押し入れの奥から、ガムテープが茶色く乾いた段ボールが出てきた。開けたらLPがぎっしり詰まっている。父のものか、若いころの自分が買ったものか。

レコード買取で調べると、業者の名前と金額の表ばかり出てきて……。うちの箱がどれに当たるのか、結局わからないんです。



わからなくて当然だ。金額の表は、あんたの箱の中身を知らないからな。
先に結論を言っておく。レコードの行き先を決めるのは、業者名でも枚数でもない。決めるのは、箱の中身だ。この記事は、その一点を公式の記載で確かめていく。
俺はアキラ。元バンドマンで、元楽器店スタッフだ。中古の査定台の向こう側にはいたが、レコードを査定に出したことはない。だから体験談ではなく、数えた事実だけを置く。
- 枚数ではなく中身で決まること。6枚が約300枚を1枚あたりで上回っていた
- 箱の中身を見てもらう 出張査定は無料(査定だけでもOK)
- 値段がつきにくいジャンルを、名前まで出している会社(4社で数えた)
- キズも反りもカビも、「それでも見る」と書いた会社の数
- 値段がつかなかった盤が、そのあとどうなるか
結論|レコード買取は、枚数より先に「箱の中身」で行き先が変わる
業者を比べる前に、片づけておくことがある。あんたの箱に何が入っているかだ。ジャンル、盤の種類、帯、状態。この記事で数えたことは、全部そこにつながっていた。
- 公式の実績を1枚あたりに割り直すと、6枚が約300枚を上回った
- 値段がつきにくいジャンルを名前まで出していたのは、4社中2社
- キズ・反り・カビの3つとも「見る」と書いていたのも、4社中2社
- 盤の種類でも分かれる。LP盤だけを買い取る会社がある
この4つの根拠は、これから全部出す。出典と確認日を添えてあるので、疑わしいところは自分で確かめてくれ。
この記事に買取相場表は載せない
理由を先に書く。このサイトでは金額の推計を書かないと決めているからだ。レコードの金額は盤、プレス、帯、状態で動く。表のレンジは、あんたの1枚には当たらない。
実を言うと、この記事の前の版には、ある会社が公表していたジャンル別の相場を並べた表があった。今回のリライトで表ごと削った。
- ジャンル別の買取相場の表(金額のレンジを並べたもの)
- 「家に来てもらう」「箱で送る」「3つの方法を並べる」の3章。方法の比べ方は、別の記事に任せた
- 業者の公式サイトへのリンク。出典は、名前と確認日で示す



え、相場ないの? いくらになるか知りたくて開いたんだけど。



知りたいのは「損したくない」だろ。それなら表を眺めるより、無料の査定を1社受けたほうが早い。金額はそこで出る。
数えたのは、このサイトで調べてきた4社の公式の記載だ
やったことは単純だ。このサイトで個別に調べてきたレコード買取の4社について、公式に書いてあることを同じ項目で並べ直した。
福ちゃん・エコストアレコード・バイセルの3社は、指名記事で数えてある。ビーレコードに指名記事はまだないが、その3本すべてに比較先として出てくる。
母数は4社で、小さい。4社で数えた結果で、業界の傾向ではない。この4社以外の会社がどう書いているかは、この記事からは何も言えない。
実績や口コミの数字は、各記事で数えたものを使い、数え直していない。ただしジャンルと状態を含む各社の条件は、2026年9月17日に4社の公式を開き直して確かめた。
枚数じゃない。何が入っているかで決まる
「300枚もあるんだから、それなりの金額になるだろう」。押し入れを開けた人の多くが、最初にそう考える。この章は、その期待に業者が自分で公表している実績で答える。
先に断っておく。業者の優劣の話ではない。同じ会社の同じページの中で、枚数と1枚あたりの並びが逆を向いている、という話だ。
6枚が約300枚を上回った|福ちゃんの公式実績9件を1枚あたりに割り直した
福ちゃんのレコード買取ページには、枚数と金額がそろった買取実績が9件載っている。福ちゃんのレコード買取を公式と適時開示で調べた記事で、それを1枚あたりに割り直した。
| 公式に載っている内容 | 枚数 | 1枚あたり |
|---|---|---|
| KISS「地獄の全貌」含むコレクション | 6枚 | 約4,667円 |
| Three Blind Mice関連作品 | 約20枚 | 約3,250円 |
| 山下達郎含むシティポップ | 13枚 | 約2,692円 |
| 友川かずき含むジャパニーズフォークロック | 6枚 | 約2,167円 |
| ジョン・コルトレーン含むジャズ・ポップス | 約100枚 | 250円 |
| シティポップやUKロックが中心 | 約300枚 | 約233円 |
| ロック・シティポップ中心 | 約300枚 | 約217円 |
| 竹内まりや「ヴァラエティ」含むポップス | 約300枚 | 約183円 |
| アメリカンロック・フォーク中心 | 約100枚 | 120円 |
いちばん上は6枚で、いちばん下は約100枚だ。上から4件のうち2件が6枚しかない。総額なら約300枚のほうが大きいが、1枚あたりにすると並びがひっくり返る。
9件をならすと1枚あたり約321円になる。ただしこれは、公式が載せると決めた9件だけの平均だ。あんたの箱の予想額ではない。
買取価格は参考買取価格となります。同名のレコードでも時期や状態によって買取価格が変動する場合がございます。ご了承ください。
出典:福ちゃん公式サイト レコード買取ページ(2026年9月17日確認)。「参考」と書かれた数字を、保証された額のように読まないでくれ。



え、300枚持ってっても6枚に負けるの? じゃあ枚数って意味なくない?



意味がないんじゃない。順番が逆なんだ。中身が先に決まって、そこに枚数が掛かる。
ビーレコードの実績でも、同じことが起きていた
偶然かどうかを確かめたくて、この記事の前の版で、宅配専門のビーレコードの実績でも同じ割り算をしていた。そのときの3件を、数え直さずに置く。
| 公式に載っている内容 | 点数 | 1点あたり |
|---|---|---|
| 細野晴臣や山下達郎を含むシティポップ | 100点 | 680円 |
| マイルス・デイヴィスを含む人気ジャズプレイヤーのレコード | 464点 | 約121円 |
| 中森明菜や松田聖子を含む邦楽ポップス | 200点 | 約17.5円 |
100点より200点のほうが、1点あたりは小さい。ジャンルが違えば、点数が多くても並びは変わるということだ。
ビーレコードの公式には、2026年9月17日の時点で実績が16件並んでいた。ここに置いたのは前の版で割り直した3件だけで、残りの13件は割り直していない。
だから3件で「ビーレコード全体がこうだ」とは言えない。言えるのは、同じ会社の中で点数と1点あたりが逆を向く例がある、というところまでだ。
エコストアレコードでは、評価が枚数で割れていた
3社目は、実績ではなく口コミの側から同じ形が出た。エコストアレコードの口コミを3媒体で数えた記事で、62件を1件ずつ並べ直している(2026年8月30日確認)。
- 星1が30件、星4と星5が合わせて20件。星3は1件だけだった
- 高評価の投稿に書かれていた量は、LP300枚+EP90枚などの数百枚
- 低評価の投稿に書かれていた量は、LP19枚・LP20枚などの数十枚
例外もあるので、断定はしない。ただ公式は、宅配の送料無料をLP10点以上か、EP・CD合わせて50点以上に置いている(2026年9月17日確認)。
量がまとまっている人ほど、条件に乗りやすい店だ。少ない枚数だと、そもそも送料無料の条件から外れる。指名記事で「量がまとまっている人」の店と結論づけたのは、この線があるからだ。
バイセルでは、公式の掲載22件が全部「出張」だった
4社目のバイセルは、公式ページの見せ方に形が出ていた。バイセルのレコード買取を調べた記事で、掲載事例を1件ずつ開いて数えている(2026年8月30日確認)。
- 掲載事例22件が、すべて「出張買取を利用」だった
- 事例の見出しは「数百枚」「多数」など、量の話ばかりだった
- 買取実績に書かれた金額は0件だった
公式はレコードページの冒頭に、次の一文を置いている。2026年9月17日に開き直すと、前の記事で引いたときには無かった括弧書きが付いていた。
レコードは、LP盤のみの買取となります。(サンプル盤・見本盤は買取不可)
状態やジャンルによっては、お値段が付かないものもございます。
出典:バイセル公式サイトのレコード買取ページ冒頭(2026年9月17日確認)。量のあるLPをまとめて引き取る窓口と読むのが自然だ。これは俺の読み方で、公式がそう書いているわけではない。
「当時たくさん出た盤ほど安い」と、会社自身が書いている
4社の数字が同じ向きを向く理由も、公式に書いてあった。エコストアレコードは売る前の心得をまとめたページで、買取額が安くなる盤の条件を自分から並べている。
買取額が安いもの
・発売当時、高い人気ゆえに大量に製造され流通した
・現在もなお中古市場で同じものが溢れている
出典:エコストアレコード公式サイトの売却の心得のページ(2026年9月17日確認)。逆の側には「少量しか製造されなかった」盤が挙がっている。当時の売れ方が、いまの値段に響くと読める。
ビーレコードの実績にも、同じ向きの一言があった。昭和アイドルの200点には、活動当時の作品より後年のベスト盤や再録盤のほうが市場価値の高いことが多い、という趣旨の査定士コメントが付いている(2026年9月17日確認)。



うちの親の箱、当時のヒット曲ばかりなんです。じゃあ期待しないほうがいいんですか?



期待は低めでいい。ただ、見せる前に捨てる理由にはならない。少なく作られた1枚が混ざっていても、開けた本人には見分けにくいからな。
4社を同じ項目で横に並べた
ここまでの4社を、同じ項目で1枚にまとめる。順位は付けない。見てほしいのは、どの欄が埋まって、どの欄が「確認できず」になったかだ。
表は横に長い。自分に関係する行だけを横に読めばいい。EPが多いなら「対象の盤」、演歌が多いなら「ジャンル」の行だ。
| 確認した項目 | 福ちゃん | ビーレコード | エコストアレコード | バイセル |
|---|---|---|---|---|
| 運営 | 株式会社REGATE(BuySell Technologiesの完全子会社) | 株式会社山徳 | FTF株式会社 | 株式会社BuySell Technologies |
| 買取方法 | 出張・店舗の2つ | 宅配だけ(出張・店舗は「行っておりません」) | 宅配・出張・持込の3つ | 出張・店頭・宅配(内容により宅配査定・店舗査定を案内する場合あり) |
| 枚数の線 | 1点から | 1枚から | 宅配の送料無料はLP10点以上か、EP・CD合わせて50点以上。出張は東京23区内LP100点以上/関東地方200点以上 | レコードページで下限の記載は確認できず |
| 対象の盤 | 盤の種類を絞る記載は確認できず | LP・シングル・12インチシングル・EP・SP・ソノシート | レコード(見本盤も査定できると記載) | LP盤のみ(サンプル盤・見本盤は買取不可) |
| 値段がつきにくいジャンル | 記載を確認できず | 7ジャンルを名指し | 5ジャンルを名指し(「など」付き) | 「ジャンルによっては」とだけ記載 |
| キズ・反り・カビ | 3つとも「以下のような状態でもご相談ください!」の一覧にある | 3つとも「喜んで買取査定します!」の一覧にある | 「それでも見る」型の一覧は確認できず。盤質の段階に傷・反り・カビを記載 | 盤の傷だけ一覧にある |
| 値段がつかなかった盤 | レコードページで記載を確認できず | 同意か自動承諾で無料引き取り | 希望すれば無料で引き取り | レコードページで記載を確認できず |
| 断ったときの費用 | 出張料・査定料・キャンセル料は完全無料 | 返送料はお客様負担。一部だけの返却は不可 | 全部返すと着払い。通常査定は一部返却不可 | 手数料は無料。宅配の返送は着払い |
| このサイトで数えたこと | 実績9件を1枚あたりに割り直した | 実績3件を1点あたりに割り直した(前の版) | 口コミ62件で、評価が枚数で割れた | 掲載22件が全部「出張」だった |
いちばん差が出たのは、「対象の盤」と「ジャンル」の行だった。会社の良し悪しではなく、何を受ける設計かが、会社ごとに違う場所に書いてある。



福ちゃんとバイセルが同じ表に並んでいますけど、同じグループなんですよね?



そうだ。だからこの表は、あの2社のどちらかを選ぶためのものじゃない。そこは後の章でもう一度書く。
箱の中身は、まず実物を見てもらうのが早い。福ちゃんは出張について「出張料・査定料・キャンセル料 完全無料」と書き、1点から受けている(2026年9月17日確認)。
値段がつきにくいジャンルを、名前まで出していたのは4社中2社だった
ここは、がっかりするかもしれない章だ。それでも書くのは、結果を見てから知るより、いま知るほうがいいからだ。
数え方はこうした。4社の公式で「値段がつきにくい」ジャンルに触れた記載を探し、ジャンルの名前まで出しているかで分けた。
4社の書き方を、原文の言葉で並べた
言い方が会社ごとにかなり違う。「難しく」「安い」「付かないものも」。言い換えると角が取れるので、表の中も原文の言葉のままにした。
| 会社 | 公式の言い方(原文) | 挙げていたジャンル名 |
|---|---|---|
| 福ちゃん | 記載を確認できず(レコードページ2種) | — |
| ビーレコード | 「査定可能ですがお値段をお付けすることが難しく」 | 全集シリーズ/演歌/民謡・小唄/民族音楽/軍歌/カラオケ/ムード音楽(7つ) |
| エコストアレコード | 「買取額が安いもの」のうち「不人気のため安価でも販売しにくい」 | 民謡や小唄/演歌/全集シリーズもの/カラオケ/ムードミュージック(5つ・「など」付き) |
| バイセル | 「状態やジャンルによっては、お値段が付かないものもございます」 | 名前は挙げていない |
全てのジャンルが査定対象です。
ただし、以下の音楽ジャンルは、査定可能ですがお値段をお付けすることが難しくなっております。
全集シリーズ / 演歌 / 民謡・小唄 / 民族音楽 / 軍歌 / カラオケ / ムード音楽
出典:ビーレコード公式サイト よくある質問のうち、音楽ジャンルの回答(2026年9月17日確認)。1行目は「全てのジャンルが査定対象」になっている。ここは先に押さえておいてほしい。
2社が共通で挙げていたのは5ジャンルだった
名前まで出していた2社を突き合わせた。「全集シリーズ」と「全集シリーズもの」のような表記ゆれは、同じジャンルとして数えている。
- 2社とも挙げていた……全集/演歌/民謡・小唄/カラオケ/ムード音楽の5つ
- ビーレコードだけが挙げていた……民族音楽/軍歌の2つ
- エコストアレコードだけが挙げていた……なし
検算しておく。共通の5つと片方だけの2つで、ビーレコードの7ジャンルと一致する。エコストアレコードの5ジャンルは、全部が共通の5つに入っていた。
会社の単位でも数えた。名前を出していたのが2社、「ジャンルによっては」とだけ書いたのが1社、記載を確認できなかったのが1社で、2+1+1=4社だ。
- 言える……名前まで出していた2社は、5つのジャンルで一致していた
- 言えない……他の会社でも同じだ、とは言えない。母数は4社だ
- 言わない……このジャンルに値段が「つかない」とは書かない。原文は「難しく」「安い」だ
「値段がつきにくい」は「見てもらえない」ではない
遺品整理で出てくる箱には、この並びがそっくり入っていることがある。演歌と全集ものが大半なら、期待は低めに置いておくほうが、当日に慌てない。
ただし、ビーレコードは同じ回答で「査定可能です」と書き、エコストアレコードの言い方も「安い」だ。2社とも、断るとは書いていない。



言っとくが、値段がつかない=価値がない、じゃないからな。親父が擦り切れるまで聴いた盤は、市場の値段とは別のところにある。
売る盤と手元に残す盤を、分けていい。全部を換金する必要はない。値段がつかなかった盤の行き先は、後の章で4社の記載を並べてある。
中身が分からないまま悩むより、少ない枚数で一度試すのも手だ。ビーレコードは1枚から申し込めて、送料・査定料・振込手数料を無料と書いている(2026年9月17日確認)。
キズも反りもカビも、査定はされる|「それでも見る」を4社で数えた
「うちのは汚いから、どうせ無理だろう」。ここで検索をやめる人が、結果的にいちばん損をする。この章では、状態の悪い盤を公式がどう書いているかを数える。
数えたのは盤のキズ・反り・カビの3つだ。押し入れから出てくる盤の心配ごとは、だいたいこの3つに収まる。
3つの状態を、4社の記載に当てた
「この状態でも見る」と読める一覧に、その語が入っているかを見た。一覧の見出しは会社ごとに違うので、見出しも原文のまま表に入れてある。
| 会社 | 一覧の見出し(原文) | 盤のキズ | 盤の反り | カビ |
|---|---|---|---|---|
| 福ちゃん | 以下のような状態でもご相談ください! | ◯ | ◯ | ◯ |
| ビーレコード | こんな状態の古いレコードでも喜んで買取査定します! | ◯ | ◯ | ◯ |
| バイセル | 以下の状態のレコードも無料で査定いたします! | ◯ | 一覧に確認できず | 一覧に確認できず |
| エコストアレコード | 同じ型の一覧は確認できず | — | — | — |
| 一覧にあった社数 | — | 3社 | 2社 | 2社 |
検算すると、キズは3社、反りとカビは2社。3つとも入れていたのは福ちゃんとビーレコードの2社だった。
バイセルの一覧に反りとカビは見当たらなかったが、よくある質問では「状態が悪い物でもお買取は可能です」と答えている(2026年9月17日確認)。一覧に無い=受けない、ではない。
エコストアレコードは「見る」ではなく「段階」で書いていた
残る1社のエコストアレコードには、同じ型の一覧が見当たらなかった。代わりに、盤質を段階で示す基準をよくある質問に載せている。4つの段階を原文で引く。
E-:スレまたは傷が見られる状態。
VG+:軽度な反り、目立つ深めの傷や、複数の傷やスレがある状態。
VG:大きな反り、塩ビ焼け、目立つ傷がありノイズが多く出たり、ラベルには、汚れ、変色、シミ、カビ、剥がれがある状態。
VG-:再生不能若しくは破損しているもの。
出典:エコストアレコード公式サイト よくある質問(2026年9月17日確認)。傷も反りもカビも、段階の中の1つとして書かれている。
一方で、同じ公式の売却の心得をまとめたページは、値段がつかないものに「状態不良、再生不可のレコード」を挙げている。再生できるかどうかが、この会社の線に読める。
4社とも「状態で金額が変わる」とも書いている
「見る」と「値段がつく」は別の話だ。4社とも、状態が金額に響くことを公式に書いている。こちらも落とさずに並べる。
- 福ちゃん……同名のレコードでも「時期や状態によって買取価格が変動する」
- ビーレコード……「著しく状態が悪い場合にはお値段をお付けすることが難しい場合がございます」
- エコストアレコード……値段がつかないものとして「状態不良、再生不可のレコード」
- バイセル……「状態やジャンルによっては、お値段が付かないものもございます」
4つとも、各社の公式サイトで2026年9月17日に原文を確認した。捨てる前に一度見せる。そのうえで値段がつかなくても、驚かなくていい。
自分で磨こうとしないほうがいい
ここは俺の失敗の話だ。楽器店にいたころ、売る前日に楽器の塗装面を擦ったことがある。翌日、査定士がライトに当てて角度を変えた瞬間の顔を、今でも覚えている。
手を入れる前より悪くなっていた。盤も同じで、良かれと思って触るほど元に戻らなくなる。削れた盤面は、あとから足すことができない。
- ⭕ 表面のホコリを、乾いた柔らかい布で軽く払う程度
- ⭕ 平積みをやめて、立てて置く
- 🚫 台所洗剤や溶剤を使う
- 🚫 カビを削り落とそうとする
なおバイセルは、公式の売るポイントで専用クリーナーで拭き取ってから売るよう勧めている(2026年9月17日確認)。俺が止めたいのは、台所の洗剤で盤を洗うようなやり方のほうだ。
量がまとまっているなら、盤質を段階で見る会社に出す手もある。エコストアレコードは出張も受けていて、東京23区内はLP100点以上、関東地方は200点以上を条件に挙げている(2026年9月17日確認)。
箱の中身別|4社をどう使い分けるか
ここまでの材料を、あんたの箱に当てる。順位ではなく組み合わせの話だ。どの会社にも、合う箱と合わない箱がある。
表の「注意」の列も、同じ重さで読んでほしい。合わない窓口に出すのが、いちばん損をする形だからだ。EPの箱をLP盤のみの窓口に出すと、手間だけが残る。
箱の中身と量で、行き先の候補を分けた
列は左から「あんたの箱」「候補」「公式の記載」「注意」だ。自分の箱に近い行に指を置いて、その行だけ読めばいい。
| あんたの箱 | 候補 | 公式の記載 | 注意 |
|---|---|---|---|
| LPが数枚〜数十枚。家に人を上げたくない | ビーレコード(宅配) | 1枚から申し込める。出張・店舗は行っていない | 返送料は自己負担。沖縄・離島は無料宅配キットの対象外 |
| LPが数百枚。運べないので家に来てほしい | 福ちゃん(出張)/バイセル(出張) | 福ちゃんは1点から。バイセルはLP盤のみ | 2社は同じグループ。相見積もりの2社にしない |
| LP10点以上か、EP・CD合わせて50点以上。CDも混ざる | エコストアレコード(宅配) | 送料無料の条件。CD・DVDも査定対象 | 条件に届かないと、送料無料から外れる |
| 東京23区内でLP100点以上/関東地方で200点以上 | エコストアレコード(出張) | 出張の申込条件 | 条件外でも対応できる場合があると記載。まず電話 |
| EP・SP・ソノシートが多い | ビーレコード(宅配) | EP・SP・ソノシートも査定対象 | バイセルは「LP盤のみ」 |
| 演歌・全集ものが大半 | 無料の引き取りを書いている会社 | ビーレコード・エコストアレコードに記載あり | どこに出しても、値段は期待しにくい |
| 近くに店があり、少量を持ち込みたい | 福ちゃん(店舗)/エコストアレコード(持込) | 福ちゃんの店舗一覧は11店。エコストアレコードは持込買取の窓口あり | 福ちゃんは11店中8店が完全予約制。行く前に電話 |
迷ったら、量が多いほう・重いほうに合わせておけばいい。送れない量を宅配に回すより、来てもらえる窓口を先に当たるほうが早い。
4社それぞれの「向いていない人」
4社のうち3社は、このサイトの提携先だ。だからこそ合わない人のほうを先に書く。当てはまったら、その会社は候補から外していい。
- 福ちゃん……箱に詰めて送りたい人。レコードの買取方法は出張と店舗の2つだ
- ビーレコード……家に来てほしい人。出張も店舗も行っていない。査定できるものの一覧にCDも無い
- エコストアレコード……LPが10点に届かない人。宅配の送料無料の条件から外れる
- バイセル……EP・SP・ソノシートが主体の人。公式は「LP盤のみ」で、見本盤も買取不可と書いている
4行とも、各社の公式に書いてあることだけで組んだ(2026年9月17日確認)。向いていない条件は、公式に書いてある。申し込む前に読めば避けられる。
福ちゃんとバイセルを、比べる2社にしない
相見積もりを取るなら、ここは外さないでくれ。福ちゃんとバイセルは同じグループだ。2社に出しても、同じグループに2回頼んだことになる。
福ちゃんを運営する株式会社REGATEは、2024年10月8日に株式会社BuySell Technologiesの完全子会社になった。会社としては今も存続している。
- 2026年1月の吸収合併で消えたのは、レクストHDと機能子会社5社の計6社。REGATEは入っていない
- 2026年4月1日にREGATEからバイセルへ移ったのは、店舗買取事業だけ(吸収分割)
- 出典:株式会社BuySell Technologies「完全子会社との吸収分割に関するお知らせ」(2026年2月13日)、2025年12月期 決算説明資料(いずれも2026年8月29日確認)
この記事の4社で2社を組むなら、同じグループの2社を同時に選ばない。福ちゃんかバイセルのどちらか1社と、別の1社。気をつけるのは、そこだけでいい。
買取方法そのものの比べ方は、別の記事に任せた
前の版では、出張・宅配・持ち込みの向き不向きに3つの章を使っていた。同じ比べ方は、このサイトの別の記事がもっと細かく数えている。
- 家に来てもらう → 楽器の出張買取を15社で数えた記事
- 箱に詰めて送る → 楽器の宅配買取でサイズ上限を18社で数えた記事
- 店に持ち込む → 楽器買取の持ち込みを779店で数えた記事
3本とも楽器の記事だが、方法ごとの仕組みは品目を問わず共通する部分が多い。レコード固有の条件は、この記事の表で拾ってある。
運べない量があって家に来てもらうなら、福ちゃんが候補になる。出張は1点から受けていて、近くに店があれば店舗も選べる(2026年9月17日確認)。
値段がつかなかったとき、そのレコードはどうなる
箱を送ったあと、あるいは査定士が帰ったあとに困るのがここだ。値段がつかなかった盤は、引き取られるのか、戻ってくるのか。
4社の記載を並べると、書いている会社と書いていない会社にはっきり分かれた。申し込む前に決めておくことも、そこから見えてくる。
無料で引き取ると書いていたのは、4社中2社
見たのは3つだ。値段がつかなかった盤の扱い、全部返してもらうときの送料、一部だけ返してもらえるか。この3つが、送ったあとに後悔するかどうかを分ける。
| 会社 | 値段がつかなかった盤 | 全部返してもらうとき | 一部だけ返してもらえるか |
|---|---|---|---|
| ビーレコード | 同意か自動承諾で、無料で引き取り | 送料はお客様負担 | できない |
| エコストアレコード | 希望すれば、無料で引き取り | 着払い | 通常査定はできない。コレクター査定は条件つきで可 |
| バイセル | レコードページで記載を確認できず | 宅配は着払い(お客様負担) | 記載を確認できず |
| 福ちゃん | レコードページで記載を確認できず | —(レコードは宅配を受けていない) | — |
お値段をおつけすることができなかったお品物は、お客様からの同意が確認できた場合、または予め自動承諾を選択していた場合には、無料でお引き取りさせていただきます。
※「値段がつかなかった品物だけ返却」など、一部のお品物のみのご返却はできかねます。
出典:ビーレコード公式サイト よくある質問のうち、値段がつかなかった品物の回答(2026年9月17日確認)。返すなら全部、引き取りなら全部という前提で箱を閉じることになる。
どの盤に値段がついたかを、1枚ずつ知れるか
値段がつかなかった盤の話は、裏返すと「どの盤に値段がついたか」の話になる。箱の中身で決まる以上、1枚ずつの内訳が見えるかどうかも、申し込む前に見ておきたい。
- ビーレコード……「合計金額のみの告知はいたしません」。単品で買い取れる品は1点ごとに明細へ、それ以外は「まとめ品」として記載
- エコストアレコード……通常査定は明細書が出ず「合計金額のみのお伝え」。コレクター査定なら明細書を無料で発行
- 福ちゃん・バイセル……レコードページで、明細の出し方の記載は確認できず
出典:ビーレコード公式サイトのトップページ、エコストアレコード公式サイトのよくある質問(いずれも2026年9月17日確認)。中身を知りたいなら、明細の出し方も条件のうちだ。
箱を閉じる前に、家族と決めておくこと
親の盤なら、なおさら先に話を通しておく。送ったあとで「あの1枚だけ返して」と頼んでも、2社とも一部だけの返却は受けないと書いている(エコストアレコードは通常査定の場合)。
- 残す盤を、先に箱から抜いておく
- 値段がつかなかった盤を、引き取ってもらうか、返してもらうか
- エコストアレコードなら、通常査定かコレクター査定か(申し込みの時点で選ぶ)



捨てるにも手間がかかるから、無料で引き取ってもらえるだけで助かる人もいますよね。



そこなんだよ。レコードは重い。引き取ってもらえるのと、処分の段取りを自分で組むのとでは、話がまるで違う。
押し入れの段ボールを開けたら、2つだけ確認する(LPか/帯)
ここからは手を動かす話だ。1枚ずつ数える必要はない。上から何枚かめくれば、5分で終わる。古い箱はほこりが舞うので、窓を開けてからにしてくれ。
確認するのはLPかどうかと、帯があるかの2つだ。この2つで、候補から外れる会社が先に決まる。どちらも、盤を袋から出さずにジャケットを見るだけで分かる。
大きいのがLP、小さいのがEP。バイセルは「LP盤のみ」
30cmの大きい盤がLP、17cmで真ん中の穴が大きいのがEPだ。押し入れから出てくるのは、たいていLPになる。
- バイセル……「LP盤のみの買取」。EP・SP・ソノシートが多いなら申し込む前に電話
- ビーレコード……LP・シングル・12インチシングル・EP・SP・ソノシートを査定対象に挙げている
- エコストアレコード……宅配の送料無料はLPが10点、EP・CDが50点と、数え方が分かれる
- 福ちゃん……盤の種類を絞る記載は、レコードページで確認できず
対象の盤は、各社の公式で2026年9月17日に確かめたものだ。EPが多い箱は、LP盤のみの窓口に向かない。種類ごとに箱を分けておくと、電話でも話が早い。
もう少し知りたい人向け:見本盤(プロモ盤)が混ざっていたら
放送局や店に配られた見本盤は、会社によって書き方が分かれていた。バイセルは「サンプル盤・見本盤は買取不可」、エコストアレコードは「見本盤も査定できます」と書いている。
福ちゃんは「見本盤やリイシュー盤など」で価値が変わると書き、ビーレコードは見本盤を含む実績を載せていた(いずれも2026年9月17日確認)。申し込みの時点で伝えておくと話が早い。
帯(おび)だけは、外さないでくれ
ジャケットの横に挟まっている細長い紙が帯だ。日本盤にしか付いていない。バイセルは公式に、こう書いている。
帯付きレコードは日本のみで生産され、海外からの需要も高いです。帯があるとさらに価値が上がります。帯がなくても査定は行いますが、あったほうがより価値がつきやすいです。
出典:バイセル公式サイト レコード買取ページの「買取前に押さえておきたいポイント」(2026年9月17日確認)。帯がなくても査定は行うとも書いてある。無いから諦める話ではない。



え、紙? 片づけてるときにジャケットから出てきたやつ、全部ゴミ袋に入れちゃったわ。



止めろ。四十年も経つと、盤より紙のほうが残ってないんだ。袋の口を縛る前に、ジャケットに戻してくれ。
出す前に確認する3つ
最後は手順だ。全部、公式に書いてあることで確かめられる。電話をかける前に、読める範囲で終わらせよう。
順番にも意味がある。決めてから申し込むほうが、電話口でも玄関先でも迷わない。3つとも、紙に書き出せば数分で終わる。
箱の中身別の表で、自分の箱に近い行を探す。2社にするなら、同じグループを2回選ばない。候補が決まったら、その会社の条件を公式で一度読む。
引き取りか返送か。宅配なら、全部返すと送料がかかる会社がある。残したい盤は、先に箱から抜いておく。家族の盤なら、この段階で一度声をかけておく。
レコードは、訪問購入の規定から外れる物品に入っている。つまり、クーリング・オフが使えない。書面を受け取った日から8日以内なら解除できる、という原則が当てはまらない。
根拠は特定商取引に関する法律施行令 第34条の第六号にある「レコードプレーヤー用レコード」だ(e-Gov法令検索・2026年9月17日確認)。
消費者庁の特定商取引法ガイド「訪問購入」も、政令第34条の物品を訪問購入から除くと説明している(2026年9月17日確認)。サインする前が、最後の判断の場所になる。
バイセルは出張買取に限り「契約日含め8日間以内」の返品保証を公表している(2026年9月17日確認)。法律上の権利とは別物で、出張で売った人に限った会社の制度だ。
俺は昔、買取額の保証を大きく掲げる業者を家に呼んだとき、査定士に部屋を見回されて「貴金属とかもありませんか」と2回聞かれた。その場では、妙に断りにくかった。
だから出すものは、玄関を開ける前に決めておく。業者を公的な情報で確かめる手順は、訪問買取トラブルの業者名を公的リストで調べる記事にまとめてある。
レコード買取でよくある質問
本文で触れきれなかった実務を、短くまとめておく。気になる問いだけ開いて読んでくれればいい。
- レコード1枚あたり、いくらになりますか?
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この記事では書かない。金額は盤・プレス・帯・状態で動き、実物を見た査定士にしか出せないからだ。本文の1枚あたりは、公式の実績を割り直した参考でしかない。
バイセルも公式のよくある質問で、1枚あたりの価格は「一概にはお伝えできません」と答えている(2026年9月17日確認)。会社自身が、見ないと言えないと書いているわけだ。
- 何枚から頼めますか?
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福ちゃんは1点から、ビーレコードは1枚からと公式にある。エコストアレコードの宅配は、LP10点以上かEP・CD合わせて50点以上で送料無料だ(いずれも2026年9月17日確認)。
- CDやカセットテープも一緒に出せますか?
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エコストアレコードはCD・DVDも査定対象に挙げている。ビーレコードはカセットテープを挙げているが、査定できるものの一覧にCDは無い(いずれも2026年9月17日確認)。
CDが主なら、CD買取で公式20社を開いた記事が先に役に立つ。レコードとCDでは、窓口の条件が違うからだ。
- プレーヤーや針も一緒に出てきました。
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福ちゃんはプレーヤー・針・アンプ・スピーカーを、ビーレコードはレコードプレーヤーとレコード関係のオーディオ機器を挙げている(2026年9月17日確認)。
機器の側は、ターンテーブル買取、レコード針の買取、オーディオ買取の記事で、業者ごとの違いを数えてある。盤と機器は、別の話として考えたほうが早い。
- 出張で売ったあと、クーリング・オフはできますか?
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レコードはできない。特定商取引に関する法律施行令第34条の第六号に「レコードプレーヤー用レコード」が挙がっているためで、どの業者に頼んでも同じだ(e-Gov法令検索・2026年9月17日確認)。
- 沖縄や離島からでも送れますか?
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ビーレコードは、沖縄・離島には無料宅配キットを届けていない。ゆうパックの着払いで送る形になると、公式に書いてある(2026年9月17日確認)。
- 査定だけ受けて、断ってもいいですか?
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福ちゃんは公式のよくある質問で、査定だけの依頼も受けると答え、不成立でも手数料はかからないと書いている(2026年9月17日確認)。
断り方や当日の流れは、出張買取は査定だけで断れるかを書いた記事にある。金額を聞いてから考えていい。
まとめ|箱を開けて、中身で行き先を決める
長くなったが、言いたかったことは一つだ。行き先を決めるのは、枚数ではなく箱の中身だ。業者名も、相場の数字も、その後でいい。
- 公式の実績を1枚あたりに割ると、6枚が約300枚を上回った
- 値段がつきにくいジャンルを名前まで出したのは4社中2社。共通は5ジャンル
- キズ・反り・カビの3つとも「見る」と書いたのも4社中2社
- 値段がつかなかった盤を無料で引き取ると書いたのも4社中2社
- 福ちゃんとバイセルは同じグループ。比べる2社にしない
どれも、このサイトで調べてきた4社で数えた結果だ。他の会社も同じとは限らない。そこだけは、最後にもう一度書いておく。



楽器で散々やらかしてきた男が言う。価値が分からないまま捨てるのだけは、やめとけ。箱を開けるのに金はかからない。俺の屍を越えてくれ。
今日やることは3つでいい。箱を開けて、LPか、帯があるかを見て、中身に合う窓口を1社選ぶ。電話をかけるのは、そのあとで十分に間に合う。
1社目に迷うなら、少ない枚数から試せる窓口がある。ビーレコードは宅配キットを無料で送ると公式に書いている(2026年9月17日確認)。

