他のヤマハミュージック店舗では取り扱いが無い、もしくは異なりますのでご了承ください。
出典:ヤマハ銀座店「防音室 アビテックス 中古買取り情報」(2026年9月7日確認)
札幌店にも「北海道内のアビテックスの中古買取はヤマハミュージック 札幌店のみでの取り扱いです」とある。会社のほうが先に「店ごとに違う」と言っている。
札幌店のページには、地域によって出張費がかかる場合があることと、引取費用を一部負担してもらう場合があることが書かれている。
銀座店のページには、この2つの記載がない。書いていないだけかもしれないが、問い合わせる店で条件を聞くしかない。
同じ製品の読み方まで、公式サイトの中で割れている
細かい話だが、面白かったので置いておく。AMCVという同じシリーズの読み仮名が、店によって違っていた。
- 大阪なんば店 …… 「セフィーネII ev(イーブイ)」
- 岡山店 …… 「セフィーネII ev(エブリィ)」
どちらが正しいかは分からない。ただ、店ごとに独立してページを作っていることの証拠にはなる。だから条件も店ごとに違う。ついでにもうひとつ。公式のサイトマップは317リンクあったが、「買取・中古」の入口は5件だけだった。
- 🔴 音バトンはサイトマップに載っていない(別のドメインにあるため)
- 🔴 アビテックス買取の4ページも載っていない(店舗ページの下層にあるため)
- ⚠️ サイトマップの表記は「ピアノ買取保障ご購入プラン」。リンク先の本体は「ピアノ買取保証」
探しにくいのは、こちらの探し方が悪いからではなかった。構造として散らばっている。この記事を1枚にまとめた理由がそこにある。
店頭買取に、クーリング・オフはない
制度の話を少しだけ入れておく。音バトンは店頭買取だけなので、押し買いの心配をする場面ではないからだ。ただ、店頭は制度の対象外だという一点だけは知っておいたほうがいい。
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| 出張買取査定士が自宅に来る | 宅配買取ダンボールで送る | 店頭買取店舗に持ち込む | |
|---|---|---|---|
| おすすめ度 | S 楽器買取に最適 |
B | A |
| 手軽さ | ◎ 自宅で完結電話1本で予約→自宅で待つだけ | △ 梱包が手間梱包→発送→入金まで数日 | △ 運搬が必要重い楽器を自分で運ぶ必要あり |
| 査定スピード | ◎ 最短30分〜即日その場で査定→即現金 | ✕ 数日〜1週間到着後に査定→振込 | ◎ 即日その場で査定→即現金 |
| 費用 | 無料出張料・査定料0円 | 無料送料・ダンボール無料の業者あり | 交通費は自己負担ガソリン代・駐車場代など |
| 大型楽器 (ピアノ・ドラム等) |
◎ 最適重くても運ぶ必要なし | ✕ 難しい梱包・配送のリスク大 | ✕ 難しい車への積み込みが大変 |
| 小型楽器 (エフェクター等) |
◎ 対応可 | ◎ 最適小さいので梱包が楽 | ◎ 対応可 |
| 配送時の 破損リスク |
◎ リスクなし目の前で査定するため | ✕ リスクあり配送中にネック折れ等の可能性 | △ 自分で注意運搬時の取り扱い次第 |
| 価格交渉 | ◎ しやすい対面で査定理由を聞ける | ✕ しにくい電話やメールでのやり取り | ◎ しやすいその場で交渉可能 |
| キャンセル | ◎ 無料納得いかなければその場で断れる | △ 返送料に注意業者によっては返送料自己負担 | ◎ 無料そのまま持ち帰ればOK |
| 対応エリア | 全国対応主要業者は全国出張可能 | 全国対応どこからでも発送可能 | 店舗がある地域のみ近くに店舗がないと利用不可 |
| 一度に売れる数 | ◎ 制限なし何点でもまとめて査定OK | △ ダンボールの数大量だと箱数が増え手間も増える | △ 運べる分だけ車に積める量が上限 |
| メリット まとめ |
・自宅にいるだけでOK ・大型楽器も対応 ・その場で現金受け取り ・破損リスクゼロ ・まとめて大量に売れる |
・対面不要で気楽 ・忙しくても時間を選ばない ・小型楽器に向いている ・全国どこでもOK |
・その場で現金受け取り ・対面で価格交渉できる ・自分のペースで持ち込める ・査定を目の前で見れる |
| デメリット まとめ |
・自宅に人を入れる必要あり ・日程調整が必要 ・在宅している必要がある |
・梱包が面倒 ・配送中の破損リスク ・査定まで数日かかる ・価格交渉がしにくい |
・重い楽器を自分で運ぶ ・近くに店舗がないと利用不可 ・移動時間と交通費がかかる |
| こんな人に おすすめ |
・ギターやピアノなど大きい楽器を売りたい ・複数の楽器をまとめて売りたい ・楽に高く売りたい人 |
・エフェクターやマイクなど小型機材を売りたい ・人と会わずに売りたい ・近くに業者がない地域の人 |
・すぐ現金が欲しい ・自分の目で査定を確認したい ・近くに専門店がある人 |
※査定スピードは各社公式サイトの表記です(2026年8月4日確認)。実際の対応時間はエリア・時間帯・混雑状況により異なります。各業者により対応状況が異なります。詳しくは各公式サイトでご確認ください。
- クーリング・オフ(訪問購入)が使えるのは出張買取。店頭と宅配は対象外
- 起算日は法定書面を受け取った日から8日以内(特定商取引法 第58条の14第1項)
- レコード・CD・DVD・ゲームソフト、大型家電、家具、書籍などは訪問購入の適用外
制度の詳しい話は出張買取は危険かをまとめた記事に、業者名の調べ方は訪問買取トラブルの記事に書いた。店頭は制度で守られないぶん、その場で決めなくていいと考えておけばいい。
音バトンの流れにも「査定額にご納得いただける場合は、買取のお手続きを進めさせていただきます」とある。断る余地は最初から想定されている。査定だけで断れるかを書いた記事も参考になる。
お金が入るのは、その日ではない
もうひとつ、当日その場で現金にはならない。店頭に持ち込むのだから即日現金だろう、というイメージとはかなり違う。ここは誤解が多そうな部分だ。
買取金のお支払いはゆうちょ銀行の「通常現金払」となります。お買取り月※の翌月末に、ゆうちょ銀行からご自宅へ「振替払出証書」が郵送されますので、お近くのゆうちょ銀行・郵便局にて換金ください。
※下旬の場合、翌々月末になることがございます。
出典:音レント「ヤマハの楽器買取サービス 音バトン」よくあるご質問(2026年9月7日確認)
翌月末に証書が届いて、そこから換金に行く。下旬に売ると翌々月になることもある。現金化までの日数を気にする人は、この一点だけで選び方が変わるはずだ。
ヤマハに持ち込む前に確認する4つ
ヤマハピアノサービスは引取後1週間〜10日で銀行振込と書いている。こちらも当日ではない。
ここまでの内容を、家を出る前のチェックに変える。順番どおりにやれば、たいてい途中で答えが出る。特に1と2で半分くらいは決着するはずだ。
ヤマハ製かどうか。ヤマハ製でなければ、音バトンもピアノ側も対象外になる。ここで終わる人がいちばん多い。
管楽器・ギター・ベースなら、買取価格一覧表の407品番に自分の品番があるか。※印が付いていたら製造年2000年以降かどうかも確認する。
ピアノなら天屋根を開けて製造番号を控える。番号が分からないと受け付けてもらえない。
管楽器・ギターは、音が出るか。シールやステッカーが貼られていないか。ここが音バトンの分かれ目になる。
ピアノは、音が鳴らなくても構わない。ただし水濡れと火事は引取できない場合があると書かれている。
実施17店のどこか、曜日、その店の買取対象。この3つを確認してから動く。予約は来店予約フォームから。
ピアノは店ではなく0120-192-808(月〜金10:00〜16:00)へ。窓口が違う。
- 楽器
- 本人確認ができる書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
- 🔴 印鑑
- ⚠️ 18歳未満は保護者と一緒に行く



印鑑いるの? いまどき使わないんだけど



公式の持ち物に書いてあるよ。忘れると、また同じ距離を運ぶことになる。
予約の受付にも締切がある。「ご予約日前日の受付は17:00までとなります。17:00以降、また、当日のご予約はお電話にてお申込みください」と書かれていた。
思い立った日の夕方にフォームを送っても、翌日には間に合わない可能性がある。急ぐなら電話のほうが早い。
ヤマハで受けてもらえなかったときの出し先
ここまで読んで、条件から外れた人はそれなりにいるはずだ。ここからは、ヤマハ以外の窓口に切り替える話になる。まず自分がどれに当てはまるかを整理しておく。
- 他社製の楽器を持っている
- 音が出ない、シールが貼ってある
- 電子ピアノ・エレクトーンを手放したい
- 県内に実施店がない(32県が該当する)
- ドラム・打楽器・和楽器など、対象に入っていない品目
この場合、メーカーを問わない業者に切り替えることになる。楽器専門か、総合リサイクルショップか、という選択だ。
両者の差は売り先が読めるかどうかにある。売値の見当がつかない商品は、買値の上限も上げられない。
これは店を責める話ではなく、店側の事情としてそうなるというだけだ。
総合店との差についてはハードオフの買取をまとめた記事で詳しく書いた。全国チェーンの楽器店なら島村楽器の買取評判の記事も比べる材料になる。



俺は祖父の遺品の真空管アンプを「古くて値段つきません」と言われて、そのまま置いてきた。あのとき別の窓口を知っていれば、結果は違ったかもしれない。
ヤマハは値札が先に公開されている珍しいタイプだ。比較の基準として使いやすいという言い方はできる。
だからこそ、そこだけで決める必要もない。別の窓口の数字も並べてから決めるほうが、あとで悔やまずに済む。
よくある質問
公式の記載で答えられるものだけを並べる。電話で聞いた話や、こちらの推測は入れていない。すべて2026年9月7日時点の確認だ。
- ヤマハミュージックは楽器を買い取っていますか?
-
買い取っています。サービス名は「音バトン」で、運営は株式会社ヤマハミュージックジャパンのレンタル・リース課です。対象はヤマハ製の管楽器・ギター・ベースに限られます。
- 予約なしで持ち込めますか?
-
公式は「スムーズなご案内のため、来店予約フォームから事前予約をお願いいたします」としています。前日の受付は17:00まで。それ以降と当日は電話での申し込みになります。
- ヤマハ以外のメーカーの楽器も見てもらえますか?
-
音バトンは「ヤマハ製の管楽器・ギター・ベースに限らせていただいております」と明記しています。ピアノ側も「他社製ピアノはお引き受けできません」と書かれています。
- 出張買取や宅配買取はありますか?
-
音バトンは「店頭買取のみとさせていただいております」と回答しています。ピアノ側は全国が対応地域で、引取のかたちになります。
- その日に現金を受け取れますか?
-
受け取れません。音バトンはゆうちょ銀行の「通常現金払」で、買取月の翌月末に「振替払出証書」が郵送されます。下旬に売った場合は翌々月末になることがあります。
- ケースをなくしてしまいました。買い取ってもらえますか?
-
音バトンは「ケースが無い場合も買取できます。純正ケースではない場合も買取可能です」としています。ケースの有無は条件から外れています。
- 値段がつかなかった楽器は引き取ってもらえますか?
-
「お値段がつかない楽器の引き取りは行っておりません」と書かれています。処分をあわせて頼むことはできないので、持ち帰る前提で行く必要があります。
- ピアノやエレクトーンはどこに連絡すればいいですか?
-
アコースティックピアノはヤマハピアノサービス株式会社(0120-192-808/月〜金10:00〜16:00)です。電子ピアノ・電子オルガン・エレクトーンは「お引取り致しかねます」と公式に書かれています。
まとめ:ヤマハは、条件を全部先に出しているタイプの買取だった
調べる前は「買い取っていないかもしれない」と思っていた。実際は逆で、買い取っている。しかも条件がかなり細かく公開されていた。数えた結果を並べておく。全部、公式ページを開けば誰でも確認できるものだ。
- 買取価格一覧表の品番は407(金管90・木管95・ギター192・ベース30)
- 金額の幅は4,000円〜200,000円。グッドデザイン賞の登録情報と一致した
- 店頭買取の実施は17店。直営の楽器店24店のうち7店は非実施
- 定休日の書かれ方は6通り。買取窓口があるのは15都道府県
- 楽器を手放す窓口は会社が2つ。古物商許可は東京都に1件、神奈川・静岡・大阪に各1件
- 電子ピアノとエレクトーンはどちらの窓口でも対象外
条件が公開されているのは、読者にとって得な話だ。行く前に自分で判定できる。それができる買取サービスは、実はそんなに多くない。逆に言えば、条件から外れたときも先に分かる。分かったうえで別の窓口に回せば、その日は無駄にならない。



いちばん惜しいのは、行ってから知ることだ。楽器は重い。往復2回ぶんの体力は、査定の1回に使ったほうがいい。
急ぐ必要はない。定休日も条件も、今日調べても来週調べても同じだ。ただ、動く前に調べるかどうかで結果は変わる。
比べる相手を1社だけ置いておく。楽器の買取屋さんは楽器専門で、出張買取をやっている。値がつきにくい物も査定すると公式に書いていた業者だ。ヤマハで条件から外れた楽器の行き先としては、噛み合っている。
俺の屍を越えてくれ。運ぶ前に、まず品番と曜日を見ろ。

